葉の様子から原因を切り分ける
レモンバームは香りで虫を遠ざけるといわれますが、実際には新芽にアブラムシが付き、梅雨には葉が白くなるうどんこ病が出ます。まず葉の見た目から何が起きているかを表で確かめ、該当する節を読んでください。
| 見た目 | 考えられる原因 | 先に読む節 |
|---|---|---|
| 新芽や葉裏に緑や黒の小さな虫 | アブラムシ | アブラムシの対処 |
| 葉の表面に白い粉が広がる | うどんこ病 | うどんこ病の対処 |
| 葉に白い点が散り、裏に細かい虫 | ハダニ | ハダニの対処 |
| 葉に穴が開き、黒い粒が落ちている | ヨトウムシなどの幼虫 | 食害する虫の対処 |
| 株元の茎が黒く柔らかい | 蒸れによる腐れ | 夏の蒸れと根腐れ |
アブラムシの対処
春から初夏に新芽の先や葉裏に群がります。肥料が多い株ほど付きやすいので、追肥(育ちの途中で足す肥料)を控えることが予防になります。少量なら手で取れますし、増えたら水で流します。食用の葉なので、薬を使うなら食品由来の成分を使ったハーブに使える殺虫剤に限ります。
- 見つけたらその日に取る
- 新芽ごと摘み取るか、粘着テープで押さえて取ります。数日放置すると倍に増えるので、その日のうちに済ませます。
- 水で強めに流す
- 葉裏に向けてホースやスプレーで水を当てて流します。二〜三日続けると数が減ります。
- 増えすぎたら切り戻す
- 株全体に広がったら、収穫を兼ねて上から三分の一を切り、風通しを良くします。新芽には付きにくくなります。
うどんこ病とハダニの対処
うどんこ病は梅雨前後と秋の乾燥期に葉の表面が白い粉をまぶしたようになる病気です。株が混み合い風通しが悪いと広がります。ハダニは真夏の乾燥で葉裏に付き、葉が白くかすれて見えます。どちらも初期なら葉を取り除くだけで収まります。
- 白くなった葉を摘み取る
- うどんこ病の葉は見つけ次第摘んでゴミに出します。株元に落とすと胞子が残り、翌年また出てきます。
- 混み合った茎を間引く
- 株の内側で重なった茎を地際から切り、葉と葉の間に風が通るようにします。これだけで再発がかなり減ります。
- ハダニは葉水で流す
- 葉裏に霧吹きで水をかけると数が減ります。夏は朝夕に葉裏まで濡らし、乾燥を防ぎます。
- 広がったら株ごと切り戻す
- 半分以上の葉に出たら全体を半分の高さで刈り込み、出直します。切った葉は使わずに処分します。
食害する虫の対処
葉に穴が開いていたら、夜に活動するヨトウムシやバッタ、ナメクジが疑われます。昼間は株元や土の中に隠れているので、朝早くか夜に懐中電灯で探すと見つかります。数が少ないうちに捕まえるのが一番確実です。
- 朝か夜に株元を見る
- 葉の食われ方が大きく黒い粒のふんがあればヨトウムシです。株元の土を軽く掘ると丸まった幼虫が出てきます。
- ナメクジは夜に捕まえる
- 葉に光る跡があればナメクジです。夜に割り箸で拾うか、鉢の下やレンガの裏など昼の隠れ場所を減らします。
- 防虫ネットで囲う
- 鉢植えなら目の細かいネットをかぶせると蛾の産卵を防げます。地植えはトンネル状に張ります。
夏の蒸れと根腐れの見分けと立て直し
レモンバームで一番多い失敗は病害虫ではなく、梅雨から真夏にかけての蒸れです。葉が茂ったまま高温多湿が続くと株元が黒く腐り、突然全体が萎れます。萎れの原因が水切れか腐れかは、土の湿り具合と株元を触って確かめます。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 土が乾いて葉が垂れる | 水切れ | たっぷり水を与えて半日陰に移す |
| 土が湿って葉が垂れ、株元が黒い | 蒸れによる腐れ | 腐った茎を切り、健全な先端を挿し木で残す |
| 下葉から黄色く落ちる | 根腐れか根詰まり | 水を控え、秋に植え替える |
| 葉の縁が茶色く焼ける | 西日と乾燥 | 午後に日陰になる場所へ移す |
梅雨入り前に株全体を半分の高さで切り戻し、株の内側の茎を間引いておくと、蒸れによる枯れ込みのほとんどを防げます。
病害虫を出しにくくする予防
レモンバームの病害虫は、株が混み合って風が通らないときと、肥料が多くて葉が柔らかいときに集中して出ます。逆にいえば、切り戻しで風を通し、肥料を控えるだけで大半は防げます。食用のハーブなので薬に頼る前に、日々の手入れで出にくい環境を作ります。
とくに梅雨前の切り戻しは効果が大きく、これを一度やるだけで七月の株元の腐れがほとんど出なくなります。切った葉は乾燥保存に回せるので、予防と収穫を兼ねられるのがレモンバームの良いところです。
- 梅雨前と九月に切り戻す
- 六月上旬と九月上旬に全体を半分の高さで刈り込み、株の内側の茎を間引きます。風が通ると、うどんこ病と蒸れがほとんど出なくなります。
- 肥料は春と秋だけにする
- 窒素分の多い肥料で育った柔らかい葉にアブラムシが集まります。追肥は年二回に抑え、葉の色が濃すぎたら次の追肥を飛ばします。
- 週に一度は葉裏を見る
- 水やりのついでに葉裏をめくり、虫や白い粉がないか確かめます。早く見つけるほど、手で取るだけで済みます。
レモンバームの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレモンバームの育て方にまとめています。
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