症状から原因を見分ける
ライムの病害虫は柑橘全般と共通です。屋外の春から夏はアゲハの幼虫、雨の季節はかいよう病、室内の冬はカイガラムシとハダニが主な相手です。症状と季節で原因を絞ります。
| 症状 | 原因 | 出やすい時期 |
|---|---|---|
| 新芽が食われて葉がなくなる | アゲハチョウの幼虫 | 4〜10月 |
| 葉に白い線がうねって残る | ハモグリバエ(エカキムシ) | 6〜9月の新芽 |
| 葉や実にコルク状の茶色い斑点 | かいよう病 | 梅雨・台風後 |
| 枝や葉裏に白や茶色の殻が並ぶ | カイガラムシ | 室内管理の冬・風通しの悪い夏 |
| 葉がかすれて白っぽくなる | ハダニ | 乾燥した室内・真夏 |
| 葉が黒いすすで汚れる | すす病(カイガラムシやアブラムシの排せつ物) | 夏〜秋 |
アゲハの幼虫は毎日見て取る
アゲハチョウは柑橘の新芽に卵を産み、幼虫は数日で葉を食べ尽くします。鉢植えの小さな樹では一匹でも被害が大きいので、四月から十月は毎朝新芽を見て、卵と幼虫を手で取ります。若い幼虫は黒に白い模様で鳥のふんに似ており、大きくなると緑色になります。
- 卵を探す
- 新芽の葉の表や裏に、直径一ミリほどの黄色い丸い卵がついていたら指でつぶします。産みたては黄色く、数日で黒っぽくなります。
- 幼虫を取る
- 葉に食われた跡と黒いふんがあれば近くに幼虫がいます。割りばしでつまんで取り、離れた場所へ放すか処分します。
- ネットで防ぐ
- 鉢植えなら目の細かい防虫ネットで樹全体を覆うと産卵を防げます。開花中は受粉のために外します。
薬で防ぐなら、幼虫が小さいうちに柑橘に使える殺虫剤を使います。大きくなった幼虫には効きにくいです。
室内で増える虫の対策
冬に室内へ取り込むと、カイガラムシとハダニが増えます。屋外にいる間に葉の裏を洗ってから入れるのが一番の予防で、室内でも週に一度は葉裏を見て早めに取ります。カイガラムシの排せつ物で葉が黒く汚れるすす病は、虫を減らせば自然に消えます。
| 虫 | 見た目 | 対策 |
|---|---|---|
| カイガラムシ | 枝や葉裏の白や茶色の殻、ベタつく排せつ物 | 歯ブラシでこすり落とす。5〜7月の幼虫期に殺虫剤 |
| ハダニ | 葉がかすれて白っぽい。葉裏に小さな点 | 葉裏に霧吹きで水をかける。ひどければ殺ダニ剤 |
| アブラムシ | 新芽や花に群がる緑や黒の小虫 | 指で払うか野菜用の殺虫剤 |
| ハモグリバエ | 葉に白い線が描かれる | 新芽の時期に殺虫剤。被害葉は取る |
カイガラムシの成虫は殻で薬が効きません。冬に果樹用の機械油乳剤を散布すると越冬中の虫を減らせます。
かいよう病は雨と傷を避ける
かいよう病は細菌が原因で、葉や実にコルク状に盛り上がった茶色の斑点ができます。雨や風で広がり、とげや虫の傷から入ります。ライムはレモンと同じくかかりやすい柑橘です。治す薬はないので、雨に当てないこと、とげを減らすこと、病気の葉を取ることで防ぎます。
- 雨に当てない
- 梅雨と台風の時期は軒下や透明な屋根の下に置きます。雨のしぶきで細菌が飛ぶので、鉢の周りの落ち葉も片づけます。
- 病気の葉と実を取る
- 斑点の出た葉と実は早めに切り取り、袋に入れて捨てます。放置すると次の葉に移ります。
- とげを切る
- 風で葉がとげに当たって傷つき、そこから感染します。剪定のときに目立つとげを根元から切っておきます。
- 銅剤で予防する
- 発生した年は、翌春の芽が動く前と梅雨入り前に柑橘に使える銅剤を散布します。予防で使い、発病後は効きません。
病気ではない障害の見分け方
葉が落ちる、実が落ちるといった症状は病気とは限りません。寒さ、水の過不足、肥料切れ、根詰まりで起こることが多く、薬を使っても直りません。葉の見た目と直前の管理を突き合わせて判断します。
| 見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 冬に葉が一斉に落ちる | 寒さか急な環境変化 | 5度以上を保ち、暖房の風を避ける |
| 6月に小さな実が大量に落ちる | 生理落果 | 自然な間引き。残った実を摘果する |
| 7月以降に実が落ちる | 水切れか肥料切れ | 水を安定させ、夏肥を与える |
| 葉の縁が焼けたように枯れる | 肥料のやり過ぎ | 鉢に水をたっぷり通して肥料分を流す |
| 実の皮が厚く果汁が少ない | 窒素過多か若木 | 肥料を減らし、樹が育つのを待つ |
薬を使うときの注意
柑橘は家庭園芸向けの登録農薬が比較的そろっています。使うときは柑橘に使えると表示のある製品を選び、収穫前の日数を守ります。室内で散布すると壁や家具に付くので、散布は屋外か風呂場で行い、乾いてから戻します。
- 表示を確かめる
- 製品の適用作物に柑橘か果樹類の記載があるものを使います。収穫前日数の表示を見て、九月からの収穫に間に合う時期に使います。
- 散布は屋外で朝か夕方に
- 鉢を屋外に出し、風のない時間に葉の裏まで薬液をかけます。日中の高温時は薬害が出るので避け、乾いてから室内へ戻します。
- 同じ薬を続けない
- 同じ殺虫剤や殺菌剤を毎回使うと効かなくなります。成分の違う二種類以上を順番に使います。
ライムの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はライムの育て方にまとめています。
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