追肥は間引きに合わせて三回
野沢菜は草丈が六十センチを超えるので、途中で肥料が切れると葉が黄色くなり、そこから太らなくなります。追肥(育ちの途中で足す肥料)は間引きのたびに、合わせて三回入れるのが目安です。
一回あたり化成肥料を一平方メートルに三十グラムほど、畝の肩にまいて土と混ぜます。株元に直接かけると根が傷むので、株から十センチ以上離してください。
| 時期 | 作業 | 肥料の量 |
|---|---|---|
| 本葉4〜5枚 | 二回目の間引きと同時 | 1平方メートルに30グラム |
| 本葉6〜7枚 | 最終間引きと同時 | 1平方メートルに30グラム |
| 草丈30センチ | 仕上げの追肥 | 1平方メートルに30グラム |
水は表面が乾いてから
秋は雨があるので、露地なら水やりはほとんどいりません。まいてから発芽までと、最終間引きの直後だけは土の表面を乾かさないようにします。それ以外は表面が白く乾いてからで十分です。
毎日少しずつ与えると根が浅いところにしか張らず、寒くなってから倒れやすくなります。与えるときは畝の下まで届くようにたっぷりと、回数は少なくが基本です。
- 指で土を触る
- 土の表面を指の先で触り、乾いて白っぽくなっていたら与えます。湿り気を感じるうちは待ってかまいません。
- 朝に与える
- 水やりは午前中に済ませます。夕方に与えると夜まで葉が濡れたままになり、病気が出やすくなります。
- 株元に静かに
- 葉の上からかけると土がはねて病気の元になります。じょうろの先を外して株元に静かに注ぎます。
- 雨の前後は与えない
- 秋の長雨のあとは土の中に水が残っています。表面が乾いて見えても中は湿っているので、指を二センチ差し込んで確かめます。
土寄せで倒れを防ぐ
草丈が三十センチを超えると、風で株ごと傾くことがあります。追肥のたびに土寄せ(株元に土を寄せること)をしておくと、根元が固まって倒れにくくなります。
寄せる高さは株元から五センチほどで十分です。生長点まで埋めてしまうと芯が腐るので、葉の付け根が土から出ているかを確かめながら寄せてください。
- 肥料をまいてから寄せる
- 追肥を畝の肩にまき、その土を株元に寄せます。肥料を混ぜ込みながら寄せられるので二度手間になりません。
- 五センチまでにする
- 寄せるのは株元から五センチほどまでです。葉の付け根が埋まると芯が腐って中心から傷みます。
- 風の強い畑は二回
- 吹きさらしの畑では十日ほど空けてもう一度寄せます。根が広がるので冬の風でも傾きません。
プランターで育てるときは土寄せができないので、深さ三十センチ以上の容器を選び、株数を減らして倒れを防ぎます。
ネットは収穫まで外さない
野沢菜はアブラナ科なので、秋の終わりまでアオムシやコナガがつきます。防虫ネットは収穫の日までかけたままにし、間引きや追肥のときだけ開けてすぐ閉じます。
ネットの裾は土をかぶせるか、専用の押さえで留めます。少しでも隙間があるとそこから蝶が入り、内側で守られた状態で幼虫が育ってしまいます。
| 場面 | ネットの扱い | 注意 |
|---|---|---|
| 間引き | 片側だけめくる | 終わったらすぐ裾を留める |
| 追肥と土寄せ | 支柱ごと持ち上げる | 葉を傷めないよう二人で |
| 強い風の前 | 裾を土で押さえ直す | めくれると一晩で虫が入る |
| 収穫 | 外して畳んで保管 | 破れは翌年までに補修する |
霜に当てて味を乗せる
野沢菜は霜に二回三回と当たると、葉が厚みを増して甘みが出ます。寒くなったからと慌てて穫らず、しっかり当ててから収穫するのが漬け菜としての味の決め手です。
ただし何度も凍って解けると葉が傷んで水っぽくなります。関東平野部なら十二月上旬までに穫り切るのが安全で、それ以降まで置くなら不織布をかけて守ります。
- 初霜を待つ
- 十一月に入って初霜が降りたら味が乗り始めます。葉に触ってみて厚みと張りが出ていたら収穫が近い合図です。
- 二回から三回当てる
- 霜に二回から三回当ててから穫ると甘みが乗ります。当てすぎると葉が凍って崩れるので、様子を見ながら決めます。
- 不織布で守る
- 十二月まで畑に置くなら不織布をふわりとかけます。凍って解けるのを繰り返さなければ、葉は傷みません。
- 穫る日を決める
- 霜に当たって葉が厚くなったら、漬け込む日から逆算して収穫日を決めます。畑に置いたまま年を越すと、葉の傷みが一気に進みます。
育ちが止まったときの原因
秋の途中で伸びが止まる原因は、肥料切れ、根の障害、虫の三つに絞られます。葉の色と根の様子を見て切り分けると、その年のうちに手が打てます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 下の葉から黄色くなる | 肥料切れ | すぐに追肥して土寄せする |
| 昼にしおれ夕方戻る | 根こぶ病の初期 | 抜いて根を確かめ、翌年は畑を変える |
| 葉に穴が増える | ネットの隙間から虫が入った | 裏まで見て手で取り、裾を留め直す |
| 全体に育ちが遅い | まくのが遅く気温が下がった | 小株で早めに穫り、翌年は時期を早める |
野沢菜の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
野沢菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は野沢菜の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。