踊り仕立てに向く株と品種
踊りハボタンは、一年目の株を春に切り戻し、脇から出た芽を育てて、翌冬に小さな株が枝分かれして踊るように見える仕立て方です。向くのは葉が小さく茎が丈夫なミニや光沢葉の品種で、大型の丸葉や縮れ葉は脇芽が重くなって倒れます。株は病気や虫の被害がなく、茎が太いものを選びます。
| 品種 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| ミニ・光沢葉 | 最適 | 葉が小さく脇芽が軽い |
| 切れ葉の中型 | 可 | 脇芽の数を絞れば形が保てる |
| 大型の丸葉・縮れ葉 | 不向き | 脇芽が重く、夏に蒸れて腐りやすい |
春に花茎を切る
3月に中心から茎が伸び始めたら、花を咲かせずに花茎を切ります。切る位置は株の下の方で、葉が数枚残る高さです。切った後、茎の途中の葉の付け根から脇芽が出てきます。切るのが遅れて花が咲いてしまうと、株が消耗して脇芽の出が悪くなります。
切り戻した直後の株は葉が減って寂しく見えますが、二週間から三週間で脇芽が動き出します。芽が出るまで水を控えめにし、腐らせないことを優先します。
- 茎が5センチ伸びたら切る
- 中心から伸び始めた茎が5センチから10センチになったら、下の葉を三枚から五枚残して切ります。つぼみが見える前が理想です。
- 切り口は乾かす
- 切った後は数日雨に当てず、切り口を乾かします。湿ったままだと切り口から腐ります。
- 肥料は脇芽が出てから
- 脇芽が見えるまで肥料は与えません。芽が出たら薄い液肥を二週間に一回与えて伸ばします。
脇芽を選んで残す
4月から5月に、茎の葉の付け根から複数の脇芽が出ます。すべて残すと混み合って蒸れ、夏に腐るので、三本から五本に絞ります。残すのは株の外側に向いて、間隔が均等な芽です。わき芽(葉の付け根から出る新しい芽)の選び方で、冬の踊りの姿が決まります。
- 三本から五本に絞る
- 勢いのよい芽を、四方にばらけるように三本から五本残し、他は指で摘み取ります。同じ方向に偏らないようにします。
- 下の葉は残す
- 古い葉は光合成で脇芽を育てるので、黄ばむまで残します。黄色くなったら付け根から取ります。
- 伸びすぎたら摘心
- 脇芽が15センチ以上伸びたら、先を摘心(茎の先を摘んで枝数を増やす作業)して、さらに枝分かれさせます。二段、三段と踊る形になります。
夏越しは蒸れと虫を避ける
踊り仕立ての最大の難関は夏です。ハボタンは暑さに弱くはありませんが、蒸れと過湿で株元が腐り、アオムシに脇芽を食われます。風通しのよい半日陰に置き、水は乾いてから与え、防虫ネットで覆って夏を越します。地植えより鉢植えの方が場所を動かせて管理しやすいです。
夏の間に脇芽が徒長(間延びしてひょろ長く伸びること)したら、9月に先を摘んで形を整えます。この時期の摘心は冬の色づきには影響しません。
| 時期 | 置き場所 | 管理 |
|---|---|---|
| 5月〜6月 | 日なた | 脇芽を伸ばす、液肥を薄く |
| 7月〜8月 | 午後は日陰になる風通しのよい場所 | 水は乾いてから、ネットで覆う |
| 9月〜10月 | 日なたに戻す | 液肥を再開し10月中旬で止める |
梅雨の長雨は軒下に移し、株元に落ち葉をためないようにします。株元が黒くなったら腐りの始まりです。
秋からは一年目と同じ管理
9月に涼しくなったら日なたに戻し、10月中旬まで薄い液肥で脇芽の株を太らせます。その後は一年目と同じで、肥料を止めて寒さに当てると、それぞれの脇芽の中心が色づきます。枝分かれした小さな株が一斉に色づく姿が、踊りハボタンの見どころです。
秋の管理で一年目と違うのは、脇芽ごとの株が小さいため肥料の効きが早いことです。液肥はさらに薄めにし、脇芽の葉が濃い緑になったら早めに止めます。
- 9月に日なたへ戻す
- 最高気温が30度を下回るようになったら、一日中日の当たる場所へ戻します。日照で脇芽の株が締まります。
- 10月中旬に肥料を止める
- 一年目と同じく、最低気温15度を目安に肥料を止めます。止めないと脇芽が緑のまま色づきません。
- 倒れそうなら支柱
- 茎が長くなって株が傾くなら、細い支柱を立てて麻ひもで軽く結びます。見えないよう株の後ろに立てます。
うまくいかないときの原因と直し方
脇芽が出ない、夏に株元が腐った、脇芽が伸びすぎて倒れた、という失敗は踊り仕立てにつきものです。株が生きていれば翌春にもう一度切り戻して仕切り直せますし、腐った株は諦めて新しい苗から始めます。三年目、四年目と続けるほど茎が太く、姿に風格が出ます。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 切っても脇芽が出ない | 切るのが遅く株が消耗した | 水を控えめに待つ。翌年は早く切る |
| 夏に株元が腐った | 過湿と蒸れ | 戻らない。翌年は鉢で風通しを確保 |
| 脇芽が長く伸びて倒れる | 日照不足か肥料過多 | 摘心で枝分かれさせ、支柱で支える |
| 脇芽の株が色づかない | 肥料の止め忘れ | 止めて待つ。翌年は10月中旬で切る |
ハボタンの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
ハボタンの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハボタンの育て方にまとめています。
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