五月を過ぎてからまく
つるむらさきは熱帯アジア生まれの葉物で、地温が二十度を超えないと発芽しません。四月にまいても土の中で動かず、そのまま腐ります。関東の露地なら五月中旬以降、遅霜の心配がなくなってからが安全な時期です。
六月にまいても十分間に合います。生育が速く、まいてから四十日ほどで最初のつるが摘めるので、他の夏野菜の準備が一段落してからで構いません。七月まきでも秋まで収穫できます。
| 時期 | 地温の目安 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 4月 | 15度前後 | 早すぎる。種が腐る |
| 5月中旬〜6月 | 20度以上 | 適期。もっとも失敗が少ない |
| 7月 | 25度以上 | まだ間に合う。秋まで収穫できる |
暖地は五月上旬から、寒冷地は六月に入ってからまきます。地温が上がってからまいた方が結局は早く育ちます。
一晩水に浸けてからまく
つるむらさきの種は黒くて固く、そのまままくと発芽まで二週間近くかかり、しかもそろいません。まく前の晩に水に浸けておくと、皮がふやけて発芽が三日から五日まで縮まり、揃いも良くなります。
浸けるのは一晩、長くても一日までです。二日以上浸けると酸素が足りずに種が傷みます。浮いたままの種は中身が入っていないことが多いので、沈んだ種だけを使うと欠株が減ります。
- 前の晩に浸ける
- コップにぬるま湯を入れ、種を一晩浸けます。翌朝、皮がふやけて少しふくらんでいれば準備完了です。
- 沈んだ種を選ぶ
- 朝になっても浮いている種は取り除きます。沈んだ種だけをまくと、発芽の揃いがはっきり良くなります。
- その日のうちにまく
- 浸けた種は乾かすと傷みます。取り出したらすぐ畑かポットにまき、たっぷり水を与えます。
深さ一センチ、株間三十センチ
種は大きめなので一粒ずつ置けます。深さ一センチの穴に二粒ずつ入れ、土をかぶせて手で押さえます。つるむらさきは覆土が薄いと乾いて発芽しないので、五ミリでは足りず一センチが目安です。
株間は三十センチ取ります。つるが二メートル以上伸びて葉が重なるので、詰めると内側が暗くなり、葉が小さくなります。二本出たら本葉三枚から四枚のころに元気な方を残します。
- 穴を等間隔にあける
- 指の第一関節まで押し込んで深さ一センチの穴を三十センチ間隔であけます。支柱を立てる位置も同時に決めます。
- 二粒ずつ入れる
- 一つの穴に二粒入れて土をかぶせ、手のひらで押さえます。二粒とも出なければ、その場所にまき直します。
- 一本に間引く
- 本葉が三枚から四枚になったら、茎が太くて節の詰まった方を残し、もう一方を地際で切ります。
苗から始めるときの選び方
五月下旬から六月に苗が出回ります。生育が速いので苗から始めても種まきとほとんど差がつきませんが、株数が二株か三株で足りる家庭ではポット苗の方が手間がかかりません。
選ぶときは節と節の間が詰まって、葉の色が濃い株にします。売り場で徒長(日照不足で茎がひょろ長く伸びること)した苗は、植えても最初のつるが細くなります。根がポットの底で回りすぎていない株を選びます。
| 見た目 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 節が詰まり葉が厚い | 買ってよい | 植え付け後の伸びが良い |
| 茎が細長く葉が薄い | 避ける | 徒長苗で初期の勢いが出ない |
| ポット底から根が大量に出ている | 避ける | 根詰まりで植え傷みしやすい |
| 葉裏に細かい点 | 避ける | ハダニを持ち込む恐れがある |
赤茎と緑茎で選ぶ
つるむらさきには茎が赤紫の系統と、緑の系統があります。家庭菜園で食べるなら緑茎の方が扱いやすく、ぬめりも穏やかで、ゆでても色が出ません。赤茎は生育が旺盛で、緑のカーテンとしての見ごたえがあります。
赤茎はゆでると煮汁が紫に染まり、他の具材にも色が移ります。香りもやや強いので、初めて作るなら緑茎から入り、慣れてから赤茎を足すと失敗した気分になりません。
| 系統 | 特徴 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 緑茎 | 香りが穏やか。ゆでても色が出ない | おひたし、味噌汁、炒め物 |
| 赤茎 | 生育が旺盛で見ばえがする | 緑のカーテン、炒め物 |
発芽しないときの原因と手当て
十日たっても芽が出ないときは、低温、乾燥、深まきの三つのどれかです。掘って種を確かめると、白い芽が動いていれば待つだけ、黒く柔らかくなっていれば腐っているのでまき直します。
五月中旬以降にまいて乾かさなかったのに出ない場合は、覆土が厚すぎたか、水やりで種が流れたことが考えられます。まき直すときは覆土を一センチにそろえ、はす口のじょうろで静かに水を与えます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 十日たっても出ない | 地温不足 | 六月まで待ってまき直す |
| 表面が固く乾いている | 水切れ | 新聞紙で覆い、乾かさずに管理する |
| 掘ると種が黒く柔らかい | 過湿で腐った | 水はけの良い場所にまき直す |
| ばらばらに出る | 浸水していない | 次からは一晩浸けてからまく |
つるむらさきは生育が速いので、六月末までにまき直せば十分収穫できます。出ないと分かった時点で早めにまき直すのが得策です。
種まきの手順
つるむらさきは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
つるむらさきの種まきでよくある質問
つるむらさきの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
つるむらさきの種はどうやってまく?
本文の手順を確認が目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
つるむらさきの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
つるむらさきの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
つるむらさきは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
つるむらさきの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
つるむらさきの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
つるむらさきの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はつるむらさきの育て方にまとめています。
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