花の仕組みと受粉に必要な条件
マンゴーは一つの花穂に数百から数千の小花をつけ、そのうち実になる両性花は一割から三割です。受粉はハエやアブが主に担い、ミツバチはあまり寄りません。開花は二月から四月で、この時期に室内にある鉢では虫が来ないため、人の手で受粉させないと実がつきません。
受粉には温度も関わります。開花中の気温が十五度以下だと花粉が働かず、二十度から二十五度でよく結実します。開花中は日中に日の当たる暖かい場所に置きます。
| 場面 | 受粉の方法 | 結実の目安 |
|---|---|---|
| 屋外で虫が来る環境 | 自然受粉に任せる | 花穂ごとに数個が残る |
| 室内・虫の来ないベランダ | 毎日筆で人工受粉 | 花穂ごとに1〜3個 |
| 開花中に雨が続く | 雨よけをして人工受粉を足す | 雨で花粉が流れ結実が落ちる |
| 気温が15度以下 | 暖かい場所に移してから受粉 | 低温では花粉が働かない |
人工受粉のやり方
受粉は花が開いた日の午前中に行います。マンゴーの花粉は乾いた条件で飛びやすく、湿度が高いと花粉が塊になって受粉率が落ちます。室内なら暖房で乾いた午前中が向いています。
- 柔らかい筆を用意する
- 化粧用の柔らかい筆か綿棒を使います。硬い筆は小さな花を傷めます。花穂をこすると花粉が飛ぶので、乾いた日ならなでるだけで十分です。
- 花穂全体を軽くなでる
- 開いた花の上を筆でなでて花粉を運びます。一本の花穂から別の花穂へ動かすと結実が上がります。開花中は一日一回、二週間ほど続けます。
- 鉢を軽く揺する
- 筆で届かない高い花穂は、枝を手で軽く揺すって花粉を落とします。晴れた日の午前中に揺すると効果があります。
- 花が終わったら花穂を掃除する
- 結実した小さな実が見えたら、残った花がらを軽く払い落とします。花がらが残ると灰色かび病の元になります。
うどんこ病が花穂に出ると受粉できません。開花前に花穂が白くなっていないか確かめます。
実の残し方と摘果の目安
受粉がうまくいくと一つの花穂に十個以上の小さな実がつきますが、樹はそれを全部育てられません。自然に落ちる生理落果が四月から五月に起こり、残った実をさらに人の手で減らします。鉢植えなら一花穂に一個、樹全体で葉の枚数に応じた数に絞ります。
実を残しすぎた年は翌年に花がつかない隔年結果になりやすい果樹です。今年の収穫量より、毎年安定して採れることを優先して数を絞るのが長い目で見て得です。
| 樹の大きさ | 残す実の数 | 目安 |
|---|---|---|
| 8〜10号鉢の若木 | 1〜2個 | 葉40〜50枚に1個 |
| 12〜15号鉢の成木 | 3〜6個 | 葉40〜50枚に1個 |
| 地植えの成木 | 枝先ごとに1個 | 1花穂1個、樹全体で葉果比を守る |
葉果比(一個の実を育てるのに必要な葉の枚数)は四十から五十枚が目安です。多く残すと小玉になり、翌年の花がつきません。
摘果の手順
摘果は生理落果が落ち着いた五月中旬から六月上旬に行います。実がピンポン玉より大きくなったころが目安で、小さすぎる時期に選ぶとその後に落ちる実を残してしまいます。
残す実を決めるときは、実の肩の丸みと軸の太さを見て判断します。軸が太くしっかりした実は最後まで落ちにくく、大きく育ちます。軸が細くしなびかけた実は途中で落ちる可能性が高いので、迷ったら軸の太いほうを残します。
- 形の悪い実から落とす
- 曲がった実、傷のある実、極端に小さい実をはさみで切ります。一花穂に一個、形のよいものを残します。
- 枝の先端側の実を優先する
- 同じ花穂なら根元側より先端側の実が大きくなりやすいです。日の当たる側の実を残します。
- 実に袋をかける
- 残した実に果実袋をかけると、日焼けと虫の食害を防ぎ、色づきも均一になります。袋は下を開けて水がたまらないようにします。
実が落ちるときの原因
受粉したはずの実が次々落ちるときは、原因を見分けてから手当てします。生理落果は自然なものですが、落ちる時期と実の状態で判断できます。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 受粉後2週間で全部落ちる | 受粉が不完全か気温不足 | 20度以上の場所に置き、人工受粉を毎日行う |
| ピンポン玉大で半分落ちる | 生理落果(自然な間引き) | そのままでよい。残った実を摘果する |
| 実が黒くなって落ちる | 炭疽病 | 落ちた実を片づけ、雨に当てない |
| 肥大途中で急に落ちる | 水切れか急な乾燥 | 土を乾かしすぎない。鉢を風の当たらない場所へ |
受粉から収穫までの流れ
受粉から収穫までは百日から百二十日です。二月に咲いた花なら六月から七月に熟します。関東の室内から屋外へ出す時期と重なるので、四月に鉢を屋外へ移すときは実が付いた枝を風から守ります。
| 時期 | 実の状態 | 作業 |
|---|---|---|
| 2〜4月 | 開花 | 人工受粉・うどんこ病の予防 |
| 4〜5月 | 小さな実と生理落果 | 屋外へ移す。落果は気にしない |
| 5月中旬〜6月上旬 | ピンポン玉大 | 摘果と袋かけ |
| 6〜8月 | 肥大と色づき | 水切れを避ける。収穫は自然落下で判断 |
マンゴーの受粉に使うもの
1 本では実らない木があります。自分の木がそれに当たるなら、道具の前に相手の品種が要ります。
- 授粉用の毛ばたき探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
- 規格の目安
- 柔らかい毛のはたき。梵天と呼ばれる授粉専用のものもあります。
花から花へ軽く触れて回ります。強くこすると花が傷むので、撫でる程度で十分です。
- 授粉用の花粉探す言葉「授粉用 花粉 果樹」
- 規格の目安
- 品種の合う花粉。石松子(増量材)と混ぜて使うものが多いです。
受粉樹を植える場所がないときの代わりです。品種の組み合わせが合わないと実らないので、そこを先に確かめます。
- 綿棒・小筆探す言葉「綿棒 授粉 園芸」
- 規格の目安
- 普通の綿棒か、細い筆。
花の数が少ないときは、1 輪ずつ確実に付けられます。品種を変えるときは新しいものに替えます。
- 1 本で実る品種なら、受粉の道具は要りません。まず自分の品種を確かめます。
- 受粉樹を近くに植えられるなら、人工授粉そのものが要らなくなります。
マンゴーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマンゴーの育て方にまとめています。
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