一年の全体像
マンゴーの一年は、冬の室内で花を咲かせ、春に屋外へ出して実を育て、夏に収穫して剪定し、秋に枝を固めるという流れです。作業の山は二月から三月の受粉と七月から八月の剪定の二つです。
| 月 | 主な作業 | 置き場所 |
|---|---|---|
| 1月 | 休眠管理・水控えめ | 室内の明るい窓辺、10〜15度 |
| 2月 | 開花始まり・人工受粉 | 室内、日中は暖かい場所 |
| 3月 | 受粉継続・うどんこ病予防 | 室内、晴れた日は窓を開ける |
| 4月 | 屋外へ出す・生理落果 | 最低気温15度を超えたら屋外 |
| 5月 | 摘果・袋かけ・追肥 | 日当たりのよい屋外 |
| 6月 | 実の肥大・水管理 | 雨よけできる屋外 |
| 7月 | 収穫・収穫後の剪定 | 屋外 |
| 8月 | 剪定の仕上げ・追肥 | 屋外、猛暑日は半日陰 |
| 9月 | 新枝の充実・肥料を止める | 屋外 |
| 10月 | 水を減らして枝を固める | 屋外 |
| 11月 | 室内へ取り込む | 最低気温10度を切ったら室内 |
| 12月 | 低温管理で花芽を作る | 室内、10〜15度 |
鉢を出し入れする日は暦ではなく気温で決めます。最低気温15度を三日続けて超えたら屋外へ、10度を切りそうなら室内へと、天気予報を見て判断してください。迷ったら一日早く取り込むほうが安全です。
冬 十二月から二月
冬は花芽を作る大切な季節です。十二月から一月は十度から十五度の涼しい部屋に置き、水は土の表面が乾いて二日から三日たってから与えます。暖房の効いた二十度以上の部屋に置くと休眠せず、葉ばかりの枝が出て花が咲きません。二月に枝先が赤く膨らんで花穂が伸びてきたら、日中に暖かい場所へ移して受粉に備えます。
- 置き場所を選ぶ
- 日が入る窓辺で、夜間に十度を下回らない場所に置きます。暖房の風が直接当たる場所は葉が乾いて落ちます。
- 水を控える
- 土の表面が乾いてから二日から三日待って与えます。冬に湿らせすぎると根腐れを起こし、春に葉が落ちます。
- 花穂が伸びたら加温する
- 二月に花穂が見えたら、日中は二十度前後の場所へ移します。夜は十五度程度でよく、極端な温度差は避けます。
冬の間は肥料を与えません。花穂が伸びてから少量の緩効性肥料を置きます。
春 三月から五月
三月は受粉の続きと病気の予防をします。花穂にうどんこ病が出ると結実しないので、白い粉が見えたら早めに野菜や果樹用の殺菌剤を使います。四月に最低気温が十五度を超えたら屋外へ出します。いきなり直射日光に当てると葉が焼けるので、一週間は半日陰で慣らします。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 人工受粉・殺菌 | 毎日午前中に筆で受粉 |
| 4月上旬 | 屋外へ慣らす | 半日陰で1週間、その後日なたへ |
| 4月下旬 | 生理落果を見守る | 落ちても気にしない |
| 5月中旬 | 摘果・袋かけ・追肥 | 1花穂1個、緩効性肥料を少量 |
夏 六月から八月
六月は梅雨で実が病気にかかりやすい時期です。雨に当てない場所に置き、水は土が乾いたらたっぷり与えます。七月に実が色づいて香りが出たら収穫し、収穫が終わったらすぐ剪定します。八月上旬までに剪定を終え、切り口から新芽を出させて秋までに固めます。
- 梅雨は雨よけをする
- 軒下か透明な屋根の下に置き、実が濡れ続けないようにします。鉢の受け皿の水は毎回捨てます。
- 収穫後に剪定と追肥をする
- 実を採ったら実がなった枝を二節から三節切り戻します。追肥(育ちの途中で足す肥料)は剪定直後に緩効性肥料を一握り置きます。
- 猛暑日は鉢の温度を下げる
- 鉢が黒いと根が四十度を超えて傷みます。鉢を二重にするか、鉢の周りに日よけを立てて午後の直射を避けます。
収穫後の剪定が八月にずれ込むと秋までに枝が固まりません。収穫が遅れた年は、実を採るのを待たずに実のない枝から先に剪定を始めます。
秋 九月から十一月
秋は枝を固めて花芽を作らせる季節です。九月以降は肥料を止め、水も少しずつ減らします。十月には枝先が固くなって葉が濃い緑になっているのが理想です。十一月に最低気温が十度を切る前に室内へ取り込みます。取り込む前に葉の裏を洗って、カイガラムシやハダニを室内に持ち込まないようにします。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 9月 | 肥料を止める | 窒素が効いていると花芽がつかない |
| 10月 | 水を減らす | 土の表面が乾いてから1〜2日後に与える |
| 11月 | 室内へ取り込む | 最低気温10度が目安。葉を洗ってから入れる |
作業をやり損ねたときの立て直し方
月ごとの作業を逃しても、次の季節で取り返せるものが多いです。取り返せないのは剪定時期の遅れと冬の低温管理の二つなので、この二つだけは優先します。
| やり損ねた作業 | 起こること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 8月までの剪定 | 秋の枝が固まらず花芽が少ない | その年は切らず、翌年の収穫後に切る |
| 冬の低温管理 | 葉ばかりの枝が出て花が咲かない | 翌年の12月から涼しい部屋に置き直す |
| 春の受粉 | 実がほとんどつかない | 翌年へ。今年は樹を育てる年にする |
| 秋の取り込み | 霜で葉が落ちる | 枯れた枝を切り、室内で回復を待つ。幹が生きていれば春に芽が出る |
マンゴーの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
マンゴーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマンゴーの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。