採るのは開きかけの頂芽だけ
食べごろは、包んでいた芽鱗がほどけて葉が開きかけ、まだ手のひらほどに広がっていない状態です。完全に開いた葉は固くて香りも落ちます。長さでいえば十センチから十五センチのころが目安です。
枝先の芽を頂芽といい、いちばん大きく香りが強いのはここです。ただし頂芽を採ると、その枝はわきの芽から伸び直すことになります。木の体力を考えると、採るのは頂芽だけにとどめます。
| 状態 | 見た目 | 採るか |
|---|---|---|
| 芽鱗に包まれている | とがった筆のような形 | まだ早い。数日待つ |
| 葉が開きかけ | 小さな手のひら状に広がり始め | 採りごろ |
| 葉が開き切った | 葉柄が伸びて全体が平ら | 固い。残して木を育てる |
木の大きさで採る数を決める
植えて三年目までは一芽も採らないのが確実です。四年目以降も、その年に伸びた枝の数の三分の一までを目安にします。全部の芽を採ると光合成をする葉が残らず、翌年の芽が目に見えて小さくなります。
山菜として売られている大きな束は、たくさんの木から少しずつ採ったものです。庭の一本から同じ量を採ろうとすると、二、三年で木が細り、やがて枯れます。少しずつ長く付き合うと考えます。
- 三年目までは採らない
- 植えてから三年は枝葉を増やす期間と割り切ります。ここを我慢すると四年目以降の芽の数が大きく変わります。
- 枝の三分の一まで
- その年に伸びた枝を数え、三分の一までの頂芽を採ります。残した枝の葉が翌年の芽を作ります。
- 弱った年は休ませる
- 前年に葉が小さかった木や、夏に乾かした木は採らずに一年休ませます。回復には一シーズンかかります。
- 同じ枝を続けて採らない
- 去年採った枝は覚えておき、今年は別の枝から採ります。同じ枝を続けて採ると枝先が細って枯れます。
山や他人の土地に生えているコシアブラを勝手に採ることはできません。採取は自分の土地か、許可を得た場所に限ります。
摘む位置と道具
手で折り取ると枝の皮が縦に裂け、そこから乾いて枯れ込むことがあります。清潔なはさみを使い、芽の付け根を残して切ると、残した部分から次の芽が伸びます。
高い枝は無理に引き寄せません。引っ張ると枝が裂け、その枝ごと駄目になります。脚立を使うか、高枝ばさみで届く範囲だけにとどめます。届かない芽は木を養う葉になると考えます。
採る時間帯は朝が向きます。日が高くなってからの芽は水気が抜けていて、持ち帰るまでにしおれやすくなります。朝のうちに採り、その日のうちに食べるのがいちばんおいしい食べ方です。
- はさみで付け根を切る
- 芽の付け根から一センチほど上をはさみで切ります。手で折ると皮が裂けて枯れ込みの原因になります。
- 枝を引き寄せない
- 手が届かない芽は残します。引き寄せた枝は根元から裂けることがあり、一本まるごと失います。
- 切り口はそのまま
- 細い枝の切り口に薬を塗る必要はありません。雨の続く日を避けて切れば、数週間で自然にふさがります。
採ったあとの扱いと食べ方
コシアブラの芽は乾きやすく、採った当日から香りが抜けていきます。持ち帰ったら湿らせた紙で包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れます。それでも二日から三日が食べごろの限界です。
定番は天ぷらで、下ゆでせずそのまま揚げます。おひたしや混ぜご飯にするときは、塩を少し入れた湯で三十秒ほどさっとゆで、冷水に取って水気を絞ります。ゆですぎると香りが飛びます。
- 湿らせた紙で包む
- 採ったらすぐ湿らせた紙で包み、袋に入れて野菜室へ。乾かすと数時間で香りが落ちます。
- 天ぷらは下ゆでなし
- 根元の固い部分だけ落とし、そのまま衣を付けて揚げます。低めの温度で短時間が香りを残します。
- ゆでるなら三十秒
- 塩を少し入れた湯にくぐらせ、色が変わったら冷水へ。長くゆでると香りも歯触りも失われます。
- 余ったら冷凍する
- さっとゆでて水気を絞り、小分けにして冷凍します。香りは落ちますが混ぜご飯には使えます。
- 当日中に食べ切る
- 香りが身上なので、買ってきた野菜のように数日置かないことです。食べ切れない分はゆでて冷凍に回します。
採りすぎたときの立て直し
採りすぎた年の木は、夏の葉の量で分かります。取り返しはつきますが、何年かかけて戻すことになります。焦って肥料を増やすと逆効果です。
- 翌年は一切採らない
- 採りすぎたと感じたら、翌年は全部の芽を伸ばさせます。一年で葉の量が戻ることが多いです。
- 落ち葉を厚く敷く
- 株元に落ち葉を五センチ敷き、夏に乾かさないようにします。肥料を増やすより効きます。
- 枯れ枝を切る
- 採ったあと枯れ込んだ枝先は、生きている節まで切り戻します。放っておくと枯れが下へ進みます。
- 二年目に少しだけ
- 休ませた翌々年から、枝の四分の一を目安に再開します。いきなり元の量に戻さないようにします。
コシアブラの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
コシアブラの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコシアブラの育て方にまとめています。
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