わき芽と花房を取り違えない
わき芽(葉のつけ根から出る芽)は、葉の付け根と主枝が作る谷の部分から出ます。小さいうちは先端に葉が二枚見え、主枝と同じ形をしているのが特徴です。これを放置すると主枝と同じ太さまで育ち、株の養分が分散します。
一方、花房は葉の付け根ではなく、葉と葉の間の茎から直接、葉と反対側へ出ます。先端が枝分かれしてつぼみが並ぶので、注意して見れば間違えません。花房を折ってしまうとその段の実は二度と付かないため、迷ったら二日待って正体を確かめてください。

| 見分ける点 | わき芽 | 花房 |
|---|---|---|
| 出る場所 | 葉の付け根と主枝が作る谷 | 葉と葉の間の茎 |
| 出る向き | 主枝と同じ側へ | 葉と反対側へ |
| 先端の形 | 葉が二枚見える | 枝分かれしてつぼみが並ぶ |
| 取ったときの影響 | 取るのが正解 | その段の実が付かない |
三段目より上では、花房のすぐ下から出るわき芽が特に勢いを持ちます。ここは見落とすと一気に大きくなるので重点的に確認します。
晴れた日の午前中に手で折る
わき芽は長さ5センチ以下のうちに、指でつまんで横に倒すように折ります。手で折ると切り口が細かく裂けて乾きやすく、ハサミの平らな切り口より傷が塞がるのが早いためです。午前中に行えば、その日のうちに傷口が乾きます。
雨の日や夕方の作業は避けてください。切り口が濡れたまま夜を迎えると、そこから灰色かび病や疫病の菌が入ります。大きくしてしまった10センチ以上のわき芽だけは無理に折らず、清潔なハサミで切り、切り口を数日は濡らさないようにします。
- 道具を使うときの注意
- ハサミは株ごとに刃を拭くか、複数用意します。ウイルス病は汁液で伝染するため、一本のハサミで全株を回るのが最も危険な作業です。
- 取り忘れたわき芽
- すでに花房が付いているなら、その先の葉を一枚残して摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)し、実だけ穫る手もあります。根元から切るより株の負担が小さく済みます。
- わき芽で株を増やす
- 10センチほどのわき芽を水に挿すと一週間ほどで発根します。七月上旬までに挿せば、秋まで穫れる二番手の株になります。
1本仕立てと2本仕立ての選び分け
1本仕立ては主枝だけを伸ばし、わき芽をすべて取る方法です。養分が一本に集まるので一房あたりの実が大きくそろい、風通しも確保しやすくなります。株間を詰められるため、プランターや狭い菜園ではこちらが基本になります。
2本仕立ては、第一花房のすぐ下のわき芽を一本だけ残して二本の主枝にします。根は一株ぶんのままなので、一本あたりの勢いは落ちますが、花房の総数が増えるため株全体の収量は上回ります。株間50センチ以上と、二本ぶんの支柱を確保できる地植え向きです。
| 項目 | 1本仕立て | 2本仕立て |
|---|---|---|
| 株間の目安 | 40センチ | 50〜60センチ |
| 向く場所 | プランター・狭い畝 | 地植えで余裕がある畝 |
| 実の大きさ | そろって大きい | やや小ぶりになる |
| 管理の手間 | 少ない | 誘引と芽かきが倍 |
迷ったら1本仕立てにしてください。2本仕立ては水と肥料の要求量も増えるため、水やりが不安定だと尻腐れが出やすくなります。
支柱と誘引は茎を締めつけない
支柱と誘引の目的は、実の重みと横風から茎を守ることです。ミニトマトは背丈が二メートル近くまで伸び、最盛期には一株で数キログラムの実を持つため、支え方を間違えると収穫の途中で株ごと倒れます。
- 支柱を差す位置
- 株元から10センチ離し、深さ30センチ以上差します。真横に差すと根を切り、浅いと実の重みで夏に倒れます。
- 八の字に結ぶ
- 支柱側で交差させ、茎側は指が一本入るゆとりを残します。茎は太るので、きつく結ぶと二週間ほどで食い込みます。
- 結び足す間隔
- 20から30センチ伸びるごとに結び足します。間隔があくと、花房の重みで茎が支柱から離れ、付け根から折れます。
- 風の強い場所では
- 合掌式に組んで横棒を渡し、株どうしをつなぎます。一本立ちの支柱は、台風の横風で根ごと倒れることがあります。
摘心するか、伸ばし続けるか
支柱の高さまで主枝が届いたら、最上段の花房の上に葉を二枚残して先端を摘みます。葉を残すのは、その花房へ養分を送る働きが上の葉にあるためで、すぐ上で切ると最終段の実が太りません。家庭菜園では五段から八段が現実的な着果数です。
摘心せずに斜めに倒して伸ばし続ける方法もありますが、株が疲れて実が小さくなっていきます。八月以降も穫りたい場合は、伸ばし続けるより、いったん摘心して下から出たわき芽に更新させるほうが実の品質を保てます。
| やり方 | 向く場合 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 最上段の上に葉を二枚残して摘心 | 支柱の高さまで届いた株 | 摘心後は追肥を減らす |
| 摘心せず斜めに倒して伸ばす | 場所と支柱に余裕がある | 実が小さくなっていく |
| 摘心してわき芽で更新する | 八月以降も穫りたい | 八月中旬までに始める |
摘心後は生長点がなくなるぶん養分が余ります。追肥(育てている途中で足す肥料)を減らし、わき芽を一本だけ残して勢いの逃げ道を作ると裂果が減ります。
仕立てを間違えたときの立て直し
わき芽を取り忘れて二本三本と伸びてしまっても、途中から無理に一本へ戻す必要はありません。すでに花房が付いた枝を根元から切ると、行き場のない養分で株が樹ボケに傾きます。伸びた枝は葉を一枚残して先を止め、付いた実だけ穫るほうが被害が小さく済みます。
逆に取りすぎて葉が足りなくなった株は、しばらく追肥を止めて回復を待ちます。葉が少ない状態で肥料を効かせると、実ではなく新しい芽に養分が向かい、着果がさらに遅れることになります。
- 枝が増えすぎた株
- 細い枝から順に、葉を一枚残して先端を止めます。一度に全部切らず、一週間おきに分けると株の負担が軽くなります。
- 主枝が折れた株
- 折れた位置のすぐ下から出るわき芽を一本残し、新しい主枝として誘引します。三週間ほどで元の勢いに戻ります。
- 葉を取りすぎた株
- 追肥を止め、収穫中の花房の周りの葉は残します。実に直射日光が当たると、日焼け果と裂果が同時に増えます。
| 株の見た目 | 起きていること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 枝が三本以上に増えた | 養分が分散して実が小さい | 葉を一枚残して先を止める |
| 葉が薄く枝だけ長い | 取りすぎと肥料の効きすぎ | 追肥を止めて葉を残す |
| 主枝の先が折れている | 誘引の締めつけか強風 | 直下のわき芽を主枝にする |
| 花房が上を向き実が付かない | 樹ボケで葉と茎に偏っている | 水と追肥を絞って待つ |
立て直しの判断は七月中までです。八月に入ったら形を整えるより、切り戻して新しい枝で秋を穫るほうが結果が出ます。
ミニトマトのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
ミニトマトの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミニトマトの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。