地植えと鉢植えで水やりを変える
ヤマボウシは根が浅く横に広がるため、表土が乾くと真っ先に影響を受けます。地植えでも植えて二年目までは夏の水やりが必要で、それ以降も猛暑で二週間雨がなければ与えます。鉢植えは季節ごとに頻度を変えます。
水やりの量は、少量を頻繁にではなく、一回にたっぷりが基本です。表面だけ湿らせると根が浅いところに集まり、かえって乾燥に弱くなります。
| 時期 | 地植え | 鉢植え |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 雨任せ | 表土が乾いたら鉢底から流れるまで |
| 6月〜9月 | 一週間雨がなければバケツ一杯 | 毎朝。猛暑日は夕方にも |
| 10月〜11月 | 不要 | 二〜三日に一回 |
| 12月〜2月 | 不要 | 週一回、暖かい日の午前中に |
葉がしおれてから水を与えると回復しても葉の縁が枯れ込みます。しおれる前に土を触って判断します。
株元のマルチングで乾燥を防ぐ
根が浅い木の乾燥対策で最も効くのはマルチングです。落ち葉、腐葉土、樹皮チップを株元から幹回り一メートルに五センチほど敷くと、夏の地温上昇と水分の蒸発を抑えられます。幹に直接触れさせると根元が蒸れるので、幹の周り十センチは空けます。
マルチの材料は何でも構いませんが、腐葉土や落ち葉は分解が早く土を良くする効果もあります。樹皮チップは長持ちする代わりに土の改良にはなりません。見た目と手間で選びます。
- 梅雨明け前に敷く
- 六月下旬から七月上旬、土が湿っているうちに敷くと乾燥を防ぐ効果が高くなります。乾いた土の上に敷いても中まで水が届きにくくなるだけです。
- 冬にすき込まず足す
- 分解して薄くなったら上から足します。毎年足すうちに株元の土がふかふかになり、根が広がりやすくなります。
- 下草を生やさない
- 株元の雑草は浅い根と水を奪い合います。マルチの上に生えた草は根ごと抜き、株元一メートルは草のない状態を保ちます。
肥料は年二回で足りる
痩せた山地でも育つ木なので、肥料は多く要りません。与え過ぎると枝ばかり伸びて花が減ります。二月の寒肥(休眠中に与えて春の生育に備える肥料)と、六月の花後のお礼肥の二回を基本にします。
鉢植えは土の量が限られるので、地植えより肥料切れが早く出ます。それでも量を増やすのではなく、緩効性肥料を少量ずつ回数を分けて置くほうが根を傷めません。葉の色が薄くなってきたら足す、というように木の姿を見て決めます。
| 月 | 肥料の種類 | 量の目安 |
|---|---|---|
| 2月 | 油かすと骨粉を混ぜたもの、または緩効性の有機肥料 | 成木で一株あたり二〜三握り |
| 6月下旬 | 緩効性の化成肥料 | 一握り程度、花後に |
| 9月以降 | 与えない | 秋の肥料は花芽を減らし寒さに弱くする |
肥料の置き方
根の先端は枝の広がりの外周あたりにあります。幹の根元に置いても吸えないので、枝先の真下に沿って円を描くように施します。鉢植えは緩効性肥料を表土に置き、水やりのたびに少しずつ溶けるようにします。
液体肥料は速く効く分、濃いと根を傷めます。使うなら規定の倍に薄めて四月と六月に一回ずつ、水やり代わりに与える程度で十分です。
- 枝先の真下に溝を掘る
- 枝の広がりの外周に深さ十センチほどの溝を三〜四か所掘り、肥料を入れて土を戻します。毎年場所を少しずらすと根の広がりが偏りません。
- 鉢は肥料の量を半分に
- 十号鉢なら緩効性肥料を大さじ一杯程度、鉢の縁に沿って置きます。夏場に置き肥が残っているなら取り除き、根を休ませます。
花が咲かない原因の切り分け
ヤマボウシは条件が合わないと何年も咲きません。若い木、日照不足、肥料過多、剪定時期の誤り、夏の乾燥のどれかがほとんどです。葉の様子と枝の伸び方を見て原因を絞ると、次の一年で直せます。
| 姿 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 枝が長く伸び葉が大きい | 窒素過多 | 肥料を一年やめ、水も控える |
| 葉が小さく枝が短い | 日照不足か根詰まり | 周囲の木を透かす、鉢なら植え替え |
| 夏に葉が焼けて早く落ちた | 乾燥で花芽ができなかった | マルチと夏の水やりで翌年に期待 |
| 枝先が全部切られている | 秋冬に枝先を剪定した | 落葉期の剪定は間引きだけにする |
| 樹高一メートル未満 | 若木 | 実生は五年以上待つ |
葉の色で栄養状態を読む
健康な木は五月の葉が濃い緑で、秋に赤く紅葉します。夏前から黄色っぽいなら根の不調か肥料不足、秋に紅葉せず茶色く枯れるだけなら乾燥が続いた合図です。葉を見て翌年の管理を決めます。
秋の紅葉が毎年きれいに出る木は、夏を無事に越せた木です。紅葉が冴えない年は、翌年の夏の水やりとマルチを見直す合図だと考えます。
- 葉脈だけ緑で残る黄化
- アルカリ性の土で鉄が吸えないときの姿です。石灰を控え、ピートモスを株元にすき込んで酸度を弱酸性に戻します。
- 下葉から黄色く落ちる
- 水の与え過ぎか排水不良で根が傷んでいます。水を減らし、株元の土が固ければ外周を軽く耕して空気を入れます。
ヤマボウシの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
ヤマボウシの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヤマボウシの育て方にまとめています。
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