花後にやること、やらないことを分ける
花が終わると見た目が悪くなり、つい葉ごと片付けたくなります。しかし葉は来年の花を作る工場で、切ると翌年ほぼ咲きません。花後の作業は少ないので、やることとやらないことを最初に整理しておきます。
| 場面 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 花穂が茶色くなった | 花茎だけを根元で切る | 葉を一緒に切る |
| 葉が緑で伸びている | 液体肥料を二週間おきに与える | 葉を束ねたり結んだりする |
| 葉が黄色くなり始めた | 水と肥料を減らす | 無理に引き抜く |
| 葉が完全に枯れた | 掘り上げるか、植えっぱなしで夏を越す | 夏に水をやり続ける |
花がらは早めに、葉は最後まで
花穂が全体に茶色くなったら、花茎を根元近くで切ります。種を作らせると球根に回る栄養が減るためです。葉はそのまま残し、五月下旬から六月にかけて自然に黄色く枯れるまで待ちます。葉が緑のうちは光合成で球根に養分をため続けています。
葉が長く伸びて倒れ、周囲の草花にかぶさって見苦しいときは、葉を軽く束ねてわきに寄せる程度に留めます。きつく結ぶと葉の働きが落ちます。
葉が枯れる時期は年によって前後します。五月中に黄色くなる年もあれば、六月半ばまで緑を保つ年もあるので、日付ではなく葉の色で判断します。
- 花茎を根元で切る
- はさみで花茎を株元から二〜三センチのところで切ります。手で引き抜くと球根ごと抜けることがあります。
- 葉は触らない
- 黄色くなるまで放置します。葉先が少し傷んでも構いません。三分の二以上が黄色くなったら役目は終わりです。
- 枯れ葉は軽く引く
- 完全に枯れた葉は軽く引くと抜けます。抵抗があるうちはまだ球根とつながっているので、もう一週間待ちます。
球根を太らせる肥料と水
花後から葉が枯れるまでの間に、液体肥料を二週間おきに二〜三回与えます。リン酸とカリが多めの肥料が球根の充実に向きます。窒素の多い肥料は葉ばかり伸びて球根が腐りやすくなるので避けます。水は表面が乾いたらたっぷりで、葉が黄色くなり始めたら回数を減らします。
- 液肥は花がらを切った日から
- 花がらを切った当日から二週間おきに、表示通りの濃さの液体肥料を株元に与えます。三回で終わりです。
- 葉が黄色くなったら止める
- 葉の三分の一が黄色くなったら肥料は止め、水も減らします。休眠に向かう球根に水分は不要です。
鉢植えは花後に日当たりのよい場所へ置き続けます。花が終わったからと日陰に移すと、葉の働きが落ちて球根が太りません。
掘り上げるか植えっぱなしかを決める
ムスカリは植えっぱなしでも三〜四年は咲きますが、鉢植えや夏に湿りやすい花壇では掘り上げた方が確実です。葉が枯れた六月に判断します。
迷ったら掘り上げる方が安全です。掘り上げは六月の作業が一つ増えるだけで、球根の状態を目で確かめられ、大きさで選別して来年の花数を予測できます。植えっぱなしは楽ですが、夏の間に何が起きているか分からないまま秋を迎えます。
| 状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 花壇で水はけがよく、まだ花が多い | 植えっぱなし | 掘ると小さな子球を傷める |
| 花壇で四年以上たち花が減った | 掘り上げて分ける | 分球で密集し一つずつが小さい |
| 鉢植え | 掘り上げる | 夏の鉢は高温多湿で球根が傷みやすい |
| 夏に別の草花を植えたい場所 | 掘り上げる | 耕すときに球根を傷つける |
掘り上げと保存の手順
葉が完全に枯れた六月上旬から中旬、晴れが続いた日に掘り上げます。球根の周りには小さな子球がたくさん付いているので、土ごと持ち上げてから丁寧にほぐします。掘り上げた球根は乾かして、秋まで風通しのよい日陰で保管します。
- 土ごと持ち上げる
- スコップを株から十センチ離して入れ、土ごとすくい上げます。球根は浅いので近くを掘ると刃が当たります。
- 子球を分けて大きさで選別
- 親指の先ほどの球根は来年咲く球、小豆ほどの子球は葉だけの球です。大きさで分けて袋を変えます。
- 二〜三日乾かす
- 土を落とし、日陰で二〜三日広げて乾かします。直射日光は避け、風が通る場所に置きます。
- ネット袋で秋まで保管
- ネット袋や紙袋に入れて風通しのよい涼しい日陰に吊るします。ビニール袋は蒸れてカビが出るので使いません。
花後の失敗と来年への戻し方
花後に葉を切ってしまった、夏に球根が腐った、掘り上げた球根が保管中にしぼんだ。こうした失敗はよくありますが、球根が生きていれば一〜二年で戻せます。
| 失敗 | 起きること | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花後すぐ葉を切った | 翌年は葉だけで咲かない | 翌年は葉を残し追肥を守る。二年目に戻る |
| 夏の鉢に水をやり続けた | 球根が柔らかく腐る | 固い球根だけ残して秋に植え直す |
| 保管中にしぼんだ | 乾燥で中身が減った | 固ければ植える。紙のように軽いものは廃棄 |
| 掘り忘れて夏に耕した | 球根が切れて散らばる | 無事な球根を集めて秋に植え直す |
ムスカリの花が終わったあとに使うもの
来年も咲かせるかどうかは、この時期の手当てで決まります。切ることと、球根をしまうことです。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。硬くなった茎を切るので、花がら摘み用より丈夫なもの。
花後の切り戻しは、次の芽を出させる作業です。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- お礼肥用の緩効性肥料探す言葉「緩効性肥料 お礼肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10g 前後、花壇 1 ㎡ あたり 30〜50g。
咲かせるのに使った養分を戻す肥料です。ここを飛ばすと、翌年の花数が目に見えて減ります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。品種を書いたラベルを付けられるもの。
掘り上げた球根は、風の通るところに吊るして乾かします。密閉すると中から腐ります。
- 掘り上げずに植えっぱなしでよい球根も多く、その場合は保存の資材は要りません。
- 花後すぐに葉まで切らないでください。葉が来年ぶんの養分を作ります。
ムスカリの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はムスカリの育て方にまとめています。
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