水やりは系統で決める
水やりの基準は系統がすべてです。ジャーマンアイリスとアヤメは土が乾いてからさらに一、二日待つくらいでちょうどよく、ハナショウブとカキツバタは常に足元が湿っている状態を保ちます。ダッチアイリスはその中間で、一般の球根と同じく土の表面が乾いたら与えます。
| 系統 | 水やりの目安 | 夏 | 冬 |
|---|---|---|---|
| ジャーマン | 土が乾いて一、二日後 | 雨が続いたら軒下へ | ほぼ与えない |
| ダッチ | 土の表面が乾いたら | 葉が枯れたら止める | 葉があるので乾いたら |
| ハナショウブ | 毎日、受け皿に水 | 朝夕二回 | 湿らせる程度 |
| アヤメ | 土が乾いたら | 乾いたら | ほぼ与えない |
地植えのジャーマンアイリスは根付いたあと水やりをしないのが普通です。雨だけで育ちます。
肥料は少なめ、リン酸多め
アイリスは肥料をあまり必要とせず、特に窒素が多いと葉ばかり茂って花が減り、根茎が柔らかくなって腐りやすくなります。元肥(植え付け前に土に混ぜておく肥料)は緩効性肥料を控えめに、追肥は春の芽出しと花後の二回、リン酸とカリの多い配合を少量与えます。
- 芽出しに一回
- 三月、葉が伸び始めたら株元から少し離して緩効性肥料を軽くひと握りまきます。根茎に触れないようにします。
- 花後にお礼の一回
- 花が終わってから一か月ほどのあいだに、同じ肥料を同じ量与えます。翌年の花芽を作る大事な時期です。
- 夏と冬は与えない
- ジャーマンは夏に休眠し、ダッチは葉が枯れます。この時期に肥料が残っていると根茎や球根が傷みます。
- 液肥は薄めに
- 鉢植えで色が薄いときだけ、規定の倍に薄めた液肥を月に一、二回与えます。濃いと根茎が傷みます。
花が終わったら花茎を切る
咲き終わった花は放っておくと種を作ろうとして株の力を使います。花がしぼんだら花のすぐ下で摘み、一本の茎の花が全部終わったら花茎を根元から切ります。葉は残して光合成を続けさせ、翌年の根茎と球根を太らせます。
切った花茎は水に挿しても長持ちしません。ダッチアイリスを切り花にするなら、一輪目が開きかけたころに切ると次々に咲きます。
- しぼんだ花を摘む
- 一本の茎に順に咲くので、しぼんだ花から指で摘み取ります。次のつぼみに養分が回り、咲き切ります。
- 花茎を根元で切る
- 全部咲き終わったら花茎を株元近くで切ります。切り口に雨がたまらないよう斜めに切ります。
- 葉は切らない
- 葉は自然に黄ばむまで残します。ダッチアイリスは葉が枯れて初めて球根が太り終わります。
- 傷んだ葉先だけ整える
- 茶色くなった葉先は見た目のために切っても構いません。緑の部分は残して、先だけを斜めに切ると自然に見えます。
夏の管理は系統で分かれる
梅雨から夏はアイリスがいちばん傷む季節です。ジャーマンアイリスは高温多湿で根茎が軟腐病にかかりやすく、鉢なら雨の当たらない場所に移し、地植えなら株元の草を抜いて風を通します。ハナショウブは反対に水切れで弱るので、朝夕の水やりを欠かしません。
| 系統 | 夏の置き場所 | 水 | 注意 |
|---|---|---|---|
| ジャーマン | 雨の当たらない日なた | ほぼ断つ | 根茎が柔らかければ掘り上げ |
| ダッチ | 葉が枯れたら日陰でも | 止める | 掘り上げて乾燥保存も可 |
| ハナショウブ | 日なた、足元は湿らせる | 朝夕二回 | 受け皿の水を毎日替える |
| アヤメ | 風通しのよい日なた | 乾いたら | 蒸れに注意 |
鉢植えは二、三年で植え替える
鉢植えのアイリスは根茎や球根が増えて鉢の中が混み合い、二、三年で花が減ります。ジャーマンアイリスとハナショウブは株分けを兼ねて植え替え、ダッチアイリスは掘り上げて分球します。混み合った株は花芽ができにくいので、花が減ったら植え替えの合図と考えます。
- 花数で判断する
- 去年より花茎が減った、葉は茂るのに咲かない、という株は根詰まりしています。花後か秋に植え替えます。
- 古い根茎を捨てる
- ジャーマンは中心の古い根茎が花を付けません。外側の若い根茎だけ残し、古い部分は捨てます。
- 新しい土で植える
- 使った土は連作を嫌う性質があるので使い回さず、新しい土で植え直します。鉢も洗って乾かします。
咲かない、葉ばかりのときの原因
葉は元気なのに花が咲かないという相談がアイリスでいちばん多いものです。原因は深植え、日照不足、肥料の与えすぎ、株の混み合いのどれかにほぼ絞れます。株の姿と置き場所を順に確かめ、当てはまるものから直します。
| 状態 | 疑う原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 根茎が土に埋まっている | 深植え | 秋に掘り上げ根茎を出して植え直す |
| 葉が濃い緑で柔らかく長い | 窒素の与えすぎ | 肥料を止めリン酸多めに切り替える |
| 葉が細く薄い色で少ない | 日照不足 | 一日六時間以上日の当たる場所へ |
| 株が密集し中心が枯れている | 株の老化 | 株分けして若い部分だけ植える |
植え付けた翌年に咲かないのは珍しくありません。根茎が太るまで一年かかることがあるので、二年目まで待ってから原因を探します。
アイリスの育てている間に使うもの
草花の管理は、花がらを摘むことと、肥料を切らさないことに尽きます。どちらも道具は小さくて済みます。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。手に収まる小さいものが疲れません。
咲き終わった花をそのままにすると、種を作るほうへ養分が回って次の花が減ります。摘み続けるほど花期が伸びます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸の数字が高いもの。
つぼみの上がる時期に週 1 回。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり茂って花が減ります。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 置き肥 花」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。鉢の縁に置きます。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を 2〜3 か月ごと。
水やりのたびに考えなくて済みます。液肥との併用なら、置き肥は規定量の半分から始めます。
- ジョウロ(ハス口付き)探す言葉「ジョウロ 5L ハス口」
- 規格の目安
- 容量 4〜5L。ハス口が外せるものは、株元だけに与えるときに便利です。
花に水をかけると傷んで早く終わります。ハス口を外して株元へ注げば、花を濡らさずに済みます。
- 花がらは指で摘める種類が多く、はさみが要るのは茎の硬いものだけです。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。
アイリスの長く咲かせるコツは作物ページに
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