季節ごとの水やりの目安
花菖蒲は水辺の植物というよりも、湿った土を好む植物です。庭植えなら根付いた後は雨だけでも育ちますが、鉢植えは乾きが速いので毎日のように様子を見ます。下の表で季節ごとの目安を確かめ、実際には土を触って決めます。
| 時期 | 庭植え | 鉢植え |
|---|---|---|
| 3月〜5月(生育期) | 土が乾いたらたっぷり | 毎日か一日おき。腰水も可 |
| 6月(開花期) | 乾かさない。夕方に株元へ | 受け皿に水を張って切らさない |
| 7月〜9月(夏) | 晴天が続いたら朝夕に | 朝夕二回。腰水の水は毎日替える |
| 10月〜2月(休眠期) | ほぼ不要 | 土が乾いてから。腰水はやめる |
腰水の水は温まると根を傷めます。真夏は朝に新しい水に替え、夕方にも確かめます。
土の乾きを確かめる
庭植えでも植え付けから一年目は根が浅く、真夏に土の表面が白く乾くと葉先から枯れ込みます。二年目以降は根が深く張って乾燥に強くなるので、様子を見て回数を減らして構いません。
- 指で土を触る
- 土の表面を指で触って、湿り気を感じなければ与えます。花菖蒲は乾燥に弱いので、他の草花より一段早めに与えて構いません。
- 葉の姿を見る
- 葉先がくるりと巻いたり、葉全体が青みを失って白っぽくなったりしたら水切れの合図です。すぐに株元へたっぷり与えます。
- 鉢の重さで判断する
- 鉢植えは水やり直後の重さを手で覚えておくと、持ち上げただけで乾き具合が分かります。軽く感じたら与える目安です。
追肥の時期と量
追肥(育ちの途中で足す肥料)は、芽が動き出す三月と、花が終わった直後の七月の二回が基本です。三月の肥料は花を大きくし、花後の肥料は翌年の花芽を作る株を育てます。夏の高温期と冬の休眠期には与えません。
肥料はゆっくり効く緩効性の固形肥料を株元から少し離して置きます。液体肥料を使うなら、四月から五月に二週間に一度、規定より薄めに与えます。
| 時期 | 肥料の種類 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月上旬 | 緩効性の固形肥料 | 六号鉢で親指の先ほどを二〜三個 |
| 4月〜5月 | 薄めた液体肥料 | 二週間に一度。開花の二週間前でやめる |
| 7月上旬(花後) | 緩効性の固形肥料 | 三月と同量。株の回復と翌年の花芽用 |
| 8月〜2月 | 与えない | 高温期と休眠期は根を傷める |
肥料の失敗を見分ける
肥料の失敗は葉に出てから気づくことが多いです。三月に置いた肥料が五月になっても溶け残っているなら量が多すぎる合図で、取り除いて翌年は減らします。
- 葉ばかり茂って咲かない
- 肥料が多すぎるときの姿です。葉が濃い緑で大きく、株が横に広がるのに花茎が上がらないなら、翌年は三月の肥料を半分に減らします。
- 葉が細く色が薄い
- 肥料切れのときの姿です。葉が薄い黄緑で、幅が狭く短いなら、四月から五月に液体肥料を足して様子を見ます。
- 根元が黒く腐る
- 肥料が根茎に直接触れたか、夏に与えたときに起きます。肥料を取り除き、腐った部分を切り取って清潔な土に植え直します。
肥料の効きは葉の幅と色に出ます。迷ったら少なめから始めて、翌年の様子で増やします。
夏の管理
花後の七月から九月は、来年の花芽を作る大切な時期です。この時期に水を切らすと株が弱り、翌年の花数が目に見えて減ります。庭植えでも晴天が三日続いたら株元へたっぷり与えます。
鉢植えは真夏の直射日光で腰水が温まり、根が煮えたようになって傷むことがあります。午後だけ日陰になる場所へ動かすか、鉢の周りを他の鉢で囲って鉢の温度上昇を抑えます。
- 枯れ葉を取り除く
- 夏に黄色く枯れた外側の葉は、株元から手で引き抜くか切り取ります。残しておくと蒸れて病気の元になります。
- 腰水の水を毎日替える
- 真夏の腰水は一日で温まり、藻や蚊の発生源にもなります。朝に捨てて新しい水を張り、水温が上がる午後には鉢に日陰を作ります。
冬の管理
鉢植えは冬の間に土が凍って膨らみ、根茎が持ち上がることがあります。二月ごろに鉢の表面を見て、根茎が露出していたら土を薄く足しておきます。庭植えでも霜柱で株が浮いたら足で軽く踏んで戻します。
- 枯れた葉を切り戻す
- 十一月から十二月に葉が枯れたら、地際から五センチほど残して切ります。切り口から腐りが入ることは少ないので、思い切って整理して構いません。
- 水やりは控えめに
- 休眠中は根がほとんど水を吸いません。庭植えは何もせず、鉢植えは土が乾いてから日中に少量与える程度にします。腰水は秋にやめます。
- 寒さ対策は不要
- 花菖蒲は関東の露地なら防寒なしで冬を越します。鉢植えは凍結で鉢が割れることがあるので、軒下など霜の直接当たらない場所に移します。
冬に株元の根茎が地表に出ていたら、土を薄くかぶせておきます。霜柱で持ち上げられるのを防ぎます。
花菖蒲の育てている間に使うもの
草花の管理は、花がらを摘むことと、肥料を切らさないことに尽きます。どちらも道具は小さくて済みます。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。手に収まる小さいものが疲れません。
咲き終わった花をそのままにすると、種を作るほうへ養分が回って次の花が減ります。摘み続けるほど花期が伸びます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸の数字が高いもの。
つぼみの上がる時期に週 1 回。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり茂って花が減ります。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 置き肥 花」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。鉢の縁に置きます。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を 2〜3 か月ごと。
水やりのたびに考えなくて済みます。液肥との併用なら、置き肥は規定量の半分から始めます。
- ジョウロ(ハス口付き)探す言葉「ジョウロ 5L ハス口」
- 規格の目安
- 容量 4〜5L。ハス口が外せるものは、株元だけに与えるときに便利です。
花に水をかけると傷んで早く終わります。ハス口を外して株元へ注げば、花を濡らさずに済みます。
- 花がらは指で摘める種類が多く、はさみが要るのは茎の硬いものだけです。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。
花菖蒲の長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は花菖蒲の育て方にまとめています。
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