採る時期は色と寒さで決める
八朔の実は十一月に黄色く色づきますが、糖が上がるのは十二月以降です。木に長く付けるほど甘くなる一方で、マイナス三度以下の夜に当たると凍ります。関東平野部では十二月下旬から一月中旬に採るのが目安で、寒波が来る前に採り切るか、寒冷紗で守って一月まで待つかを天気で決めます。
| 地域 | 採る時期の目安 | 決め手 |
|---|---|---|
| 関東平野部 | 十二月下旬から一月中旬 | 皮が濃い黄色になり寒波の予報が出る前 |
| 関東内陸・北風の当たる場所 | 十二月中旬まで | 凍害を避けて早採りし貯蔵で酸を抜く |
| 暖地 | 一月から二月上旬 | 木に付けて糖を上げ、一月末までに採る |
| 鉢植え | 十二月から一月 | 軒下に入れれば一月まで待てる |
採る前に一個試し採りして味を見ます。酸味は貯蔵で抜けますが、甘みは木に付いている間しか増えません。
はさみで二度切りする
八朔の実は皮が厚く重いので、手でもぐと枝を傷めるうえ、へたの周りの皮が裂けて貯蔵中に腐ります。収穫ばさみで軸を残して切り、もう一度へたの際で切り直す二度切りにすると、軸がほかの実を傷つけません。
- 軸を長めに切る
- 実を手で支え、軸を一センチほど残して枝から切り離します。引っ張ると枝先の花芽まで折れるので、必ずはさみを使います。
- へたの際で切り直す
- 手に持った実の軸を、へたに沿ってぎりぎりで切り直します。軸が残っていると、箱の中で隣の実に刺さって傷を作ります。
- 傷のある実を分ける
- かいよう病の斑点、凍害でしぼんだ部分、日焼けの跡がある実は貯蔵に回さず先に食べます。一つの傷んだ実が箱全体の腐りの元になります。
雨の翌日は皮が水を含んで傷みやすくなります。晴れが二日続いた日の午前中に採ります。
貯蔵して酸を抜く
採ったばかりの八朔は酸が強く、そのままでは食べにくい実です。五度から十度の暗く風の通る場所に一か月から二か月置くと酸が抜け、八朔らしいさっぱりした甘さになります。冷蔵庫に入れると温度が低すぎて皮がしなび、味も抜けます。玄関や北側の物置が向いています。
| 貯蔵の場所 | 食べごろまで | 注意 |
|---|---|---|
| 北側の物置・玄関(五度から十度) | 一か月から二か月 | 週に一度、傷んだ実を抜く |
| 暖房の無い部屋(十度から十五度) | 三週間から一か月 | 皮がしなび始めたら食べ切る |
| 冷蔵庫の野菜室 | 向かない | 酸は抜けるが皮がしなびて味が抜ける |
一個ずつ新聞紙で包み、段ボールに一段か二段で並べます。積み重ねると下の実が潰れて腐ります。
食べごろの見分け方
貯蔵中の八朔は見た目があまり変わらないので、時期と手触りで判断します。皮を押して少し弾力が出て、香りが強くなったころが食べごろです。皮がかさかさに乾いてしわが寄り始めたら、それ以上待たずに食べ切ります。
- 三週間で一個むいてみる
- 貯蔵から三週間たったら一個むいて味を見ます。まだ酸が立つなら一週間ごとに試し、丁度よい酸味になった週に家族で食べ始めます。
- 皮の張りで終わりを見る
- 皮を指で押してへこんだまま戻らなくなったら水分が抜けています。その週のうちに食べ切るか、果汁にして冷凍します。
採り終えたらすぐ木の手当て
収穫が終わった木は、長く実を養って体力を使い切っています。実を採った直後の一月から二月は肥料を入れず、三月の剪定と春肥を待ちます。ただし十一月の秋肥を逃していたなら、収穫直後に少量の肥料で補います。落ちた実と葉は病気の元になるので拾って片付けます。
- 落ちた実と葉を拾う
- 株元の実と葉はかいよう病の菌とカイガラムシの越冬場所です。収穫の日に拾い集めて処分します。
- 寒冷紗を外すか掛け直すか決める
- 実を採り切ったら寒冷紗は外して構いません。若い木は枝が寒さに弱いので、二月まで掛けたままにします。
- 三月の剪定に備えて枝を見る
- 実が付いていた枝と付かなかった枝を見比べておきます。実の多かった枝は疲れているので、春の剪定では軽く扱います。
実が付かない・落ちるときの原因と切り分け
花は咲くのに実がほとんど残らない、秋に実が落ちるという年は、受粉と木の状態のどちらかに原因があります。花の時期に何があったかと、去年の実の数を思い出すと、疑う先が絞れます。
| 起きたこと | 疑う原因 | 次にすること |
|---|---|---|
| 花は多いのに六月にほぼ全部落ちた | 受粉樹が無く受粉できていない | 夏みかんや甘夏を五メートル以内に置く |
| 去年は多く今年は花が無い | 隔年結果 | 成り年の摘果を強め、秋肥を欠かさない |
| 実が付いたが九月に黄色く落ちる | 夏の水切れか肥料切れ | 七月から九月の潅水と六月の夏肥を守る |
| 植えて四年以上たつが花が来ない | 肥料の窒素が多く枝ばかり伸びる | 春肥を減らし、上に伸びる枝を根元から切る |
| 花が咲かず葉も少ない | 冬の寒害か根の傷み | 枯れ枝を切り、株元にマルチを厚くして養生する |
近所に柑橘の木が無い場所では、受粉樹なしの八朔はほぼ実が付きません。まず相棒の木を疑います。
八朔の収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
八朔の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は八朔の育て方にまとめています。
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