時期で水と肥料の考え方を変える
インゲンの管理は、根を張らせる前半と、花と莢を付ける後半で切り替えます。前半は乾かし気味にして根を深く伸ばし、花が咲き始めたら水を切らさないようにするのが基本の流れです。
肥料はマメ科なので少なめで足ります。多いと茎葉ばかり茂って花が落ちるので、追肥(育ちの途中で足す肥料)は収穫が始まってから、様子を見て与えます。
| 時期 | 株の様子 | 水と肥料 |
|---|---|---|
| まいてから本葉4枚 | 根を伸ばす | 乾かし気味。肥料は不要 |
| つるが伸びる | 背が高くなる | 乾いたら与える。肥料はまだ |
| 花が咲く | 落花しやすい | 水を切らさない |
| 収穫が始まる | 実が次々に付く | 2週間に一度の追肥 |
花のころの水切れが最大の失敗
インゲンの花はつぼみのうちに落ちやすく、その最大の原因が水切れです。土が乾いた状態で気温が上がると、咲いた花も莢にならずに落ちます。実が少ない年の原因はたいていここにあります。
花が咲き始めたら、土の表面が乾いた時点で与えます。特にプランターは乾きが早いので、夏は朝と夕方の二回になることもあります。
- 指を差して確かめる
- 土に指を二センチ差して湿りがなければ水やりのころです。表面の色だけでは判断を誤ります。
- 朝か夕方に与える
- 日中の暑い時間に与えると水が温まって根を傷めます。朝のうちか、日が傾いてから与えます。
- 株元に深く染ませる
- 一株あたり二リットルほどを二回に分けて注ぎます。一気に流すと表面を流れるだけで根に届きません。
- 敷きわらで乾きを防ぐ
- 株元に刈った草やわらを敷いておくと、乾きが緩やかになります。梅雨明けまでに敷いておきます。
肥料は収穫が始まってから
マメ科は根に付いた粒で空気中の窒素を取り込むため、他の野菜ほど肥料が要りません。植え付け前の元肥(植える前に土に混ぜる肥料)を控えめにし、追肥は収穫が始まってからにします。
葉が濃い緑で厚く、つるばかり伸びて花が咲かないなら肥料が多すぎます。この状態で追肥を続けると、いつまでも実が付きません。
| 見た目 | 判断 | 対応 |
|---|---|---|
| 葉が濃い緑でつるが太い | 肥料が多い | 追肥を止めて水も控える |
| 葉が緑で花が次々咲く | ちょうど良い | 2週間に一度の追肥 |
| 下の葉から黄ばむ | 肥料切れ | 化成肥料を株の外側に少量 |
| 莢が細く曲がる | 肥料切れか水切れ | 追肥と水やりの両方を見直す |
収穫期は肥料を切らさない
収穫が始まると、株は次々に莢を作るために力を使います。ここで肥料が切れると莢が細くなり、収穫の期間も短くなります。二週間に一度を目安に、少量ずつ足していきます。
肥料は株の真上ではなく、葉の広がりの外側にまきます。つるありは特に根が広がるので、株から二十センチ以上離した位置に与えると効きます。
- 外側に浅い溝を引く
- 株から二十センチほど離した位置に、指や移植ごてで浅い溝を引きます。根を切らない深さにとどめます。
- 化成肥料を少量まく
- 一株あたり二十グラムから三十グラムを溝に沿ってまきます。多く与えても実の数は増えません。
- 土をかけて水をやる
- 掘った土を戻してから水を与えます。表面に置いたままでは雨で流れるか、乾いて効きません。
- 液体肥料でもよい
- プランターなら、水やりを兼ねて薄めた液体肥料を週に一度与える方法が手軽で失敗しません。
夏の高温をどう乗り切るか
気温が三十度を超える日が続くと、インゲンは花を落として実を付けなくなります。春にまいた株は七月の盛りに一度収量が落ちますが、これは異常ではなく暑さによるものです。
涼しくなれば再び花が咲くので、株を枯らさずに夏を越すことが目標になります。水を切らさず、敷きわらで地温を下げ、混みすぎた葉を減らして風を通します。
| 状態 | 起きていること | 対応 |
|---|---|---|
| 花が咲いても落ちる | 高温による落花 | 水を切らさず涼しくなるのを待つ |
| 葉が昼にしおれる | 蒸散が追いつかない | 朝夕に水。夕方に戻れば正常 |
| 下葉が黄ばんで落ちる | 根の傷みか肥料切れ | 水はけと追肥を見直す |
| 株全体が枯れ込む | 暑さで力尽きた | 秋まきに切り替える |
実が付かないときの立て直し
花は咲くのに莢にならない、そもそも花が咲かないというときは、肥料、水、気温のどれかに理由があります。順に確かめれば、その年のうちに手を打てることもあります。
- つるの太さを見る
- つるが太く葉が濃いなら肥料過多です。追肥をやめ、水も控えめにすると花に切り替わることがあります。
- 気温を思い出す
- 三十度を超える日が続いていたなら高温による落花です。株を枯らさず、九月の涼しさを待ちます。
- 土の乾きを確かめる
- 表面が白く乾いてひび割れていたなら水切れです。花のころは乾かさないよう回数を増やします。
- 翌年はまき時をずらす
- 毎年同じ時期に落花するなら、まき時を二週間ずらして開花期が真夏と重ならないようにします。
インゲンの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
インゲンの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はインゲンの育て方にまとめています。
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