剪定の時期と切る枝の目安
ユスラウメの花芽は、その年に伸びた枝の葉の付け根に夏から秋にかけてつき、翌春に咲きます。花芽は短い枝に多く、長く伸びた枝には少なめです。剪定の適期は落葉後の十二月から二月で、花芽を見ながら切れます。夏は混んだ枝を軽く抜く程度にします。
| 時期 | 剪定の内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 12〜2月 | 主な剪定。古枝の更新と間引き | 花芽を確かめながら切る |
| 6〜7月(収穫後) | 混んだ枝の間引き | 株の中に日が入る程度 |
| 3〜5月 | 切らない | 開花・結実中 |
| 8〜11月 | 枯れ枝だけ | 花芽形成中 |
花芽は葉芽より丸く太いです。冬に枝を見て、丸い芽が並ぶ枝は残し、細い芽ばかりの徒長枝を優先して切ります。
目標の樹形は株立ち
ユスラウメは根元から枝が何本も出る性質があり、一本の幹に仕立てるより、三本から五本の幹を残す株立ちにするのが自然です。高さは二メートル以内に抑え、幹ごとに枝を広げて日が入る形にします。古い幹は五年から六年で実つきが落ちるので、根元から出る若い枝と入れ替えていきます。
- 主幹を三本から五本選ぶ
- 植え付けて二年目の冬、根元から出た枝のうち太くて方向の違う三本から五本を残し、ほかは根元で切ります。
- 高さを決めて先端を止める
- 各幹が目標の高さ(一メートル五十から二メートル)に達したら、先端を外向きの芽の上で切ります。それより上には伸ばしません。
- 毎年若い幹を一本足す
- 根元から出る新しい枝を毎年一本残し、五年以上たった古い幹を一本根元から切ります。常に若い幹がある状態を保ちます。
幹を何本残すか迷ったら、株を上から見て枝が重ならない本数を目安にします。幹どうしの間が握りこぶし一つ分より狭ければ多すぎます。触って揺れる細い幹は候補から外します。
冬剪定の手順
冬は葉がなく枝の姿が見えるので、混んだ枝を整理して株の内側に日を入れます。ユスラウメは切った所から何本も枝が出るので、切り詰めより間引き(枝を付け根から抜く)を中心にします。
- 枯れ枝と細い枝を抜く
- 枯れた枝、鉛筆より細い枝、内側に向かう枝を付け根から切ります。株の中に手を入れて向こうが見える程度まで透かします。
- 長く伸びた枝を詰める
- 五十センチ以上伸びた徒長枝は、花芽の少ない先端を三分の一ほど切り詰めるか、混んでいれば付け根から抜きます。
- 古い幹を更新する
- 実つきが落ちた五年以上の幹を根元から切ります。一度に切るのは一本か二本にとどめ、株全体の三分の一を超えないようにします。
- 根元の細い枝を整理する
- 根元から出た細い枝は、翌年の幹候補を一本か二本残してほかを切ります。放置すると株が混んで内側が枯れます。
切り口が親指より太いときは癒合剤を塗ります。ユスラウメはサクラの仲間で、切り口から菌が入ると枝が枯れ込みます。
夏剪定と摘心
収穫が終わった六月から七月に、混んだ枝を軽く抜いて風通しをよくします。伸びすぎた新枝は先端を摘心(枝の先を摘んで伸びを止めること)すると、脇から短い枝が出て翌年の花芽が増えます。八月以降は花芽ができる時期なので枝を切りません。
| 枝の姿 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 新枝が30センチを超えて伸びる | 先端を摘む | 脇から花芽のつく短い枝が出る |
| 株の内側で交差する | 付け根から抜く | 風通しと日当たりを作る |
| 実がなった短い枝 | そのまま残す | 翌年も実がつく |
| 根元から出た新しい枝 | 一本か二本残す | 幹の更新候補 |
大きくなりすぎた株を小さくする
何年も剪定していない株は幹が太く高くなり、内側が枯れて外側だけに実がつきます。株立ちの果樹は幹ごとに切り戻せるので、三年かけて若い幹に入れ替えれば低い株に戻せます。
- 一年目は古い幹を二本切る
- 冬に最も古い幹を二本、根元から切ります。残した幹はそのままにし、根元から出る新しい枝を翌年の幹候補として残します。
- 二年目は残りの古い幹を切る
- 新しい枝が一メートルほどに育ったら、残っていた古い幹を切ります。新しい幹の先端を止めて高さを決めます。
- 三年目に樹形を整える
- 若い幹だけになったら混んだ枝を抜き、通常の冬剪定に戻します。この年から実が戻ってきます。
一度に全部の幹を切ると、根元から細い枝が大量に出て収拾がつかなくなります。必ず数年に分けます。
切ったあとうまくいかないときの手当て
剪定後に枝が枯れ込む、翌年に実が減るといった問題は、切る時期か切る場所に原因があります。枝の姿を見て切り分け、翌年の剪定で直します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 切り口から枝が枯れ込む | 太い切り口の乾燥か菌の侵入 | 枯れた部分を生きた芽の上で切り直し、癒合剤を塗る |
| 翌年に花が減った | 秋に枝先を切った・短枝を切った | 冬に花芽を確かめてから切る |
| 細い枝が大量に出る | 強く切りすぎた | 細い枝を夏に間引き、翌年は軽く切る |
| 内側が枯れて外だけ実がつく | 間引き不足 | 冬に内側の枝を抜いて日を入れる |
ユスラウメの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ユスラウメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はユスラウメの育て方にまとめています。
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