GadeninEnglishアプリを入れる
ミニトマトの病害虫・障害

ミニトマトの病害虫と生理障害|尻腐れと裂果の原因と予防の設計

ミニトマトの栽培イメージ

読むのに約 5

時期ごとに警戒する相手を決めておくと、対処ではなく予防で守れます。

警戒すべき相手は月ごとに入れ替わる

病害虫は年間を通じて等しく来るわけではありません。五月から六月はアブラムシとコナジラミが飛来し、ウイルスを持ち込む時期です。梅雨は疫病と灰色かび病、七月から八月は実に穴を開ける蛾の幼虫とハダニ、八月以降はうどんこ病が中心になります。

この順番を知っていれば、いま何を見るべきかが決まります。実を一つずつ点検するより、時期に応じて葉裏、新芽、株元と見る場所を切り替えるほうが、はるかに早く異変に気づけます。

ミニトマトの葉裏を虫眼鏡で確認する様子
葉裏まで定期的に見ると、害虫の増加に早く気づけます。
時期警戒する相手見る場所
5〜6月アブラムシ、コナジラミ新芽と葉裏
梅雨疫病、灰色かび病下葉と株元、花がら
7〜8月蛾の幼虫、ハダニ実の付け根、葉裏
8〜9月うどんこ病、青枯病葉の表、日中のしおれ

尻腐れはカルシウム不足ではなく水の問題

実の先端が黒くくぼむ尻腐れは、果実にカルシウムが届かないことで起こります。ただし多くの場合、土のカルシウムが足りないのではなく、乾燥で水の流れが止まって運べていない状態です。石灰を追加してもたいてい止まらないのはこのためです。

対策は水の安定です。マルチ敷きわらで乾湿の差を抑え、極端な乾燥のあとの大量の水やりを避けます。窒素とカリを与えすぎるとカルシウムの吸収が妨げられるため、追肥(育てている途中で足す肥料)の量を見直すことも同じくらい効きます。

すでに黒くなった実は元に戻らないので、早めに取り除いて株の負担を減らしてください。第一花房と第二花房に集中して出やすく、水管理を整えれば三段目以降は落ち着くことが多い症状です。

出やすい段を知る
第一花房と第二花房に集中して出ます。三段目以降も続くようなら、水の管理がまだ直っていない証拠だと考えてください。
よく似た症状と分ける
実の底が黒く硬くくぼむのが尻腐れで、灰色のかびが付くのは灰色かび病です。かびが見えるなら、水ではなく湿度の問題です。
プランターでの出方
鉢は乾湿の差が大きく、地植えより出やすくなります。受け皿に溜めず、朝夕に鉢底から流れるまで与えるほうが安定します。

応急処置としてカルシウム剤の葉面散布は使えますが、効くのは散布後に育つ実だけです。根本は水の管理にあります。

裂果は皮が追いつかないときに起きる

裂果には、ヘタの周りが輪状に裂けるものと、縦に走るものがあります。どちらも、乾いた株が急に水を吸って中身が膨らみ、皮が伸びきれずに裂ける現象です。完熟に近い実ほど皮が硬くなっているため、収穫直前の実から裂けていきます。

予防は三つです。雨が続く時期は色づいた実を早めに穫ること、株元を覆って土の水分を安定させること、そして果実の上の葉を残して直射日光を避けることです。強い日射は果皮を老化させ、伸びにくくします。

裂けるかどうかは皮の張りで見当が付きます。色の回った実を指の腹でそっと触ってみて、ぱんと張って弾力が消えていたら限界が近い合図です。雨の前日にこの手ざわりの実だけ先に穫れば、被害はほとんど出ません。

雨の予報が出たら
色づいた実を前日に穫ってしまうのが最も確実です。少し早くても室内に置けば追熟し、裂けた実を捨てるより無駄がありません。
裂けた実の扱い
食べられますが日持ちしません。その日のうちに使い、傷んだものは株の下に落とさず持ち出して処分します。

治せない病気を入れない設計にする

黄化葉巻病と青枯病は、発生してから治す手立てがありません。黄化葉巻病はタバココナジラミが媒介し、新芽が縮れて黄色く巻きます。防虫ネットとシルバーマルチで寄せつけないこと、抵抗性のある品種を選ぶことが唯一の備えです。

青枯病は、日中に急にしおれて朝には戻る症状を数日繰り返し、そのまま枯れます。土壌中の細菌が原因なので、抜き取ったあとその場所でナス科を三年から四年作らないこと、接ぎ木苗を使うことで避けます。

病気出る症状できること
黄化葉巻病新芽が縮れて黄色く巻く防虫ネットと抵抗性のある品種
青枯病日中しおれ朝に戻るのを繰り返す接ぎ木苗と三年から四年の輪作
疫病葉と実に暗い水浸み状の斑が出る雨よけと下葉かきで葉を濡らさない
うどんこ病葉の表に白い粉が広がる風通しと発病葉の早めの除去

抜いた株は畑の隅に積まず、袋に入れて持ち出します。残しておくと翌年の畑に菌と害虫の卵を返すことになります。

予防は風と雨のコントロールに集約される

ミニトマトの病気の多くは、葉が濡れている時間の長さと結びついています。株間を確保し、わき芽(葉のつけ根から出る芽)と下葉を整理して風を通せば、雨上がりに葉が乾く時間が短くなり、疫病や灰色かび病の入り口が減ります。

株間を確保する
1本仕立てで40センチ、2本仕立てで50センチ以上あけます。詰めた株は雨上がりに葉が乾かず、病気の入り口になります。
泥はねを止める
梅雨入り前に敷きわらかマルチで地面を覆います。土から跳ね上がる水が、下葉に病原を運ぶ主な経路です。
株の上だけ雨よけ
簡易な屋根を掛けると葉が濡れず、土の水分も安定します。病気と裂果と尻腐れの三つに同時に効きます。
見る場所を決める
新芽、葉裏、下葉、株元の四か所を順に見ます。実を一つずつ点検するより、はるかに早く異変に気づけます。

生理障害は症状から原因をたどる

病気ではないのに実や葉がおかしくなる症状は、たいてい水、光、肥料、温度のどれかに原因があります。薬剤の出番はなく、環境を直せば次に育つ実から正常に戻ります。逆に原因を取り違えると、同じ症状が季節の終わりまで続くことになります。

症状主な原因直し方
実の先が黒くくぼむ乾湿差でカルシウムが届かないマルチと均一な水やり
実が裂ける急な吸水と果皮の老化早めの収穫と上の葉を残す
実の肩が白く硬い強い日射と高温葉を残し寒冷紗で光を落とす
花が咲かずに落ちる窒素過多か35度を超える高温追肥を止め涼しくなるのを待つ

八月に実が付かないのは肥料不足ではありません。高温で花粉が働かないためで、慌てて追肥すると樹ボケを重ねることになります。

ミニトマトの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミニトマトの育て方にまとめています。

iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。

次に読む

ミニトマトについて、続けて読むならこちら。

Gadenin 栽培記録アプリ・無料アプリを入れる