採りごろは草丈で決める
収穫は草丈が六十センチから八十センチ、霜に二回三回当たったころです。葉に厚みが出て、手に持つとずしりと重く感じたら食べごろの合図になります。
小株で穫って浅漬けにする作り方もあります。草丈三十センチほどのやわらかい株は生のまま浅漬けにでき、大株になるまで待たずに楽しめます。
| 大きさ | 時期 | 向く食べ方 |
|---|---|---|
| 草丈15〜20センチ | 間引き菜 | おひたし、汁の実 |
| 草丈30〜40センチ | 11月上旬 | 浅漬け、炒め物 |
| 草丈60〜80センチ | 11月下旬〜12月 | 本漬け(野沢菜漬け) |
切り方と持ち帰り方
株の根元に包丁を入れ、根を残して切ります。土がついたまま持ち帰ると洗いが大変になるので、その場で外側の傷んだ葉と土を落としておくと後が楽です。
穫った菜はしおれやすいので、その日のうちに洗います。すぐ洗えないときは日陰に立てて置き、根元を湿らせておくと半日は張りを保てます。
- 根元で切る
- 株元に包丁を横から入れ、株がばらけないように切ります。切り口をそろえておくと洗うときに水が通りやすくなります。
- 外葉を落とす
- 黄色い葉、穴の多い葉、地面についていた葉をその場で外します。畑に置いてくれば持ち帰る量も減ります。
- 立てて運ぶ
- 寝かせて積むと下の株がつぶれます。かごに立てて入れ、上から押さえないようにして運びます。
- 根は畑に残さない
- 切ったあとの根株は掘り上げて畑の外へ出します。残しておくと病気の菌が翌年まで生き残り、同じ場所で作れなくなります。
野沢菜の収穫は「お菜取り」と呼ばれ、寒い日に一気に済ませる作業です。手がかじかむので手袋を用意しておくと安心です。
洗って水を切る
根元の株の間に土が入っているので、そこを開いて洗います。冷たい水で洗うと葉が締まって歯ごたえがよくなり、ぬるま湯だと葉がやわらかくなりすぎます。
洗ったあとは半日ほど陰干しして表面の水を切ります。水が残ったまま漬けると水っぽくなり、傷みも早くなるので、この工程は省かないでください。
- 根元を割る
- 株の根元に包丁で十字の切れ目を入れ、手で開きます。中に入った土がここで落ち、塩も回りやすくなります。
- 水を替えて洗う
- たらいの水を二回三回替えながら、根元を振り洗いします。水が澄むまで繰り返すと漬けたときにじゃりつきません。
- 陰干しで水を切る
- 洗った菜は物干しなどにかけて半日陰干しします。表面の水が切れ、しんなりして樽に詰めやすくなります。
- 冷たい水を使う
- 井戸水や水道水をそのまま使い、ぬるま湯は避けます。冷たい水で洗った菜は葉が締まり、漬けたあとの歯ごたえが違います。
塩で下漬けする
下漬けの塩は菜の重さの三パーセントから四パーセントが目安です。塩が少ないと傷み、多いと辛くなりすぎるので、菜をはかりに載せて量を決めてください。
樽に菜を一段ずつ並べ、塩をふりながら重ねます。重しは菜の重さの二倍を目安に載せ、二日から三日で水が上がってくれば下漬けは成功です。
| 目的 | 塩の量 | 漬かるまで |
|---|---|---|
| 浅漬け(すぐ食べる) | 菜の重さの2パーセント | 半日から一日 |
| 下漬け(本漬けの前) | 菜の重さの3〜4パーセント | 2〜3日で水が上がる |
| 本漬け(冬中置く) | 下漬け後に4〜5パーセント | 2週間から1か月 |
本漬けと保存
下漬けの水が上がったら一度水を捨て、塩と唐辛子、昆布などを加えて本漬けにします。二週間ほどで浅い漬かり、一か月置くと乳酸発酵が進んで酸味の出た味になります。
置き場所は氷点下にならない寒い場所です。暖かい部屋に置くと発酵が早く進みすぎ、酸っぱくなって色も抜けます。屋外の日陰か、冷蔵庫の野菜室が向きます。
- 下漬けの水を捨てる
- 上がってきた水にはあくが含まれています。一度捨ててから本漬けに移ると、えぐみのないすっきりした味になります。
- 重しを軽くする
- 本漬けの重しは菜の重さと同じくらいまで軽くします。重すぎると葉がつぶれ、食感が失われます。
- 寒い場所に置く
- 凍らない程度の寒い場所に置きます。暖かいと数日で酸味が強くなり、色も茶色く変わっていきます。
- 食べる分だけ出す
- 樽から出すときは食べる分だけ取り、残りは表面をならして重しを戻します。空気に触れる面が増えるほど傷みが早くなります。
漬けてから失敗に気づいたとき
水が上がらない、酸っぱくなりすぎた、ぬめりが出たといった失敗は原因がはっきりしています。次の年に直せるので、その年の記録と一緒に覚えておいてください。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 二日たっても水が上がらない | 塩が少ない、重しが軽い | 塩を足し、重しを二倍にする |
| 酸っぱくなりすぎた | 置き場所が暖かい | 寒い場所へ移す。炒め物に使う |
| 表面に白い膜が出る | 空気に触れている | 膜を取り、菜が水に沈むよう重しを直す |
| 水っぽく歯ごたえがない | 洗ったあとの水切りが不足 | 翌年は半日陰干ししてから漬ける |
野沢菜の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
野沢菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は野沢菜の育て方にまとめています。
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