植える場所と目的で球根の数と深さを決める
ムスカリは球根が小さく、一株ではあまり目立ちません。花壇の縁取りにするのか、鉢に密植して塊で咲かせるのか、チューリップの足元に添えるのかで、球根の数と間隔が変わります。最初にどう見せたいかを決めてから買う数を決めます。
| 目的 | 間隔と数 | 深さ |
|---|---|---|
| 花壇の縁取りや帯状に流す | 五〜八センチ間隔で一列か二列 | 球根の高さの二〜三倍 (五〜八センチ) |
| 鉢で密植して塊で咲かせる | 球根同士が触れない程度に詰める | 球根の頭が土に隠れる程度 (三センチ) |
| チューリップやスイセンの足元に添える | 主役の球根の間に三〜五センチ間隔 | 主役より浅く五センチ前後 |
| 芝生や樹の下で自然風に増やす | ばらまいて落ちた位置に十センチ前後 | 八センチ前後。深めで長持ち |
植え時は十一月。早すぎると葉が伸びる
ムスカリの一番の失敗は、九月や十月の早い時期に植えて秋のうちに葉が長く伸び、冬の間に葉先が茶色く傷んで、春の花のころには葉が乱れて見苦しくなることです。関東平野部では十一月中旬から十二月上旬に植えるのが最も葉と花のバランスがよくなります。
球根は九月ごろから店頭に並びますが、買ってすぐ植える必要はありません。涼しく風通しのよい場所でネット袋のまま保管し、十一月まで待ちます。冷蔵庫の野菜室に入れる必要はなく、常温の日陰で十分です。
- 球根を選ぶ
- 手で握って固く、表面に傷やカビがないものを選びます。小さくても固い球根は咲きますが、柔らかいものは中が傷んでいて咲きません。
- 十一月まで保管する
- 紙袋やネットに入れ、直射日光の当たらない涼しい場所に置きます。ビニール袋に密閉するとカビが出るので通気を確保します。
- 寒冷地は十月中に植える
- 土が凍る地域では十月中旬から下旬に植え、凍る前に根を張らせます。暖地は十二月上旬まで植えられます。
早く植えてしまって葉が伸びたときは、冬の間に伸びた葉を三分の一ほどはさみで切っても春の花に影響はありません。ただし切りすぎると球根が太りません。
土づくりと植え方
水はけがよく、乾燥しすぎない土を好みます。花壇なら植える二週間前に苦土石灰を軽くまき、腐葉土を混ぜて耕します。鉢なら市販の草花用培養土で十分で、球根用の土を買う必要はありません。肥料は元肥(植えるときに土に混ぜる肥料)としてゆっくり効く粒状のものを少量混ぜます。
- 穴を掘る
- 花壇では球根の高さの二〜三倍の深さの穴を掘ります。ムスカリの球根は二〜三センチなので五〜八センチが目安です。浅いと霜で持ち上がります。
- 尖った方を上にして置く
- 球根の尖った側が芽、平らな側が根です。横倒しでも芽は上に向かいますが、揃えて置いた方が開花が揃います。
- 土をかけて水をやる
- 土を戻して軽く押さえ、植え付け後にたっぷり水をやります。根が動き出すまでの一〜二週間は乾かさないようにします。
- 目印を立てる
- 春まで地上に何も出ないため、植えた場所に札を立てておきます。知らずに掘り返して球根を傷つける失敗が多いです。
鉢植えで密に咲かせる植え方
鉢では球根を詰めて植えるほど見栄えがします。直径十五センチの鉢に十〜十五球、二十センチの鉢なら二十〜二十五球が目安です。深さは球根の頭が土に隠れる程度で、鉢の縁から二センチほどウォータースペース(水をためる余白)を残します。
| 鉢の大きさ | 球根の数 | 土の量の目安 |
|---|---|---|
| 直径十二センチ (四号) | 七〜十球 | 鉢底石一センチ、土は縁から二センチ下まで |
| 直径十五センチ (五号) | 十〜十五球 | 同上。二層植えは不要 |
| 直径二十一センチ (七号) | 二十〜三十球 | 中心をやや高く盛って水を外へ流す |
| 横長プランター六十センチ | 四十〜五十球 | 二列に互い違いに並べる |
鉢植えは冬も屋外の日なたに置きます。室内に入れると寒さに当たらず花が咲かないか、茎が伸びずに葉の中で咲きます。
植え付け後の失敗と立て直し
植えたあとに起きる問題の多くは植え時と深さで説明がつきます。芽が出る三月ごろに異変を見て原因を切り分け、今年できる手当てと来年の植え方の見直しを分けて考えます。
| 症状 | 考えられる原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 冬前に葉が長く伸びて倒れた | 植え時が早すぎた | 葉先を三分の一切る。来年は十一月に植える |
| 春になっても芽が出ない | 球根が腐ったか深すぎ | 掘って確かめる。柔らかければ廃棄 |
| 球根が土から持ち上がった | 浅植えと霜柱 | 土をかぶせて押さえ、次は五センチ以上に |
| 花が咲かず葉だけ | 球根が小さい、または肥料切れ | 今年は葉を育て、花後に追肥(育ちの途中で足す肥料) |
混植で見せる組み合わせ
ムスカリは草丈が十五センチほどと低いので、背の高い球根の足元を埋めるのに向きます。チューリップやスイセンと同じ時期に植え、同じ四月に咲くため相性がよく、青い花穂が赤や黄色の花を引き立てます。ビオラなどの秋植えの一年草の間に植えても春に顔を出します。
- 主役の球根を先に植える
- チューリップを十五センチの深さに植え、土を戻したあとにムスカリを五センチの深さで間に植えます。深さの違いで重なりません。
- 一年草の株間に植える
- ビオラやパンジーを植えた花壇の株と株の間に球根を差し込みます。春に一年草の間からムスカリが立ち上がります。
ムスカリの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ムスカリの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はムスカリの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。