剪定の時期は収穫直後に一度だけ
マンゴーは収穫後に伸びた枝が秋に充実し、その枝先に翌年の花芽がつきます。切る時期を間違えると花芽ができる枝を落としてしまいます。収穫直後の七月から八月上旬に一度だけ剪定し、九月以降は枝を切らないのが基本です。
冬に剪定する落葉果樹の感覚で二月に切ると、花芽がついた枝先を落とすことになり、その年の実はほとんど採れません。枝先が赤く膨らんでいたら花穂の元なので、枯れ枝以外には手を付けないでください。
| 時期 | 切ってよいか | 理由 |
|---|---|---|
| 7月〜8月上旬 | 主な剪定時期 | 収穫後に伸びる枝が秋に充実して花芽になる |
| 9〜12月 | 切らない | 枝先に花芽が形成されている途中 |
| 1〜3月 | 枯れ枝だけ | 花芽が見えているので切ると実が減る |
| 4〜6月 | 実のない枝の整理程度 | 開花・結実中で樹が消耗している |
実がならなかった若い樹は、六月から八月の間なら好きな時期に切って樹形を作れます。
目標の樹形は低くて横に広い形
鉢植えでは高さを一メートルから一メートル二十センチに抑え、横に枝を広げる開心自然形(中心を開いて日が入る形)を目指します。マンゴーは枝先の芽が一斉に伸びて放射状に枝分かれする性質があるので、切った箇所から三本から五本の新芽が出ます。これを利用して枝数を増やし、低い樹に多くの枝先を作ります。
- 一年目は主幹を切り詰める
- 植え付けた年の夏、主幹を高さ四十から五十センチで切ります。切り口から出た新芽のうち、向きのよい三本から四本を主枝として残し、ほかはかき取ります。
- 二年目は主枝を切り詰める
- 主枝が三十センチほど伸びたら、先端を十センチほど切り戻します。ここでも三本程度の枝を出させ、枝先の数を九本から十二本に増やします。
- 三年目から花を持たせる
- 枝先が十本以上になり、枝が鉛筆より太くなったら剪定を控えて花芽をつけさせます。実をならせた枝は収穫後に切り戻して更新します。
収穫後の切り戻しのやり方
実をつけた枝は、実の付け根から二節から三節下で切り戻します。切った箇所から出る新枝が秋までに三十センチほど伸びて固まれば、翌年の花芽が乗ります。九月までに伸びきらなかった柔らかい枝には花芽がつきにくいので、切り戻しは八月上旬までに済ませます。
- 実がなった枝を切る
- 実の付け根から下へ二節から三節のところで切ります。葉を数枚残すと、その脇から新芽が出やすくなります。
- 混み合う枝を抜く
- 内側に向かう枝、交差する枝、真上に強く伸びる枝を付け根から切ります。樹の中心に日が入る状態を作ります。
- 新芽を三本程度に整理する
- 切り口から五本以上の芽が出たら、外向きの三本ほどを残してかき取ります。芽が多すぎると一本一本が細くなり、花芽がつきません。
切り口には癒合剤を塗ります。マンゴーは切り口から炭疽病が入りやすい果樹です。
春に出る枝の扱い
二月から三月に枝先が伸びるとき、花穂ではなく葉だけの枝(栄養枝)が出ることがあります。冬の温度が高すぎたり、秋に肥料が効きすぎたりしたときに起こります。栄養枝は花をつけないので、樹が若いうちは伸ばして枝数を増やし、成木なら付け根から切って樹の力を花につけた枝に集めます。
| 枝の姿 | 正体 | 扱い |
|---|---|---|
| 先端に赤い房状の穂 | 花穂 | そのまま咲かせる |
| 先端に赤茶色の葉が束で出る | 栄養枝 | 成木なら付け根で切る |
| 花穂の中に葉が混じる | 混合花穂 | そのまま残す。実はつく |
枝が伸びすぎたときの直し方
何年も剪定せずに上へ伸びた樹は、実がつく枝先が高い位置に集まり、鉢植えでは管理できません。強く切り戻して低い樹に戻します。
- 収穫後に主枝を半分まで切る
- 七月に主枝を目標の高さの半分まで切り詰めます。太い枝を切るので、切り口が乾く前に癒合剤を塗ります。その年の翌年は実を諦める前提です。
- 出た芽を選んで樹形を作り直す
- 切り口から出た芽を三本から四本に整理し、翌年の夏にもう一度先端を切って枝数を増やします。二年で低い樹形に戻ります。
- 根も一緒に整理する
- 強く切った年の翌春に鉢から抜き、根鉢の外側を三分の一ほど削って同じ鉢に植え直します。上と下の釣り合いが取れて新芽の勢いが安定します。
一度に全部の枝を切ると、翌年に強い枝ばかり出て花がつきません。半分ずつ二年かけて戻すほうが安全です。
花が咲かないときの原因を切り分ける
マンゴーの花芽は、秋に枝が固まり、冬に十五度前後の低温に当たることで分化します。花が咲かないときは、枝の充実と温度のどちらかが足りていません。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 枝先が柔らかく葉が薄い | 秋の枝が充実していない | 剪定を8月上旬までに終え、秋の窒素肥料を控える |
| 冬も新芽が伸び続けた | 冬の室温が高すぎる | 12〜1月は10〜15度の部屋に置いて休ませる |
| 枝は固いが芽が動かない | 樹が若い | 枝が鉛筆の太さになるまで待つ |
| 葉ばかりの枝が出た | 窒素過多 | 肥料を減らし、翌年の剪定で枝先を整理する |
マンゴーの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
マンゴーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマンゴーの育て方にまとめています。
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