まず育てられる環境かを確かめる
マカダミアはオーストラリア原産の常緑樹で、霜に当たると若い葉と枝が傷み、氷点下二度前後で枯れ込みます。本州では露地の越冬は難しく、鉢植えにして冬は室内か軒下へ移す育て方が基本です。沖縄や小笠原など無霜地なら地植えもできます。
実がつくまで種から十年前後、接ぎ木苗でも四〜六年かかります。まずは葉の美しい観葉樹として育て、実は数年先の楽しみと考えて始めると続けやすいです。
| 地域 | 育て方 | 実の見込み |
|---|---|---|
| 寒冷地・関東以北 | 鉢植え、冬は室内 | 室内の日照次第で少数 |
| 関東以西の暖地 | 鉢植え、冬は軒下か室内 | 五年目以降に数個から |
| 無霜の南西諸島 | 地植え可 | 五〜七年目から本格的に |
実を狙うなら接ぎ木苗を選びます。種から育てた実生苗は結実が遅く、実の質も安定しません。
苗の選び方
園芸店や通販で手に入るのは、実生苗と接ぎ木苗の二種類です。実生苗は安く丈夫ですが結実まで長く、接ぎ木苗は品種が分かり早く実がつきます。葉の縁にトゲがある種類とないなめらかな種類があり、家庭では葉がなめらかで扱いやすい種類が向きます。
| 種類 | 見分け方 | 向く目的 |
|---|---|---|
| 実生苗 | 接ぎ木のこぶがなく安価 | 観葉として育てる・台木用 |
| 接ぎ木苗 | 幹の下部にこぶがある | 実を狙う |
| 葉がなめらかな種類 | 葉の縁にトゲがない | 室内でも扱いやすい |
| 葉にトゲのある種類 | 葉の縁がぎざぎざ | 耐寒性はやや強いが扱いにくい |
葉の色が濃く、新芽が赤みを帯びて伸びている苗が元気です。葉が黄色く下葉が落ちた苗は避けます。
植える時期と鉢
植え付けと植え替えは、気温が安定して上がる四月下旬から六月が適期です。根が動く時期に植えると活着が早く、夏までに新しい根が張ります。秋以降は根が動かず、冬の寒さで傷むので避けます。鉢は苗の鉢より一〜二回り大きい七号から八号から始めます。
- 水はけのよい用土を作る
- 赤玉土六、腐葉土三、軽石一を混ぜます。マカダミアはリンが多い肥料や土を嫌うので、市販の培養土を使うなら肥料入りは避け、無肥料のものに自分で少量足します。
- 根鉢は崩さない
- 根が細く傷みやすいので、ポットから抜いたら根鉢をそのまま新しい鉢の中央に置き、周りに用土を入れます。底で巻いた根だけ軽くほぐします。
- 接ぎ木部分を土に埋めない
- 接いだこぶが土の上に出る高さに合わせ、鉢の縁から三センチ下を土の面にします。植えたら鉢底から流れるまで水を与えます。
- 一週間は半日陰
- 植えた直後に強い日に当てると葉が焼けます。明るい日陰に一週間置いてから日なたに移します。
鉢底には軽石を三センチ敷き、鉢底穴が大きい鉢を選びます。根が水に浸かる状態が続くと根腐れします。
置き場所を決める
春から秋は屋外の日当たりのよい場所に置きます。日照が足りないと枝が間延びして花がつきません。ただし真夏の西日は葉を焼くので、午後は半日陰になる場所が理想です。冬は最低気温が五度を下回る前に室内の明るい窓辺へ移します。
| 時期 | 置き場所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 4〜6月 | 屋外の日なた | 植え替え直後は半日陰 |
| 7〜9月 | 午前中日なた、午後は半日陰 | 鉢の側面に日を当てない |
| 10〜11月 | 屋外の日なた | 最低気温五度で室内へ |
| 12〜3月 | 室内の南向き窓辺 | 暖房の風を直接当てない |
風の強い場所は避けます。葉が大きく枝が折れやすいうえ、鉢ごと倒れると根が傷みます。
植えた年の管理
植え付けの年は根を張らせることに専念します。肥料は植えて一か月たってから、リンの少ない緩効性肥料をごく少量与える程度にします。水は土の表面が乾いたらたっぷりで、夏は毎日、春秋は二〜三日に一回が目安です。新芽が赤みを帯びて次々に伸びれば根付いた証拠です。
- 支柱で幹を固定する
- 幹の脇に支柱を立てて八の字に結びます。根が細いので、風で幹が揺れると根が切れて活着が遅れます。
- 肥料は一か月後から少量
- 根付いてから、鉢の縁に緩効性肥料を小さじ一杯ほどまきます。多いと根が傷むので、少なめを二か月ごとにします。
- 夏の鉢の温度を下げる
- 鉢の側面に日が当たると根が熱で傷みます。鉢を二重にするか、鉢の周りにすだれを立てます。
一年目の秋に枝が二十〜三十センチ伸びていれば順調です。
根付かないときの原因を切り分ける
植えて一か月たっても新芽が動かない、葉が黄色くなる、葉先が茶色く枯れる、というときは、水と肥料と根の三つを順に確かめます。マカダミアで多い失敗は、肥料の与えすぎと水のやりすぎです。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉先が茶色く枯れる | 肥料のやりすぎ・リン過多 | 肥料を止め、水で流す |
| 葉が黄色く落ちる | 水のやりすぎ・根腐れ | 乾かし気味にし鉢底を確かめる |
| 新芽が出ない | 低温・植え付けが早い | 暖かい場所へ移す |
| 葉が縮れて小さい | 根が傷んだ | 半日陰で回復を待つ |
枝の先を少し切って中が緑なら生きています。茶色なら緑になるところまで切り戻し、水を控えて様子を見ます。
マカダミアの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
マカダミアの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマカダミアの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。