目的に合わせて方法を選ぶ
ナスタチウムを増やす方法は挿し芽と種採りの二つです。同じ花色を確実に増やしたいなら挿し芽、翌年にたくさんまきたいなら種採りです。八重咲きや珍しい花色の品種は種から同じ花が出ないことがあるので、挿し芽で残します。挿し芽は春から秋までいつでもでき、二週間で根が出ます。
| 目的 | 向いている方法 | 適期と日数 |
|---|---|---|
| 同じ花色を増やしたい | 挿し芽 | 5〜10月、二週間で発根 |
| 夏に乱れた株を若返らせたい | 切り戻した茎を挿す | 7月、九月には咲く |
| 翌年たくさんまきたい | 種採り | 10〜11月、乾かして保存 |
| 冬も室内で咲かせたい | 秋に挿した小株を鉢へ | 9月に挿し、霜前に取り込む |
水挿しで根を出す
ナスタチウムの茎は中が空洞で水を吸いやすく、コップの水に挿しておくだけで一〜二週間で白い根が出ます。先端から十センチほどを切り、下の葉を取って節(葉の付け根)が水に浸かるようにします。水は毎日替え、直射日光の当たらない明るい窓辺に置きます。根が二センチほど伸びたら土に植えます。花やつぼみが付いた茎は先に摘んでから挿します。
挿し芽の適温は十五度から二十五度で、五月と九月がいちばん失敗しません。真夏と晩秋は根が出る前に茎が傷みやすくなるので、その時期は避けるか室内の窓辺で管理します。
- 先端十センチを切る
- 花の付いていない元気な茎の先端を、節の下でハサミで切ります。下の葉を二〜三枚取り、上の葉は二枚残します。
- 節が浸かるように水に挿す
- コップに水を入れ、節が一つ以上水に浸かるように挿します。葉は水に浸けないようにします。
- 毎日水を替える
- 水が濁ると茎が腐ります。毎朝替えて、明るい日陰に置きます。一週間ほどで節から白い根が見えてきます。
- 根が二センチで土へ
- 根が二センチほど伸びたら三号ポットの湿らせた土に植えます。一週間は日陰で養生し、新葉が動いたら日なたへ移します。
土に直接挿す方法もできますが、水挿しのほうが根の出方が見えて失敗が少なく、初めてなら水挿しが確実です。
夏の切り戻しで出た茎を挿す
七月の切り戻しで出た茎は挿し芽の材料になります。暑さで親株が弱っていても、茎の先端はまだ元気なことが多く、これを挿しておけば九月には新しい株として咲き始めます。真夏は水が腐りやすいので、水挿しなら朝夕二回替えるか、湿らせた鹿沼土に直接挿して日陰で管理します。根付いたら秋に日なたへ出します。
- 元気な先端だけを選ぶ
- 黄色い葉の付いた茎や、柔らかく曲がる茎は避けます。葉が緑でしっかりした先端十センチを使います。
- 真夏は鹿沼土に直接挿す
- 小粒の鹿沼土を湿らせ、割り箸で穴を開けて茎を三センチ挿します。明るい日陰に置き、乾かさないようにします。
- 二週間で軽く引いて確かめる
- 茎を軽く引いて抵抗があれば根が出ています。九月の涼しくなったころに日なたへ出し、鉢や花壇に植えます。
種の採り方と保存
花が散ると三つに分かれた緑の実が付き、一か月ほどで黄色くなって固くなります。この状態で摘み、紙の上に広げて一週間乾かします。ナスタチウムの種は大きく数が少ないので、種を採る花は一株に十輪ほど摘まずに残しておきます。こぼれ種でも翌春に芽が出ることがありますが、冬の寒さで多くは腐るので、確実に残すなら採って室内で保存します。
八重咲きの品種は実が付きにくく、付いても種から同じ花が出るとは限りません。八重を残したいなら秋に挿し芽をして、小さな鉢で室内の窓辺で冬を越させます。十度以上を保てる場所なら、冬のあいだも少しずつ咲きます。
- 黄色く固くなったら摘む
- 実が黄色からうす茶色になり、爪で押してもへこまなくなったら摘みます。緑のうちは未熟で発芽しません。
- 紙の上で一週間乾かす
- 風通しのよい日陰で紙の上に広げ、一週間乾かします。しわが寄って軽くなったら乾いています。
- 紙袋に入れて冷暗所へ
- 品種名と採った年を書いた紙袋に入れ、乾燥剤と一緒に缶や密閉容器で保存します。二年は発芽します。
うまく増えないときの対処
挿した茎が腐る、根が出ても植えたあとに枯れる、採った種が発芽しない。増やすときの失敗はこの三つに集まります。原因は水の濁り、植え付け後の直射、種の未熟さで、それぞれ表で見分けられます。挿し芽は材料が手軽なので、失敗したら時期を変えてもう一度試すのがいちばんの近道です。
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 挿した茎が水の中で黒く腐る | 水の濁り、花付きの茎 | 毎日水を替え、花を摘んでから挿す |
| 根が出たのに植えたら枯れた | 植え付け直後の直射、乾き | 一週間は日陰で、土を乾かさない |
| 種をまいても芽が出ない | 未熟な種、水に浸けていない | 黄色く固くなってから採り、一晩浸けてまく |
| 挿し芽の花色が親と違う | つぼみを残した、日照の違い | 花色は同じはず。日なたで咲かせて確かめる |
ナスタチウムの挿し芽・株分けに使うもの
ハーブは挿し芽で増やしやすいものが多く、水に挿すだけで根が出る種類もあります。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土が条件です。
- よく切れるはさみ探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、管理も楽です。
- ミントやバジルのように水挿しで根が出るものは、用土も促進剤も要りません。
- 発根促進剤は、根の出にくい木質のハーブ以外では急ぎません。
ナスタチウムの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナスタチウムの育て方にまとめています。
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