花後にやることの一覧
花菖蒲は一輪の花が二〜三日で終わり、一本の花茎に二〜三輪が順に咲きます。花後の管理は、株を疲れさせないことと、翌年の花芽を作る夏を無事に越すことの二つが目的です。株の状態を見て、下の表の順に進めます。
| 時期 | 作業 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 咲き終わった花ごと | 花がら摘み | 花弁がしおれて閉じたら茎ごと折り取る |
| 全ての花が終わったころ | 花茎を切る | 花茎が黄色くなり始めたら地際で切る |
| 6月下旬〜7月 | 株分けと植え替え | 三年目以上、または鉢に根が回っていたら |
| 7月上旬 | 花後の肥料 | 植え替えた株は二週間待ってから |
花がら摘みの手順
花がら摘みは晴れた日の午前に行うと、折り取った跡が乾きやすく腐りにくいです。雨の日に行うと切り口から水が入り、花茎が黒く腐ることがあります。
- しおれた花を茎ごと取る
- しおれた花は、花の付け根の膨らみごと指でつまんで折り取ります。膨らみを残すと種ができ、そこに養分が取られて翌年の花が減ります。
- 次のつぼみを傷めない
- 一本の花茎に次のつぼみが控えていることがあります。花がらを取るときは、そのつぼみを折らないよう根元をよく見てから手を入れます。
- 花茎は地際で切る
- 全部の花が終わったら、花茎を地際近くで切り取ります。葉は切りません。葉は夏の間に光合成をして翌年の花芽を作る大切な部分です。
種を採りたいときだけ、一〜二輪の膨らみを残します。それ以外は全て取るほうが株のためになります。
株分けの適期と判断
花菖蒲は同じ場所で育て続けると、三年目ごろから株の中心が古くなり花が減ります。株分けは花後の六月下旬から七月に行い、若い根茎だけを植え直します。庭植えでも二〜三年に一度は掘り上げて更新します。
株分けが必要かどうかは、花の数と株の姿で判断します。今年の花数が去年より減った、株の中央に葉のない部分ができた、鉢の縁に根茎が押し当たっている、のどれかに当てはまれば適期です。
鉢植えは庭植えより早く根が回るので、二年に一度は株分けを兼ねて植え替えます。鉢底から根が出ている、水をやってもすぐ乾く、といった姿が植え替えの合図です。
- 株を掘り上げる
- 株の周囲を広めに掘り、根を切らないよう持ち上げます。土を水で洗い流すと根茎のつながりが見えて分けやすくなります。
- 若い芽を選んで分ける
- 新しい芽が付いた根茎を、二〜三芽ずつのかたまりに手で割るか清潔なナイフで切ります。古く黒ずんだ根茎は捨てます。
- 葉を半分に切って植える
- 分けた株の葉を半分ほどに切り詰め、根茎が二〜三センチ隠れる深さに植えます。植えた後は二週間、乾かさないように水を与えます。
同じ場所に植え直すときの注意
花菖蒲は同じ場所に植え続けると、連作障害のように育ちが悪くなります。庭では株を掘り上げた後、可能なら場所を変えます。同じ場所に戻すなら、古い土を捨てて新しい土と堆肥を入れ替えます。
庭の場所を変えられないときは、鉢植えに切り替える方法もあります。鉢なら毎年新しい土で植え替えられるので、連作の心配がなく、日当たりに合わせて場所も動かせます。
- 土を入れ替える
- 植えていた場所の土を深さ三十センチほど掘り出し、新しい土と完熟堆肥を混ぜて戻します。古い根や根茎の残りは取り除きます。
- 鉢は新しい土で
- 鉢植えは古い土を全て落とし、新しい土で植え直します。鉢も洗って乾かしてから使うと、病気の持ち越しを減らせます。
花後に株が弱ったときの立て直し
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が次々に黄色くなる | 夏の水切れか、根茎の老化 | 水を切らさず、翌年七月に株分けする |
| 葉に茶色の斑点 | 葉枯れ病などの病気 | 傷んだ葉を切り取り、風通しを良くする |
| 株元が腐って倒れる | 花後の高温多湿と過湿 | 腐った部分を取り、乾いた土に植え直す |
| 来年の芽が細く小さい | 花後の肥料不足 | 七月に肥料を与え、秋まで乾かさない |
花後の株が弱ったときは、まず水と風通しを見ます。肥料は根が動いてから足します。
翌年の花を増やす夏の過ごし方
花菖蒲の花芽は、夏から秋にかけて株の中で作られます。この期間に葉を健全に保ち、水を切らさず、直射日光にしっかり当てることが翌年の花数を決めます。花後に葉を切ったり日陰に移したりすると、翌年はほとんど咲きません。
庭植えで株が広がりすぎて見た目が悪いときも、葉を切らずに株分けの時期まで待ちます。切り詰めた株は翌年の花茎が細くなり、花も小さくなります。
- 葉を切らない
- 花後の葉は枯れるまで残します。見た目が乱れても、葉先が枯れた部分だけを切る程度にとどめます。
- 日当たりを確保する
- 夏も直射日光の当たる場所に置きます。鉢植えで腰水が温まる場合は、鉢だけを日陰にして葉には日を当てるようにします。
- 秋までの水を切らさない
- 九月まで乾かさないように管理します。庭植えでも雨が降らない週は株元に水を与えます。
花菖蒲の花が終わったあとに使うもの
来年も咲かせるかどうかは、この時期の手当てで決まります。切ることと、球根をしまうことです。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。硬くなった茎を切るので、花がら摘み用より丈夫なもの。
花後の切り戻しは、次の芽を出させる作業です。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- お礼肥用の緩効性肥料探す言葉「緩効性肥料 お礼肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10g 前後、花壇 1 ㎡ あたり 30〜50g。
咲かせるのに使った養分を戻す肥料です。ここを飛ばすと、翌年の花数が目に見えて減ります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。品種を書いたラベルを付けられるもの。
掘り上げた球根は、風の通るところに吊るして乾かします。密閉すると中から腐ります。
- 掘り上げずに植えっぱなしでよい球根も多く、その場合は保存の資材は要りません。
- 花後すぐに葉まで切らないでください。葉が来年ぶんの養分を作ります。
花菖蒲の長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は花菖蒲の育て方にまとめています。
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