咲かない原因を先に切り分ける
パフィオペディラムは一つの株(葉の束)から一本の花茎が出て、咲いたその株は二度と咲きません。次の花は株元から出た新しい株が育って咲きます。つまり毎年咲かせるには、毎年新しい株を花が咲く大きさまで育てる必要があります。咲かないときは、まず新しい株が十分に育っているかを確かめます。
新しい株の葉が四〜五枚そろい、親株と同じ大きさになっていれば花が咲く準備ができています。まだ小さければ、その年は株を育てる年です。
| 状態 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 新しい株が小さい | 株の充実不足 | 肥料と水で株を育て、翌年を待つ |
| 株は大きいが花芽が出ない | 秋の温度差不足 | 十月まで屋外で温度差に当てる |
| 葉が長く垂れて花芽がない | 光不足 | 少し明るい場所へ移す |
| 花芽が出たが途中で枯れた | 乾燥か急な環境変化 | 湿度を保ち、動かさない |
花芽を作る秋の温度差
花芽は秋、昼と夜の温度差が十度近くある時期に作られます。関東平野部では九月下旬から十月にかけて屋外に置いておくと自然にこの条件が整い、十一月から十二月に株の中心から花芽が見えてきます。一年中暖かい室内に置いた株は温度差がなく、花芽が付きにくくなります。
取り込みの時期は最低気温で判断します。緑葉なら十度、斑入り葉なら十三度を下回る夜が来る直前まで屋外に置くのが、花芽を作るこつです。
- 九月から十月は屋外に
- 残暑が収まったら屋外の明るい日陰に置き、昼夜の温度差に当てます。雨に当たっても構いませんが、長雨は軒下へ移します。
- 最低気温を目安に取り込む
- 天気予報の最低気温が、緑葉なら十度、斑入り葉なら十三度に近づいたら室内へ取り込みます。遅れると葉が傷みます。
- 取り込み後も夜は涼しく
- 室内でも夜は暖房の効いた部屋を避け、十〜十五度の場所に置くと花芽が伸びやすくなります。
株を充実させる年間の管理
花を咲かせる株を作るには、春から秋の生育期に水と肥料を切らさず、新しい株を大きく育てることが要です。花後に出た新芽が翌年の秋までに親株と同じ大きさになれば、その冬に咲きます。葉が三枚以下の小さな株は、もう一年育てる必要があります。
株が育っているかは、葉の幅で確かめます。新しい株の葉が親株と同じ幅なら順調で、細ければ光か肥料が不足しています。新葉が出るたびに前の葉と比べる習慣をつけます。
| 時期 | 株を育てる作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月〜4月 | 花後に花茎を切り、植え替え | 新芽が動き始めたら |
| 5月〜6月 | 薄い肥料を月二〜三回、屋外へ | 新葉が伸びる時期 |
| 7月〜8月 | 水切れと暑さを防ぐ | 葉の幅が親株と同じなら順調 |
| 9月〜10月 | 肥料を再開、温度差に当てる | 葉が四〜五枚そろっていれば咲く |
花芽が見えてからの管理
株の中心から葉とは違う、丸みを帯びた芽が伸びてきたら花芽です。花芽が上がってから開花まで二〜三か月かかり、この間は環境を変えないことが第一です。置き場所を動かしたり、急に暖かい部屋に移すと、つぼみが黄変して落ちます。水は通常どおり、肥料は止めます。
- 花芽を見つけたら動かさない
- 株の中心から丸い芽が見えたら、その場所で固定します。窓辺なら向きも変えず、夜の冷え込みだけ避けます。
- 湿度を保ち、つぼみに水をかけない
- つぼみが乾くと開かずに落ちます。葉水は葉だけにかけ、つぼみには当てないようにして湿度を保ちます。
- 花茎が伸びたら支柱
- 花茎が十センチほど伸びたら細い支柱を立て、軽く留めます。花が重く、支えがないと倒れて折れることがあります。
開花中は十五〜二十度の涼しい部屋に置くと、花が一〜二か月と長く持ちます。暖房の効いた部屋では早くしおれます。
花の楽しみ方と切る時期
パフィオペディラムの花は袋状の唇弁が特徴で、一輪が一〜二か月咲き続けます。ただし長く咲かせるほど株は消耗するため、花弁の縁が茶色くなり始めたら花茎を根元で切ります。切った花は切り花としてさらに二〜三週間楽しめます。
- 縁が茶色くなったら切る
- 花弁の縁に茶色が出始めたころが切る目安です。株の体力を翌年の花に回すため、ぎりぎりまで粘らないようにします。
- 根元で清潔に切る
- 花茎を株元近くで清潔なはさみで切ります。残した花茎は自然に枯れるので、無理に引き抜きません。
つぼみが落ちたときの原因の切り分け
せっかく上がった花芽やつぼみが黄変して落ちるのは、環境の急な変化か乾燥、または株の体力不足です。翌年に同じ失敗をしないよう、何が起きたかを見分けておきます。
| 場面 | 原因 | 次に直す点 |
|---|---|---|
| 取り込み直後に花芽が止まった | 急な温度変化 | 取り込み後も涼しい場所に置く |
| つぼみが黄変して落ちた | 乾燥か暖房の風 | 湿度を保ち、暖房から離す |
| 花茎が短いまま咲いた | 光不足か低温 | 少し明るく、十五度前後に |
| 花芽が出たが小さくしぼんだ | 株の体力不足 | 翌年は株を育てる年にする |
パフィオペディラムの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
パフィオペディラムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパフィオペディラムの育て方にまとめています。
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