症状から原因を絞る
つるむらさきは病害虫の被害がとても少ない作物で、無農薬でも問題なく育ちます。それでも葉に異変が出ることはあり、その多くは虫ではなく育て方から来ています。まず症状で切り分けます。
食い跡があれば虫、葉裏に細かい点があればハダニ、葉が黄色く落ちるだけなら蒸れか肥料切れです。葉を裏返して見るだけで、ほとんどの場合は原因が分かります。
| 症状 | 考えられる原因 | その場ですること |
|---|---|---|
| 葉に大きな穴 | ハスモンヨトウの幼虫 | 葉裏を探して捕殺する |
| 葉裏に細かい点と白いかすれ | ハダニ | 葉裏に強く水をかける |
| 内側の葉が黄色く落ちる | 蒸れと日照不足 | 混んだ葉とつるを整理する |
| 葉が小さく固い | 水切れか肥料切れ | 水を与え、色が薄ければ追肥する |
ハスモンヨトウは夜に出る
つるむらさきで見かける唯一の目立った虫がハスモンヨトウの幼虫です。夏の終わりから秋にかけて、葉裏に卵の塊を産みつけ、かえった幼虫が集団で葉を食べます。若い幼虫のうちに見つけると被害が小さく済みます。
大きくなった幼虫は昼間は株元の土や落ち葉の下に隠れ、夜に出てきて食べます。昼に姿が見えないのに食い跡が増える場合は、夕方に懐中電灯を持って探すと見つかります。
- 葉裏の卵を探す
- 毛でおおわれた薄茶色の塊が卵です。見つけたらその葉ごと切り取り、袋に入れて処分します。
- 若い幼虫を葉ごと取る
- かえったばかりの幼虫は一枚の葉に集まっています。その葉を切り取るだけで一気に減らせます。
- 夜に見回る
- 食い跡が増えるのに姿が見えないときは、日が暮れてから株元を探します。大きい幼虫は土の際にいます。
数が多くて手に負えないときだけ、野菜用の殺虫剤を葉裏に届くようにかけます。収穫までの日数の決まりを必ず確かめます。
ハダニは乾燥で増える
梅雨明けから雨の少ない時期が続くと、葉裏にハダニがつきます。葉の表に白いかすれた点が広がり、進むと葉全体がかすれて落ちます。乾燥した場所ほど増えるので、水やりがそのまま予防になります。
見つけたら葉裏に強めのシャワーで水をかけます。数日おきに三回ほど繰り返すと減ります。ベランダの手すり際など風が抜けて乾く場所では、株の周りにも打ち水をすると寄りつきにくくなります。
| 見た目 | 進み具合 | 対処 |
|---|---|---|
| 葉表に白い点が数か所 | 初期 | 葉裏に水をかけて流す |
| 葉全体が白くかすれる | 中期 | 被害葉を落として水をかけ続ける |
| 細かい糸が張る | 重症 | そのつるを切り、株の周りに打ち水 |
蒸れと日照不足の障害
つるむらさきの葉が黄色くなって落ちる症状は、ほとんどが病気ではなく蒸れです。つるが茂りすぎて内側に日が入らなくなると、下の葉から順に黄色くなります。放っておくと株の内側が空洞のようになります。
対処は葉とつるを減らして風を通すことだけです。全体の三割ほど落としても株はすぐ回復します。梅雨や秋の長雨のあとに特に出やすいので、雨が続いた後は内側を見る習慣をつけます。
- 内側の古い葉を落とす
- 黄色くなった葉と、その周りの重なった葉を手で取ります。触ると簡単に外れる葉から先に落とします。
- 細いつるを間引く
- 同じ場所から何本も出ている細いつるを、根元から切って数を減らします。太いつるを残します。
- 落とした葉を持ち出す
- 切った葉やつるを株元に置くと、ナメクジやヨトウムシの隠れ家になります。まとめて畑の外へ出します。
連作と土の障害は出にくい
つるむらさきは同じ場所で続けて作っても障害が出にくい、扱いやすい作物です。それでも二年続けたら一年空けると安心です。ほうれん草と同じ仲間ではないので、ほうれん草の後作にも使えます。
気をつけるのは水はけだけです。粘土質で雨のあとに水がたまる場所では、根が傷んで下葉が黄色くなります。畝を十センチ高くし、植え付け前にたい肥を入れて土を柔らかくしておきます。
| 場面 | 起きやすいこと | 対策 |
|---|---|---|
| 水がたまる畑 | 根が傷んで下葉が黄色い | 畝を10センチ高くする |
| 同じ場所で3年目 | 生育がやや落ちる | 1年空けるか場所を替える |
| 日陰の壁ぎわ | つるが細く葉が薄い | 半日以上日が当たる場所へ移す |
急に枯れたときの見分け方
元気だった株が数日で枯れる場合、夏なら根の傷み、秋なら霜がほとんどです。株元を掘って根が黒く腐っていれば過湿、根は白いのに地上部だけ溶けたようになっていれば低温の害です。
過湿なら周りに溝を切って水を逃がし、水やりを控えます。霜は防ぎようがないので、その年は終わりと判断して片付けます。翌年に備えて、少しでも風の当たらない場所を選び直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 夏に急にしおれ、根が黒い | 過湿による根腐れ | 溝を切って排水し水やりを控える |
| 秋に一晩で葉が溶ける | 霜 | 収穫を済ませて株を片付ける |
| 株元の茎が茶色くくびれる | 地際の傷み | その株は抜き、周りの水はけを直す |
つるむらさきは霜に一度当たれば必ず枯れます。予報で最低気温が三度を下回る日が見えたら、その前に採れる分を摘み切ります。
つるむらさきの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はつるむらさきの育て方にまとめています。
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