まき時は遅霜が終わってから
インゲンは寒さに弱く、霜に一度当たっただけで枯れます。関東平野部なら四月下旬から五月が本来のまき時です。焦って四月上旬にまいても、土が冷たくて発芽が揃わず、種が腐ることもあります。
夏まきもできます。七月から八月上旬にまけば、涼しくなった十月に穫れます。ただし発芽のころが真夏なので、日よけと水やりを欠かさないことが条件になります。
土の温度が十五度を超えると発芽が揃います。前の年に同じ場所でマメ科を作っていたなら、二年から三年あけた場所を選ぶと、根の病気を避けられます。

| 時期 | まいた場合 | 注意 |
|---|---|---|
| 4月上旬 | 発芽が揃わず種が腐る | 早すぎる |
| 4月下旬〜6月 | 順調に育つ | 最も失敗が少ない |
| 7月〜8月上旬 | 秋に穫れる | 発芽期の暑さ対策が要る |
| 8月下旬以降 | 実が太る前に寒くなる | まかない |
つるありかつるなしかを先に選ぶ
インゲンにはつるが伸びる品種と、伸びずに膝ほどの高さで止まる品種があります。同じ野菜でも、支柱が要るかどうか、収穫の期間、穫れる量が大きく違うので、まく前にどちらかを決めます。
初めてなら、支柱の要らないつるなしが手軽です。長く穫りたい、量がほしいという場合はつるありを選びます。ベランダの限られた場所では、つるなしを二回に分けてまくやり方も向いています。
| タイプ | 支柱 | 収穫までと期間 |
|---|---|---|
| つるなし | 不要。倒れ止めの短い支柱のみ | 50日ほどで穫れ2〜3週間続く |
| つるあり | 高さ2メートルの支柱が必要 | 60日ほどで穫れ1〜2か月続く |
| 半つる性 | 1メートルほどの支柱 | その中間 |
同じ畑で長く穫りたいなら、つるなしを二十日おきに二回まくか、つるありを一度まくかのどちらかにします。
点まきで一か所三粒
インゲンの種は大きいので、一か所に三粒ずつ置く点まきにします。つるなしなら株間三十センチ、つるありなら株間三十センチで条間を広くとります。深さは二センチから三センチが目安です。
水のやりすぎで種が腐るのがよくある失敗です。土が湿っているならまいた後に水をやる必要はありません。乾いているときだけ、まく前に土を湿らせておきます。
- 深さ三センチのくぼみ
- 空き瓶の底や指で、深さ二センチから三センチのくぼみを作ります。株間は三十センチを目安にします。
- 三粒を離して置く
- 一つのくぼみに三粒を、触れ合わないように離して置きます。重なると根が絡んで間引きにくくなります。
- 土をかけて押さえる
- 土をかぶせて手のひらで軽く押さえます。密着していないと水が届かず発芽が揃いません。
- 水は控える
- 土が湿っていれば水やりは不要です。湿ったところに水を足すと種が腐り、発芽しないまま終わります。
鳥よけを同時にかける
マメ科の芽は大きく、地上に出た日に鳥に引き抜かれることがよくあります。せっかく発芽しても、朝には双葉ごとなくなっているという失敗は、覆いをかけるだけで防げます。
本葉が二枚から三枚出るまで守れば、そのあとは狙われにくくなります。夏まきの場合は、同じ覆いが日よけと乾燥防止も兼ねます。
- まいた日に不織布
- まいた直後に不織布をかけ、四辺を土で押さえます。芽が持ち上がる余裕を残してたるませておきます。
- 網は支柱で浮かす
- 防鳥網を使うなら短い支柱で浮かせます。地面に密着させると、伸びた芽が絡まって傷みます。
- 本葉三枚で外す
- 本葉が三枚ほど出たら覆いを外します。かけたままだと蒸れて徒長(間のびすること)します。
発芽後は二本立てにする
三粒すべて発芽したら、本葉が一枚から二枚出たころに元気な二本を残します。一本に絞る必要はなく、二本のほうが互いに支え合って風に強くなります。三本のままだと混みすぎて実が減ります。
間引くときは抜かずに、地際ではさみで切ります。抜くと残す株の根まで動いてしまい、そこで生育が止まることがあります。二本残しておけば、一本が虫にやられても収穫が続きます。
| 状態 | 残す本数 | 理由 |
|---|---|---|
| 三本とも元気 | 太い二本 | 混みすぎを避けつつ支え合う |
| 二本発芽 | そのまま二本 | 間引かなくてよい |
| 一本だけ | そのまま | 追いまきより早く育つ |
| 発芽しない | 6月中旬までなら追いまき | 遅いと猛暑で花が落ちる |
発芽しないときの原因の切り分け
まいて一週間たっても芽が出ないときは、掘って種の状態を確かめます。原因によって、追いまきするか、まき方を変えるかが決まります。
- 種を一粒掘り出す
- 端のほうを掘って種を確かめます。硬く乾いていれば水不足、ぶよぶよに崩れていれば水のやりすぎです。
- 土の温度を疑う
- 四月上旬にまいていたなら土が冷たすぎます。五月に入ってからまき直すと、一週間ほどで揃って発芽します。
- 跡形がなければ鳥か虫
- 種が見つからないなら鳥か地中の虫です。覆いをかけてからまき直すと同じ失敗を防げます。
- 六月中旬までに追いまき
- 欠株が多いなら六月中旬までに追いまきします。それ以降は真夏の高温で花が落ち、実が付きません。
種まきの手順
インゲンは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
インゲンの種まきでよくある質問
インゲンの種はいつまく?
インゲンは寒さに弱く、霜に一度当たっただけで枯れます。関東平野部なら四月下旬…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
インゲンの種はどうやってまく?
点まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
インゲンの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
インゲンの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
インゲンは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
インゲンの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
インゲンの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
インゲンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はインゲンの育て方にまとめています。
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