植える時期は落葉期か梅雨入り前
ヤマボウシは落葉樹で、葉を落としている十一月から三月上旬が根を傷めにくい植え時です。真冬に凍る地域では二月末から三月に寄せます。鉢苗なら根鉢を崩さずに扱えるので、梅雨入り前の五月から六月上旬にも植えられます。
| 時期 | 苗の状態 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 11月〜12月 | 葉が落ちた休眠中 | 最適。春までに細根が動き出す |
| 2月下旬〜3月上旬 | 芽が動く直前 | 適期。寒冷地はこちら |
| 5月〜6月上旬 | 展葉後の鉢苗 | 根鉢を崩さなければ可 |
| 7月〜9月 | 生育最盛期 | 避ける。水切れで枯れやすい |
真夏に苗を買ったときは、鉢のまま半日陰で秋まで管理し、落葉してから植えます。
西日と乾燥を避けた場所を選ぶ
山の落葉樹林で育つ木なので、午前中に日が当たり午後は木陰になるような場所が理想です。西日の当たるコンクリート際に植えると、夏に葉の縁が茶色く焼け、年々花付きが落ちます。株元が乾きやすい場所も避けます。
庭の中でも、落葉樹の東側や建物の北東側は条件が合いやすい場所です。日陰過ぎると枝が間延びして花が減るので、午前中に三〜四時間は日が当たるかを植える前に一日観察して確かめます。
- 土の水はけを確かめる
- 植える場所に深さ三十センチほどの穴を掘って水を入れ、翌朝までに引いていれば合格です。半日以上残るなら盛り土をして高植えにします。
- 建物からの距離をとる
- 成木は高さ五〜十メートル、枝張り三〜五メートルになります。壁や隣家の境界から二メートル以上離すと、将来の剪定と落ち葉の手間が減ります。
- 夏の地温を下げる工夫
- 株元が舗装に近いなら、植えた後に落ち葉や樹皮のマルチを五センチほど敷きます。根が浅く広がる木なので、株元の照り返しが弱いだけで葉焼けがかなり減ります。
植え穴と土の作り方
根鉢の二倍の幅、一・五倍の深さに掘り、掘り上げた土に腐葉土を三割ほど混ぜます。肥料分を穴の底に入れると根が肥料焼けするので、元肥(植えるときにあらかじめ入れる肥料)は土に混ぜず、穴の外周に少量置く程度にします。
- 根鉢は崩さない
- ヤマボウシは細根が少なく、根を切ると回復に時間がかかります。鉢から抜いたら底で巻いている根だけ軽くほぐし、側面の土はそのまま植えます。
- 深植えを避ける
- 根鉢の上面が地面と同じか、一〜二センチ高くなる位置に据えます。深く植えると幹の根元が蒸れて腐り、数年後に急に枯れる原因になります。
- 水極めで土を密着させる
- 土を半分戻したところでたっぷり水を注ぎ、棒で軽く突いて空気を抜きます。残りの土を戻してもう一度水を与え、株元に浅い水鉢を作ります。
支柱と初年度の水やり
植えて一年目は根が張っておらず、風で揺れると細根が切れて活着が遅れます。高さ一メートル以上の苗には支柱を立てます。水は植えた年の夏が勝負で、雨が一週間降らなければ株元にバケツ一杯を目安に与えます。
- 支柱を斜めに一本
- 風上側から幹に向けて斜めに支柱を打ち、幹との接点は麻ひもを八の字にかけて結びます。結び目が幹に食い込まないよう二年目には結び直します。
- 夏は朝にたっぷり
- 土の表面が乾いて指を第二関節まで入れても湿りを感じなければ与える合図です。日中の高温時は避け、朝のうちに株元へゆっくり注ぎます。
- 二年目以降は雨任せ
- 二年目の夏に葉がしおれなければ根が張った証拠です。以後は真夏の乾燥が二週間以上続いたときだけ水を足す程度で十分です。
植えた後に元気がないときの見分け方
植え付けから一か月ほどは葉が少ししおれても正常な範囲です。ただし新しい葉が展開せず、枝先から茶色く枯れ下がるなら根の問題を疑います。原因ごとの症状を見比べて、水の量を変えるか植え直すかを判断します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉全体が垂れ、朝も戻らない | 水不足 | 株元に一度たっぷり与え、マルチを敷く |
| 葉が黄色くなり落ちる | 水のやり過ぎで根が窒息 | 水を止め、株元の水鉢を崩して排水 |
| 葉の縁だけ茶色い | 西日による葉焼け | 夏の間だけ寒冷紗で午後の日を遮る |
| 枝先から枯れ下がる | 深植えか根鉢の乾燥 | 落葉期に掘り上げて高さを直す |
植えた年に花が咲かないのは普通です。実生苗なら開花まで五〜八年、接ぎ木苗でも二〜三年かかります。
鉢植えで育てる場合
鉢でも育ちますが、根が浅く広がる性質のため乾きに弱く、真夏は毎日の水やりが必要です。十号鉢以上に植え、赤玉土七に腐葉土三を混ぜた土を使います。二〜三年に一度、落葉期に一回り大きな鉢へ植え替えると花付きが安定します。
- 鉢は素焼きか厚手を選ぶ
- 薄いプラスチック鉢は夏に根が熱で傷みます。素焼き鉢か、鉢を二重にして間に空気の層を作ると根の温度が上がりにくくなります。
- 夏は鉢を日陰に動かす
- 七月から八月は鉢を午後日陰になる位置に動かします。葉がしおれてから戻すよりも、先に動かしておくほうが葉焼けが出ません。
ヤマボウシの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ヤマボウシの上手に育てるコツは作物ページに
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