季節で置き場所を移す夏型の植物
パキポディウムは南アフリカとマダガスカルの乾いた土地に自生する多肉植物で、春から秋に育ち、秋に葉を落として冬は休眠する夏型です。生育期はできるだけ日に当てるほど幹が締まり、日が足りないと茎が細く伸びて姿が崩れます。
一方で寒さには弱く、霜に当てると幹が傷みます。そのため一年を通して同じ場所に置くのではなく、生育期は戸外の日なた、冬は室内と、季節に合わせて置き場所を移すのが育て方の基本になります。
| 時期 | 株の状態 | 置き場所 |
|---|---|---|
| 4〜6月 | 葉が開き、花が咲く | 戸外の日なた。雨の当たらない軒下 |
| 7〜9月 | 盛んに育つ | 戸外の日なたで風通しよく。長雨は避ける |
| 10月 | 葉が黄ばみ始める | 戸外の日なた。冷え込む夜は室内へ |
| 11〜3月 | 落葉して休眠 | 室内の日当たりのよい窓辺 |
取り込む目安は最低気温が10℃を下回り始めるころです。関東の平地ではおおむね10月の終わりから11月に入るころにあたります。
生育期は雨よけのある日なたで育てる
4月から10月の生育期は、日当たりと風通しのよい戸外に置きます。室内の窓辺より戸外のほうが日の量も風も多く、幹が太く締まった株に育ちます。ただし長雨に当たると根や幹が腐りやすくなるので、軒下やベランダの屋根の下など、雨がかからない場所を選びます。
- 雨のかからない場所を選ぶ
- 軒下やベランダの屋根の下など、雨が直接当たらない日なたを探します。梅雨や秋の長雨の時期に鉢土が何日も湿ったままにならないことが大切です。
- 鉢を地面から浮かせる
- コンクリートの上に直接置くと熱がこもり、鉢底の水はけも悪くなります。棚や台の上に置いて、鉢の下にも風が通るようにします。
- 株の向きをときどき変える
- 日の当たる側にばかり葉が向いて幹が傾くことがあります。月に一度ほど鉢を回して、まんべんなく日に当てます。
室内から出すときは日差しに少しずつ慣らす
冬を室内で過ごした株や、店の室内に並んでいた株を急に真夏の直射日光に当てると、葉や幹が焼けて茶色い跡が残ることがあります。春に戸外へ出すときは、明るい日陰から始めて日なたへ移していきます。
- 最初は明るい日陰に置く
- 春に戸外へ出したら、はじめの数日は直射日光の当たらない明るい場所に置きます。風に当てて株を外の環境に慣らします。
- 半日の日なたへ移す
- 葉が開き始めたら、午前中だけ日が当たる場所へ移します。葉の色が抜けたり茶色くなったりしないかを見ながら進めます。
- 一日中の日なたに置く
- さらに1〜2週間たって変化がなければ、一日よく日の当たる場所に置きます。ここまで慣らせば夏の日差しにも耐えます。
冬越しの温度は種類によって違う
パキポディウムの耐寒性は種類で差があり、枯れずに耐える最低温度の目安は、乾いた条件でおおむね2〜8℃です。生育を止めずに冬を越させるなら10℃以上が必要で、葉を落として休眠させるなら5℃を下回らないように管理すると安全です。
高地に自生する種類は比較的寒さに強く、低地の種類は寒さに弱い傾向があります。自分の株の種類を確かめ、迷ったら寒さに弱い側に合わせて早めに室内へ取り込みます。
| 種類 | 枯れない最低温度の目安 | 寒さへの強さ |
|---|---|---|
| ビスピノーサム | 2℃ | 比較的強い |
| サウンデルシー | 3℃ | 比較的強い |
| グラキリス・恵比寿笑い・エブルネウム | 5℃ | ふつう |
| デンシフロラム・ラメリー・ホロンベンセ | 8℃ | 弱い |
温度はみんなの趣味の園芸の目安で、霜と北風が当たらず鉢土が乾いている条件での値です。湿った土では、これより高い温度でも根が傷みます。
冬は室内の明るく冷えない場所で休ませる
冬の置き場所は、室内の日当たりのよい窓辺が基本です。落葉していても日に当てておくと、春の芽吹きがそろいます。夜の窓際は外と同じくらい冷え込むことがあるので、寒い夜だけ部屋の中ほどへ移すと安心です。
- 日の入る窓辺に置く
- 南か東向きの窓辺など、昼間に日が差し込む場所に置きます。落葉中でも日に当てると幹がしっかりし、春の芽吹きが早まります。
- 寒い夜は窓から離す
- 冷え込みが強い夜は、窓から離した部屋の中ほどへ鉢を移します。厚手のカーテンを閉めるだけでも窓際の冷え込みが和らぎます。
- 暖房の風を当てない
- 暖房器具の温風が直接当たると幹が乾きすぎ、ハダニも増えやすくなります。暖房から離れた、温度の変化が小さい場所を選びます。
買ったばかりの株と輸入株の冬越し
寒さに弱い植物なので、株を手に入れるなら春から秋がよい時期です。冬に買った株は根が十分に張っていないことが多く、慣れない環境で弱りがちです。とくに海外から輸入された株は、はじめての冬越しで失敗しやすいので、温度に余裕をもたせて管理します。
- 最初の冬は温度に余裕を持つ
- 根が張りきっていない株は寒さに耐える力が弱いので、目安より高めの10℃前後を保てる場所で冬を越させると安全です。
- 幹の硬さを確かめる
- 冬の間もときどき幹の根元を指で押し、硬さが保たれているかを確かめます。軟らかくなっていたら根腐れを疑います。
春になって新しい葉が出れば、根が動き出した合図です。ここから水やりを少しずつ再開します。
よくある質問
いつ?
4〜6月: 葉が開き、花が咲く。7〜9月: 盛んに育つ。10月: 葉が黄ばみ始める。11〜3月: 落葉して休眠。
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