一年の作業を月で追う
ムスカリは手間の少ない球根ですが、植え時と花後の扱いだけは時期を外すと翌年に響きます。関東平野部の露地と鉢植えを前提にした月別の作業です。寒冷地は植え付けを一か月早め、暖地は遅めにします。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 鉢は乾いたら午前中に水 | 花壇は雨まかせ |
| 2月 | 芽が地上に見え始める | 肥料はまだ与えない |
| 3月 | 葉が伸び、つぼみが上がる | 鉢は表面が乾いたらたっぷり |
| 4月 | 開花。花がらを切る | 花後に液体肥料を始める |
| 5月 | 葉を残して球根を太らせる | 液肥は二週間おきに二〜三回 |
| 6月 | 葉が枯れたら掘り上げか水切り | 晴れの日に掘る |
| 7月 | 休眠。乾かして保管 | 花壇は水をやらない |
| 8月 | 休眠中の点検 | 柔らかい球根を除く |
| 9月 | 球根の購入、保管 | まだ植えない |
| 10月 | 花壇の土づくり、鉢の土の準備 | 寒冷地はこの月に植える |
| 11月 | 植え付けの適期 | 中旬から下旬に植える |
| 12月 | 植え付けの最終期限、目印 | 上旬までに植え終える |
秋 (九〜十二月) の作業
九月に球根を買っても、植えるのは十一月まで待ちます。早く植えると秋のうちに葉が伸び、冬に傷んで春の姿が乱れます。十月に花壇の土を耕して腐葉土と少量の粒状肥料を混ぜ、十一月中旬から下旬に植えます。植え付け後はたっぷり水をやり、目印の札を立てます。
- 球根は涼しい場所で待機
- 買った球根はネットのまま風通しのよい日陰に吊るします。十一月まで室温の日陰で構いません。
- 十月に土を準備する
- 花壇は苦土石灰と腐葉土を混ぜて耕し、二週間なじませます。鉢は新しい草花用培養土を用意します。
- 十一月に植える
- 五〜八センチの深さ、五〜八センチの間隔で植えます。鉢は密植で構いません。植えたら水をたっぷり与えます。
冬 (一〜二月) の作業
地上には何も見えませんが、土の中で根が伸びています。花壇は雨まかせ、鉢は土の表面が乾いてから二〜三日後に暖かい日の午前中に水を与えます。鉢は屋外の日なたに置いたままにし、寒さに当てます。室内に入れると茎が伸びずに咲きません。二月に入ると葉の先が地上に見えてきます。
霜柱で球根が持ち上がるのは浅植えのしるしです。見つけたら土をかぶせて手で軽く押さえ、腐葉土で覆って再発を防ぎます。来年は五センチ以上の深さに植えます。
| 場面 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 鉢が軒下にある | 乾いたら午前中に水 | 凍る朝は避ける |
| 鉢が雨ざらし | 水やり不要 | 受け皿の水は捨てる |
| 花壇の霜柱で球根が浮いた | 土をかぶせて押さえる | 腐葉土で覆うと再発しにくい |
| 二月に葉が見えた | そのまま | 肥料はまだ与えない |
春 (三〜五月) の作業
三月に葉が伸び、四月上旬から中旬に青い花穂が咲きます。花の時期は水を切らさず、花に水をかけないよう株元に注ぎます。花が終わったら花茎だけを切り、葉を残して液体肥料を二週間おきに二〜三回与えます。五月下旬から葉が黄色くなり始めたら水と肥料を減らします。
- 花がらを切る
- 花穂全体が茶色くなったら花茎を根元近くで切ります。種を作らせず球根に栄養を回すためです。葉は絶対に切りません。
- 液肥を始める
- 花がらを切った日から二週間おきに、リン酸とカリが多めの液体肥料を与えます。三回で終えます。
- 葉は枯れるまで残す
- 倒れて見苦しくても切りません。三分の二以上が黄色くなるまで待ち、完全に枯れたら軽く引いて抜きます。
初夏から夏 (六〜八月) の作業
六月に葉が完全に枯れたら休眠に入ります。鉢植えは掘り上げてネットで保管するか、鉢ごと雨の当たらない日陰へ移して水を切ります。花壇は水をやらず、株元を腐葉土で覆って夏を越します。七月と八月は月に一度、保管中の球根を点検して柔らかいものを取り除きます。
八月の点検で柔らかい球根が多いなら、保管場所が暑すぎるか湿っています。残りの球根を風通しのよい涼しい場所へ移し、袋の中を乾いた新聞紙で仕切って秋まで守ります。
| 時期 | 作業 | 見るところ |
|---|---|---|
| 6月上旬〜中旬 | 掘り上げ、または鉢の水切り | 葉が完全に枯れているか |
| 6月下旬〜7月 | 球根を乾かしてネットで保管 | 風通しと直射日光 |
| 8月 | 点検 | 柔らかい球根、カビ |
予定通りにいかないときの調整
その年の天候や置き場所によって、芽の出る時期や花の時期は前後します。カレンダーはあくまで目安で、実際には株の姿を見て作業の時期を決めます。
- 暖冬で早く葉が伸びた
- 二月に葉が長く伸びても放置します。花は例年通り四月に咲き、葉が乱れて見苦しいときだけ葉先を少し切ります。
- 寒くて花が遅い
- 四月下旬になっても咲かない年もあります。葉が元気なら待ちます。五月に入っても花茎が上がらないなら球根が小さいと判断します。
- 植え付けが遅れた
- 十二月中旬を過ぎても植えられます。一月でも固い球根なら植えれば咲きますが、花はやや小さく遅くなります。
ムスカリの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
ムスカリの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はムスカリの育て方にまとめています。
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