採りどきの見分け方
赤実種は六月上旬から中旬に実が透き通るような赤に色づき、白実種は乳白色でやや柔らかくなったころが食べごろです。色だけでなく、軽く触って柔らかさを確かめ、軸から簡単に外れるかで判断します。熟した実は数日で落ちるので、色づいたら毎日採ります。
赤実種でも品種や日当たりで熟したときの色が少し違います。最初の年は毎日一粒ずつ食べて、一番甘いと感じた色と柔らかさを覚えておくと、翌年からの判断が楽になります。
| 見た目 | 状態 | 判断 |
|---|---|---|
| 緑からうすい赤 | 未熟 | 採らない。酸味が強い |
| 全体が赤いがやや硬い | やや早い | ジャムや果実酒向き |
| 透き通る赤で少し柔らかい | 完熟 | 生食に最適。その日に採る |
| 白実種が乳白色で柔らかい | 完熟 | 色で分かりにくいので触って確かめる |
枝の先端側と日の当たる側から熟します。一本の樹でも一週間から十日かけて順に熟すので、その日に熟した実だけを採ります。
採り方と受け方
実は軸が短く枝に直接ついています。指で軽くつまんでひねると軸ごと外れます。強く引くと皮が破れて汁が出るので、指先で優しく持ちます。高さが二メートル以内なので脚立は不要で、株の内側にも手が届きます。
- 朝のうちに採る
- 日中に温まった実は柔らかくつぶれやすいです。朝の涼しいうちに採り、すぐ日陰に置きます。
- 浅い容器に入れる
- 深い容器に重ねると下の実がつぶれます。ざるや浅いトレイに一段か二段で並べ、台所へ運びます。
- 落ちた実を片づける
- 地面に落ちた実は小バエを呼び、翌年の病気の元にもなります。採り残しと落果は毎日拾って処分します。
株が大きく一度に採り切れないときは、日の当たる南側から先に採ります。北側の実は二日から三日遅れて熟すので、順番に回れば無駄がありません。
保存と加工
生の実は冷蔵庫でも二日程度しか持たず、皮が薄いのですぐ傷みます。食べ切れない分はその日のうちに加工します。果実酒は鮮やかな赤に色づき、ジャムは種を取る手間がありますがサクランボに似た味になります。
ジャムにするときは、ユスラウメの酸味が強いので砂糖の量は実の半量から同量が目安です。少なすぎると日持ちしません。果実酒は氷砂糖を実の三分の一ほど入れると飲みやすくなります。
| 用途 | 作り方の要点 | 日持ち |
|---|---|---|
| 生食 | 洗って水気を切り冷蔵 | 2日 |
| 冷凍 | 洗って水気を切り袋に入れる | 半年。ジュースやシャーベットに |
| ジャム | 種を取り砂糖を実の半量ほど加えて煮る | 冷蔵で1か月 |
| 果実酒 | 実と氷砂糖を焼酎に漬け2〜3か月置く | 1年以上 |
果実酒の実は三か月で取り出します。入れたままにすると種から苦みが出ます。
種の取り方
実は直径一センチほどで種が中心にあります。ジャムにするときは軽く煮てから裏ごしするか、実を半分に割って指で種を押し出します。量が多いときは煮てからざるで押すのが速いです。
- 軽く煮る
- 洗った実を鍋に入れ、実がかぶるくらいの少量の水で五分ほど煮て、皮が破れる程度に柔らかくします。煮すぎると色が茶色くなります。
- ざるで裏ごしする
- 煮た実を目の粗いざるに移し、木べらで押して果肉と汁を通します。種と皮がざるに残ります。
- 砂糖を加えて煮詰める
- 果肉の半量ほどの砂糖を加え、とろみが出るまで十分から十五分煮ます。冷めると固まるので少しゆるいうちに火を止めます。
採り終えたあとの管理
収穫が終わった六月下旬にお礼肥を与え、混んだ枝を軽く抜きます。ネットを外し、落果と落ち葉を片づけます。樹はこの後、翌年の花芽を作る時期に入るので、八月以降は枝を切らずに見守ります。
- お礼肥を与える
- 緩効性の化成肥料を株元から離して一握り置きます。鉢植えは一つまみです。実をならせた樹の回復を助け、翌年の花芽を作る力を戻す目的です。
- 夏剪定する
- 内側で交差する枝を付け根から抜き、伸びすぎた新枝の先端を摘みます。切りすぎないよう株の三分の一までにとどめます。
- ネットを外して片づける
- 防鳥ネットを外して乾かし、翌年のために保管します。株元の落果と落ち葉を集めて処分します。
実がつかない・落ちるときの切り分け
花が咲いても実がつかない、実が小さいうちに落ちるといった問題は、受粉、樹齢、肥料、水のどれかに原因があります。症状を見て一つずつ切り分け、翌年に向けて直します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花は咲くが実がつかない | 開花中の霜か雨・虫がいない | 霜よけをし、筆で受粉を助ける |
| 花が咲かない | 樹が若い・窒素過多・秋に剪定した | 実生は3〜4年待つ。肥料を減らし冬だけ切る |
| 実が小さく数が多い | 摘果不足 | 5月に三個に一個落とす |
| 昨年は大量、今年はゼロ | 隔年結果 | 摘果と冬の剪定で枝を更新する |
| 6月に実が落ちる | 乾燥 | 株元を覆い、水を与える |
ユスラウメの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
ユスラウメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はユスラウメの育て方にまとめています。
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