一年の流れは春と晩秋に集まる
コシアブラは落葉樹なので、作業のある時期がはっきり分かれます。四月から五月の二週間ほどが収穫期、十一月から三月が植え付けと剪定の時期、それ以外は水やりと見守りだけです。
収穫の適期は年によって一週間以上前後します。桜が散るころが目安ですが、その年の三月の気温で大きく動くので、四月に入ったら枝先を毎週見に行くのが確実です。
| 作型 | 時期 | 内容 |
|---|---|---|
| 収穫 | 4月中旬〜5月上旬 | 開きかけの頂芽を枝の三分の一まで |
| 植え付け | 11月〜3月 | 落葉している間に。芽が動く前に終える |
| 枝の整理 | 12月〜2月 | 枯れ枝と混みすぎた枝だけ切る |
| 落ち葉敷き | 11月〜12月 | 株元に五センチ。毎年の基本作業 |
月別のやることカレンダー
関東平野部の平地を目安にした一覧です。標高の高い場所や寒冷地では収穫期が二週間から三週間遅れ、暖地では一週間ほど早まります。自分の木の芽が動いた日を毎年記録しておくと精度が上がります。
表の作業は多く見えますが、実際に手を動かす日は年に五日ほどです。コシアブラは放っておいても育つ木で、失敗の大半は夏の乾きと採りすぎに絞られます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 枯れ枝を切る | 葉がないので枝ぶりが見やすい |
| 2月 | 有機質の肥料を少量 | 必要な年だけ。株元から離してまく |
| 3月 | 植え付けの最終期限 | 芽が動く前に終える |
| 4月 | 芽の観察と収穫 | 開きかけを見て採る。枝の三分の一まで |
| 5月 | 収穫の終わり | 葉が開き切ったら残して木を養う |
| 6月 | 梅雨の間は放任 | 鉢は蒸れないよう風通しを見る |
| 7月 | 乾きに注意 | 一週間降らなければ株元に水 |
| 8月 | 日よけと水やり | 西日を遮る。鉢は毎朝の水やり |
| 9月 | 残暑の水やり | まだ乾く。葉が縁から枯れたら日よけ |
| 10月 | 見守るだけ | 紅葉が始まる。作業なし |
| 11月 | 落ち葉敷きと植え付け | 落葉したら株元に五センチ敷く |
| 12月 | 植え付けと枝の整理 | 根が動かない時期。移植もこの間に |
春は毎週枝先を見に行く
収穫できる期間は短く、大きな木でも一週間から十日ほどです。四月に入ったら週に一回、枝先の芽の形を見ます。とがった筆のような形から、先がほどけて葉が見え始めたら数日以内が採りごろです。
同じ木でも日当たりのよい南側の枝が先に動き、北側は数日遅れます。全部を一度に採ろうとせず、動いた枝から順に採ると、採りごろのものだけを集められます。
木が二本以上あるなら、日当たりの違う場所に分けて植えておくと収穫期がずれます。同じ庭でも東側と南側で三日から五日は差が出るので、短い旬を少し長く楽しめます。
- 四月から週一回見る
- 枝先の芽の形を確かめます。先がほどけて緑が見えたら、数日以内に採りごろになります。
- 南側の枝から採る
- 日の当たる側が先に動きます。動いた枝から順に採ると、固くなる前のものだけ集められます。
- 一度で採り切らない
- 同じ日に全部採る必要はありません。数日おきに二、三回に分けると採りごろを外しません。
冬に枝を整理する
葉が落ちている十二月から二月は、枝ぶりがよく見えます。枯れ枝、内側に向かって伸びた枝、こすれ合っている枝を切ります。強く刈り込む必要はなく、風と光が通る程度で十分です。
背が高くなりすぎて芽に手が届かないときも、この時期に主枝を低い位置で切り戻します。切ったところから新しい枝が数本出て、翌々年から手の届く高さで芽が採れるようになります。
- 枯れ枝を落とす
- 手で折れる乾いた枝は根元から切ります。放っておくと枯れが幹の方へ進むことがあります。
- 内向きの枝を抜く
- 株の内側に向かう枝、こすれている枝を付け根で切ります。光と風が入ると芽が太くなります。
- 高すぎる木は切り戻す
- 手の届く高さで主枝を切ります。翌年は芽が採れませんが、翌々年から採りやすい形になります。
剪定は落葉している時期に限ります。芽が動き出してから切ると、その年の芽をまるごと落とすことになります。
時期を外したときの直し方
作業の時期を外しても、たいていは翌年に取り返せます。無理に季節外れの作業をするほうが木を痛めるので、次の適期まで待つのが基本です。
- 芽が開き切ってしまった
- その年の収穫はあきらめて葉を残します。木は養分をためるので、翌年の芽がよくなります。
- 植え付けが四月になった
- 芽が動いていれば、葉が広がる前に植えて日よけをします。夏まで乾かさないことが条件です。
- 剪定を春にしそこねた
- 無理に切らず十二月まで待ちます。夏に切ると切り口から枯れ込みやすく、その年の葉も減らしてしまいます。
- 落ち葉敷きを忘れた
- 気付いた時点で敷けば十分です。三月に敷いても、その年の夏の乾き止めとしてきちんと効きます。
- 肥料の時期を逃した
- 二月を過ぎたら無理に与えません。肥料は必須ではないので、その年は飛ばして翌年の二月にまわします。
コシアブラの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
コシアブラの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコシアブラの育て方にまとめています。
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