植える場所は半日陰を選ぶ
コシアブラは落葉樹の林の縁や斜面に生える木で、夏の直射日光と乾いた風をいちばん嫌います。庭であれば、午前中だけ日が当たり午後は日陰になる東側か、大きな木の陰になる場所が向きます。
水はけも同じくらい大事です。山の斜面は雨が流れ去るので根が水につかりません。平らな庭に植えるなら、周りより十センチほど高く土を盛って、水が抜ける形にしておきます。
| 場面 | 日当たり | 向き不向き |
|---|---|---|
| 建物の東側 | 午前だけ日が当たる | いちばん向く。夏の乾きが少ない |
| 落葉樹の下 | 木もれ日 | 向く。冬は日が入り春の芽が動きやすい |
| 南向きの開けた場所 | 一日中日が当たる | 向かない。葉が焼けて夏に弱る |
| 建物の北側で一日日陰 | ほとんど日が入らない | 育つが枝が細く芽が小さい |
苗は根が動く前の落葉期に買う
コシアブラの苗は実生苗が多く、高さ三十センチから六十センチの小さなものが出回ります。落葉した十一月から三月に植えるといちばん根づきがよく、芽が動き出してからの植え付けは活着が遅れます。
苗を選ぶときは幹の太さより根の量を見ます。ポットの底から白い根が少し見えているものは根が回っていて確実です。逆に土がぼろぼろ崩れて根がほとんど見えないものは、掘り上げたばかりで弱っていることがあります。
- 落葉期に入手する
- 十一月から三月の落葉している時期の苗を選びます。葉が付いた状態で植えると水を吸い上げきれず枯れやすくなります。
- 根の量を確かめる
- ポットを軽く持ち上げ、土がまとまって抜けるものを選びます。ぐらぐらして土が崩れる苗は避けます。
- 幹に傷がないか見る
- 地際の幹に割れや黒ずみがある苗は避けます。コシアブラは幹が細く、傷から乾いて枯れ込むことがあります。
- 植えるまで乾かさない
- すぐ植えられないときは日陰に置き、土が乾いたら水を与えます。数日なら鉢のままで問題ありません。
植え穴は広く浅く作る
コシアブラの根は深く潜らず、地面のすぐ下に横へ広がります。だから穴は深く掘るより、直径五十センチほどの広さで深さ三十センチほどに掘り、底の固い層をくずしておくほうが効きます。
掘り上げた土には落ち葉の腐葉土をたっぷり混ぜます。山の林の土は落ち葉が積もってふかふかしているので、それに近づけるほど根が伸びます。粘土質の畑土だけで埋め戻すと根が動きません。
- 広く浅く掘る
- 直径五十センチ、深さ三十センチを目安に掘ります。底に固い層があればくわの先で突いてくずしておきます。
- 腐葉土を半分混ぜる
- 掘り上げた土と腐葉土をおおよそ二対一で混ぜます。堆肥を少量足しても構いませんが、化成肥料は入れません。
- 根鉢の肩を出して植える
- 根鉢の上面が周りの地面より二センチほど高くなる位置に据えます。深植えにすると根が水につかって傷みます。
- 水鉢を作って流し込む
- 株元に土手を作って水をためられるようにし、バケツ一杯の水を静かに注いで土と根を密着させます。
- 落ち葉を厚く敷く
- 株元に落ち葉や腐葉土を五センチほど敷きます。乾きと地温の上がりすぎを防ぎ、山の林の状態に近づきます。
元肥(前もって入れる肥料)に化成肥料を使う必要はありません。腐葉土と落ち葉だけで十分に育ちます。
鉢で育てるときは深鉢を使う
庭に半日陰がない家では鉢植えでも育てられます。八号から十号の深めの鉢に、赤玉土の中粒と腐葉土を六対四で混ぜた土を入れます。鉢は乾きやすいので、夏は必ず日陰に移せる場所に置きます。
鉢だと根が回るのが早く、二年から三年で根詰まりします。落葉している時期に一回り大きい鉢へ移すか、根を三分の一ほど切り詰めて同じ鉢に戻します。芽の数は鉢の大きさで決まると考えて構いません。
- 深めの鉢を選ぶ
- 浅鉢は夏に乾いて根が傷みます。八号以上の深さのある鉢に、水はけのよい土を入れて植えます。
- 夏は日陰へ動かす
- 六月から九月は半日陰か明るい日陰に置きます。葉が茶色く縁から枯れてきたら日が強すぎる合図です。
- 二、三年で植え替える
- 落葉期に鉢から抜き、根が鉢の形に回っていたら外側の根を軽くほぐして大きい鉢に移します。
根づかないときの切り分け
植えた年に芽が動かない、途中で葉が枯れる、といった失敗はコシアブラでよくあります。多くは乾きか深植えのどちらかで、原因が分かれば翌年に立て直せます。
- 春に芽が動かない
- 枝を軽く曲げて見てしなれば生きています。折れて中が茶色なら枯れています。生きていれば夏まで待ちます。
- 葉が出たのに枯れた
- 乾きが原因のことが大半です。晴れが続いたら株元にたっぷり与え、落ち葉を厚く敷き直します。
- 葉が縁から茶色くなる
- 日ざしが強すぎます。よしずや寒冷紗で午後の日を遮り、鉢なら日陰へ動かします。焼けた葉は元に戻らないので早めに手を打ちます。
- 幹の地際が黒い
- 深植えで根が水につかっています。落葉期に掘り上げ、根鉢の肩が地面より高くなるよう植え直します。
コシアブラの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
コシアブラの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコシアブラの育て方にまとめています。
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