種か苗か、鉢か地植えかを先に決める
レモンバームはシソ科の多年草で、種からでも育ちますが発芽がそろいにくく、苗から始めるほうが一年目の収穫まで早くたどり着けます。ミントの仲間ほどではないものの株元から横に広がるので、最初に鉢か地植えかを決めておくと後の管理が楽になります。
下の表で自分の環境に近い行を選び、そこで挙げた始め方から読み進めてください。ベランダなら鉢一つで十分な量が採れますし、庭なら一株で半畳ほどに育ちます。
| 場面 | おすすめの始め方 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| ベランダで少量を使いたい | 苗一株を6〜7号鉢へ | 根詰まりしやすいので毎春植え替える |
| 庭の一角にハーブ園を作る | 苗を株間40〜50センチで地植え | 広がるので区切りを埋めて仕切る |
| たくさん増やして苗を配りたい | 春に種をまいて育てる | 発芽まで二〜三週間かかり、間引きが要る |
| 寒冷地で冬が厳しい | 鉢植えにして冬は軒下へ | 地上部が枯れても根は残る |
良い苗の見分け方
園芸店には春の三月下旬から五月にかけて三号ポットの苗が並びます。葉の香りが強く、節間(葉と葉の間の長さ)が詰まった株を選びます。徒長(日照不足で茎がひょろ長く伸びること)した苗は植えてからも倒れやすく、しばらく収穫が遅れます。
- 葉をこすって香りを確かめる
- 葉を指で軽くこすり、レモンに似た香りがはっきり立つ苗を選びます。香りの弱い株は品種違いか、弱っている可能性があります。
- 茎の付け根と葉裏を見る
- 茎の付け根が緑色でしっかりしており、葉裏にアブラムシやハダニの粉のような跡がない株を選びます。下葉が黄色い株は避けます。
- ポットの底を確かめる
- 底穴から白い根が少し見えている程度がちょうどよい状態です。根がぐるぐる回って茶色いなら、植え付け時に軽くほぐします。
植え付けの手順
植え付けの適期は春の四〜五月と秋の九〜十月です。真夏の植え付けは根付く前に水切れしやすいので避けます。土は市販のハーブ用か野菜用の培養土で十分で、地植えなら植える二週間前に苦土石灰をひと握りまいて耕しておきます。
- 植え穴を掘る
- ポットの根鉢より一回り大きな穴を掘り、地植えなら株間を40〜50センチ空けます。鉢なら6〜7号に一株が目安です。
- 根鉢を崩さずに置く
- ポットから抜いた根鉢は崩さず、表面が地面と同じ高さになるように置きます。深植えすると株元が蒸れて腐りやすくなります。
- たっぷり水を与える
- 土を寄せて軽く押さえ、鉢底から流れるまで水を与えます。地植えでも根付くまでの一週間は土の表面が乾いたら水やりを続けます。
- 植え付け後に一度切り戻す
- 根付いたころに先端を軽く切り戻すと、株元から新しい芽が出て横に広がります。この一手間で夏の収穫量が変わります。
地植えで広がりを抑えたいときは、底を抜いた鉢や波板を深さ二十センチほど埋めて仕切ると、隣の植物に入り込みません。
植え付け後に育たないときの見分け方
植えて二週間しても新しい葉が出ないときは、水やりか日当たりのどちらかが合っていない場合がほとんどです。葉の様子を見て原因を切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が全体に垂れて土が乾いている | 水切れ | 鉢底から流れるまで与え、半日陰へ移す |
| 葉が垂れて土が湿ったまま | 根腐れか深植え | 水を止めて風を通し、株元の土を少し取り除く |
| 葉が黄色く薄くなる | 日照不足 | 半日以上日の当たる場所へ移す |
| 葉の縁が茶色く焼ける | 真夏の直射と乾燥 | 午後は日陰になる場所へ移す |
一年目の育て方の目安
苗を春に植えれば、六月には最初の収穫ができます。一年目は株を大きくする年と考え、収穫は葉の三分の一までにとどめます。秋になると株元から新芽が増え、二年目の春には一回り大きな株に育ちます。冬は地上部が枯れますが根は生きているので、抜かずに春を待ちます。
- 植え付けから一か月は様子見
- 根付くまでは収穫せず、土の乾きを見て水を与えます。新しい葉が出始めたら根付いた合図です。
- 六月に最初の収穫
- 草丈が二十センチを超えたら、上から三分の一ほどを切って使います。切った下の節から二本の芽が出ます。
- 秋に株元を整える
- 十月ごろ、枯れた茎や混み合った茎を株元で切り、株のまわりに堆肥をひとつかみ足して冬に備えます。
鉢植えで長く育てるための植え替え
レモンバームは根の伸びが早く、六号鉢なら一年で根鉢がいっぱいになります。二年目の春に新芽の出が悪い、水をやってもすぐ乾く、鉢底から根が出ているといった姿が見えたら植え替えのころです。毎年三月から四月に一回り大きな鉢へ移すか、同じ鉢に戻すなら根を三分の一ほど切り詰めて土を入れ替えます。
- 鉢から抜いて根を確かめる
- 株元を持って鉢を逆さにし、根鉢を抜きます。白い根が外側にびっしり回っていれば健全で、黒く崩れる根があれば取り除きます。
- 古い土と根を三分の一落とす
- 根鉢の下側と周りを手でほぐし、古い土と一緒に根を三分の一ほど落とします。同じ鉢に戻す場合は上部の茎も同じ割合で切り戻します。
- 新しい土で植え直す
- 鉢底に軽石を敷き、新しい培養土で根鉢の高さが縁から二センチ下になるよう植えます。たっぷり水を与え、一週間は日陰で休ませます。
レモンバームの苗づくりに使うもの
本葉が出てからポットに移し、根が回ってから花壇や鉢へ。この 2 段階に必要なものです。
- ポリポット(9cm)探す言葉「ポリポット 9cm 園芸」
- 規格の目安
- 直径 9cm が標準。生育の早いものは 10.5cm。
セルトレイのまま育てると根が回りきって傷みます。本葉 2〜3 枚でポットへ移します。
- 育苗用の受け皿トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿 底面給水」
- 規格の目安
- ポットが並ぶ大きさで、水を張れる深さのあるもの。
上から水をやると小さな苗が倒れます。下から吸わせると茎が締まります。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 苗 薄め」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。苗には規定より薄めて使います。
種まき用土には肥料分がほとんどありません。本葉が出たら薄い液肥で足します。
- 苗を買って植えるなら、育苗の資材は要りません。
- 育苗箱の加温は、春まきの一部を除けば要りません。
レモンバームの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレモンバームの育て方にまとめています。
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