まく時期は地域で半月ずれる
野沢菜は長野県の野沢温泉で育てられてきた漬け菜で、草丈が六十センチから八十センチまで伸びます。冬の寒さに当てて漬けるまでが一続きの作物なので、まく時期は収穫の時期から逆算して決めます。
収穫までは六十日から八十日かかります。関東平野部の露地なら九月上旬から中旬にまいて十一月下旬から十二月に穫るのが基本です。まくのが遅れると寒さで育ちが止まり、細いまま冬を迎えます。
| 地域 | まき時 | 収穫の時期 |
|---|---|---|
| 寒冷地・高原 | 8月下旬〜9月上旬 | 10月下旬〜11月中旬 |
| 関東平野部 | 9月上旬〜9月中旬 | 11月下旬〜12月上旬 |
| 暖地 | 9月中旬〜10月上旬 | 12月〜1月。太りにくい |
土は深く耕して石灰を入れる
野沢菜はアブラナ科の中でも大きく育つので、根が深く張れる土が要ります。まく二週間前に深さ三十センチまで耕し、苦土石灰を一平方メートルあたり百グラムほど混ぜて土の酸っぱさをやわらげておきます。
元肥(植える前に入れておく肥料)は完熟堆肥を二キロ、化成肥料を百グラムほど全体に混ぜます。肥料が偏っていると株の大きさがそろわず、漬けるときに扱いづらくなります。
- 二週間前に石灰
- まく二週間前に苦土石灰を混ぜて耕します。アブラナ科は土が酸っぱいと根こぶ病が出やすいので、この一手間が効きます。
- 一週間前に肥料
- 石灰の一週間後に堆肥と化成肥料を入れ、もう一度耕します。同時に入れると肥料の効きが落ちるので日をずらします。
- 畝を立てる
- 幅六十センチ、高さ十センチほどの畝を立てて表面をならします。水はけの悪い場所では高さを二十センチまで上げます。
すじまきで薄く均一にまく
種は小さいので、深さ一センチの溝を作り、一センチ間隔で落とすすじまきにします。厚くまくと間引きの手間が増え、薄すぎると欠けたところができて畝が無駄になります。
覆土は五ミリほどにし、手のひらで軽く押さえて種と土を密着させます。まいた直後にたっぷり水をやり、発芽までの三日から四日は表面を乾かさないようにします。
- 溝を作る
- 支柱や板を土に押しつけて深さ一センチの溝を作ります。溝の底が平らだと種が転がらず、間隔がそろいます。
- 一センチ間隔でまく
- 指でつまんだ種を溝に沿って落としていきます。一度に落としすぎないよう、少しずつ手を動かすとそろいます。
- 薄く覆って押さえる
- 溝の両側の土を寄せて五ミリほどかぶせ、手のひらで押さえます。押さえないと発芽がばらつきます。
- ネットをかける
- 水をやったらその日のうちに防虫ネットをかけます。芽が出てからでは虫が中に入った状態でふさぐことになります。
野沢菜の種はカブやダイコンの種とよく似ています。袋を開けたら残りに名前を書いておくと、翌年に取り違えません。
残す株の選び方
間引きで残すのは、茎が太くて葉柄が短く締まった株です。ひょろりと背だけ高い株は徒長(ひょろ長く伸びること)していて、あとで倒れやすく漬けても水っぽくなります。
葉に虫の食べ跡がある株、葉の色が薄い株、生長点が傷んでいる株は先に抜きます。同じ大きさで迷ったら、根元がまっすぐ立っているほうを残してください。
- 太さで選ぶ
- 同じ高さなら茎の太いほうを残します。太い株は根も張っているので、寒くなってからの伸びが違います。
- はさみで切る
- 株が込み合っているところは、抜かずに地際ではさみで切ります。隣の株の根を動かさずに済みます。
- 間引き菜を使う
- 本葉四枚以降の間引き菜はおひたしや浅漬けで食べられます。捨てずに使うと最初の収穫として楽しめます。
間引きは三回に分けて広げる
野沢菜は最終的に株間二十五センチから三十センチまで広げます。一度に広げず三回に分けると、残す株を選びながら進められ、途中で虫にやられても代わりが利きます。
本葉が二枚のころに三センチ、四枚で八センチ、六枚から七枚で最終の株間にします。抜くときは残す株の根元を指で押さえ、根が持ち上がらないようにします。
| 時期 | 株の状態 | 株間 |
|---|---|---|
| まいて7〜10日 | 本葉2枚 | 3センチ |
| まいて20日ごろ | 本葉4〜5枚 | 8センチ |
| まいて30〜35日 | 本葉6〜7枚 | 25〜30センチ |
種まきでつまずいたときの切り分け
発芽しない、そろわない、伸びないといった症状は、まき方と時期のどちらかに原因があります。翌年の種まきで直せるので、記録しておくと同じ失敗をしません。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 発芽がまばら | 覆土が厚い、または乾かした | 覆土は5ミリ、発芽まで水を切らさない |
| ひょろひょろ伸びる | 厚まきで込み合っている | 早めに間引いて風と光を通す |
| 芽が食われて消える | ネットをかけるのが遅い | まいた日のうちにネットをかける |
| 寒くなっても小さい | まくのが遅すぎた | 翌年は半月早める。今年は小株で穫る |
種まきの手順
野沢菜は、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
野沢菜の種まきでよくある質問
野沢菜の種はいつまく?
野沢菜は長野県の野沢温泉で育てられてきた漬け菜で、草丈が六十センチから八十セ…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
野沢菜の種はどうやってまく?
すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
野沢菜の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
野沢菜の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
野沢菜は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
野沢菜の間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
野沢菜の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
野沢菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は野沢菜の育て方にまとめています。
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