症状から原因を見分ける
ヤマボウシは丈夫で、深刻な病害虫は多くありません。葉に出る変化のほとんどは環境要因か、うどんこ病のような軽い病気です。まず葉の見た目から当たりをつけ、幹を見て虫害を除外します。
| 症状 | 考えられる原因 | 急ぎ度 |
|---|---|---|
| 葉に白い粉 | うどんこ病 | 中。広がる前に葉を取る |
| 葉の縁が茶色く枯れる | 葉焼け、乾燥 | 低。環境を直す |
| 葉に褐色の斑点 | 斑点病、炭そ病 | 中。病葉を処分 |
| 幹の根元におがくず | カミキリムシの幼虫 | 高。放置すると枯れる |
| 葉が丸まり縮れる | アブラムシ | 低。早期なら水で流す |
| 枝先が黒く枯れ込む | 切り口からの枯れ込み、凍害 | 中。枯れた部分を切り戻す |
うどんこ病
五月から六月と九月ごろ、葉の表面に白い粉をまいたような斑点が広がります。風通しが悪く乾燥気味のときに多発します。枯れることは少ないものの、葉の光合成が落ちて翌年の花が減ります。初期なら葉を取るだけで止まります。
薬に頼る前に、葉を取る、風を通す、肥料を控えるの三つで抑えられることがほとんどです。毎年同じ時期に出るなら、四月中に予防として重曹を千倍に薄めた水を葉にかけておく方法もあります。
- 白い粉を見つけたら葉を取る
- 発生した葉を摘み取り、袋に入れて処分します。全体の一割を超えて広がっているなら、庭木用の殺菌剤を葉の裏まで散布します。
- 枝を透かして風を通す
- 内側で混み合う枝を冬に抜いておくと発生がかなり減ります。株元の落ち葉に菌が残るので、秋の落ち葉は集めて処分します。
- 窒素肥料を減らす
- 柔らかい新葉ほどかかりやすいので、春の肥料が多いと悪化します。寒肥を控えめにして、枝が締まった状態を保ちます。
夏の葉焼けと乾燥
病気と間違えやすいのが葉焼けです。七月から八月、西日の当たる面の葉が縁から茶色くなり、ひどいと葉全体が枯れて早落ちします。菌ではないので薬は効きません。原因は日差しと乾燥の組み合わせなので、水とマルチと遮光で直します。
鉢植えは葉焼けよりも、鉢の中の根が熱で傷むほうが深刻です。鉢の側面に日が当たらないよう、他の鉢や板で陰を作り、真夏は鉢を二重にして間に空気の層を作ると根の温度が上がりにくくなります。
- 枯れた面で原因を確かめる
- 西向きの面だけ枯れているなら葉焼けです。全方向に均等なら乾燥か根の傷みを疑い、株元を掘って根の色を見ます。
- 寒冷紗で午後を遮る
- 若木や鉢植えは七月から八月だけ、西側に寒冷紗を張ります。三割程度の遮光で十分で、暗くし過ぎると花芽が減ります。
- 焼けた葉は残す
- 見苦しくても焼けた葉は残っている部分で光合成しています。秋の落葉まで取らず、翌年の対策に集中します。
カミキリムシの幼虫
幹の根元に木くずのようなおがくずが落ちていたら、テッポウムシと呼ばれる幼虫が幹の内部を食べています。放置すると二〜三年で木が弱り、風で折れます。おがくずの出ている穴を見つけて幼虫を退治するのが唯一の対処です。
- 六月から九月に株元を見る
- 成虫が産卵する時期です。月に一度は幹の根元一メートルまでを見て、小さな穴とおがくずがないか確かめます。
- 穴から針金で退治
- おがくずをかき出して穴を見つけ、細い針金を差し込んで奥の幼虫を刺します。穴が深いなら庭木用の幼虫駆除剤を穴に注入します。
- 穴をふさぐ
- 退治した後は穴を癒合剤か粘土でふさぎ、再侵入と枯れ込みを防ぎます。翌年も同じ時期に株元を確かめます。
アブラムシとイラガ
春の新芽にアブラムシ、夏から秋にイラガの幼虫が付くことがあります。イラガは葉の裏に群れ、触れると強く痛むので素手で払わないでください。どちらも早く見つければ被害は小さく済みます。
どの虫も、見つけた時点で数が少なければ薬は要りません。月に一度、葉の裏と枝の分かれ目を見て回る習慣のほうが、薬をまくより確実に被害を小さくします。
| 種類 | 見た目と時期 | 対処 |
|---|---|---|
| アブラムシ | 4〜6月、新芽に緑や黒の小虫 | 水で流す、多ければ庭木用の殺虫剤 |
| イラガ | 7〜10月、葉裏に黄緑のとげ虫 | 葉ごと切って処分、素手で触らない |
| カイガラムシ | 枝に白や茶の殻 | 冬に歯ブラシでこすり落とす |
イラガの繭は冬に枝の分かれ目に付く固い卵形のものです。剪定のついでに取り除くと翌年の発生が減ります。
枯れ込みが出たときの手当て
枝先が黒ずんで枯れ下がる、幹の一部の皮が浮くといった症状は、剪定の切り口からの枯れ込み、凍害、深植えによる根元の腐りが主な原因です。健全な部分まで切り戻して進行を止め、原因に応じて環境を直します。
- 健全な部分まで切り戻す
- 枝を少しずつ切り、切り口の断面が全周白くなる位置まで戻します。茶色い部分が残ると枯れ込みは進みます。
- 根元の皮が浮いたら掘る
- 幹の根元が黒く柔らかいなら深植えか過湿です。周囲の土を取り除いて根の上面を空気に触れさせ、落葉期に植え直します。
ヤマボウシの上手に育てるコツは作物ページに
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