症状から原因を見分ける
パフィオペディラムの不調は、病気よりも水と温度の管理が原因のことが多く、まず環境を疑います。葉のどこに、どんな症状が出ているかで原因を絞れます。
特に進行が早いのは軟腐病で、一晩で葉が溶けることがあります。迷ったら株元を触って確かめ、柔らかければ最優先で対処します。
| 症状 | 考えられる原因 | 初動 |
|---|---|---|
| 葉の付け根が黒く水っぽく溶ける | 軟腐病 | 切り取って乾かし、殺菌 |
| 葉にしわ、下葉が黄変 | 根腐れか乾燥 | 鉢から抜いて根を確かめる |
| 葉の裏や付け根に白い綿や茶色の殻 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉の表が白くかすれる | ハダニ | 葉裏に水をかけて洗う |
| 葉に黒や茶の斑点が広がる | 炭疽病など | 斑点の葉を切り、風を通す |
| 葉が黄ばみ白い焼け跡 | 葉焼け | 遮光を強める |
軟腐病は葉の付け根から始まる
パフィオペディラムは葉が株元で重なり合う形のため、そこに水がたまると細菌が入って軟腐病になります。梅雨から夏の高温多湿と、冬の低温多湿のどちらでも起き、進行が非常に早いのが特徴です。腐った部分は独特の臭いがします。予防は葉の付け根に水を残さないことに尽きます。
- 水やりは株元を避けて午前中
- 水は植え込み材に注ぎ、葉の中心にかけません。午前中に済ませ、夕方までに乾く時間を作ります。
- 見つけたら健康な部分まで切る
- 黒く水っぽい部分を見つけたら、少し余裕を持って健康な部分まで清潔なはさみで切り取ります。切り口は乾かします。
- 殺菌して風に当てる
- 切り口に洋ラン用の殺菌剤をかけ、数日は水を止めて風通しのよい場所で乾かします。株全体が溶けていたら助かりません。
株の中心まで腐っていたら、その株は諦めて脇の新芽を残します。周りの株に移らないよう隔離します。
根腐れは水苔の古さと水の量
根腐れは、古くなった水苔が水を抱えたままになることと、冬の低温時の水の与えすぎで起きます。葉にしわが寄る、下葉が黄変するといった症状は乾燥とよく似ているため、鉢から抜いて根を見ないと判断できません。黒く柔らかい根が半分以上なら根腐れです。
根腐れかどうか迷ったら、植え込み材の臭いも確かめます。健康な水苔は土の匂いがしますが、腐った水苔は酸っぱい臭いがします。
| 根の見た目 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 黒く柔らかく皮がむける | 過湿、古い水苔 | 傷んだ根を切り新しい水苔で植え直す |
| 白く細く縮む | 乾燥 | 湿度を上げ、水やりの間隔を短くする |
| 先端が黒く止まる | 肥料の濃すぎ | 水だけで流し、肥料を薄める |
カイガラムシとハダニ
冬の室内で増えるのがカイガラムシとハダニです。カイガラムシは葉の裏や付け根に白い綿や茶色の殻として付き、ハダニは葉の表を白くかすれさせます。どちらも風がなく乾いた環境を好むため、湿度と風を保つことが予防になります。
薬を使うときは、洋ランに使えると明記されたものを選び、一週間おきに二〜三回繰り返します。一回では卵からかえった虫が残ります。
- 葉の裏と付け根を確かめる
- 週に一回、葉の裏と株元をのぞいて白い綿や殻がないか確かめます。指でなぞってざらつけばカイガラムシです。
- 歯ブラシと水で落とす
- カイガラムシは古い歯ブラシで軽くこすり落とし、水で流します。数が多ければ洋ランに使える殺虫剤を使います。
- ハダニは葉裏に水
- 葉の裏に強めの霧吹きをかけて洗い流し、湿度を上げます。繰り返しても減らなければ殺ダニ剤を葉裏にかけます。
葉の斑点と葉焼け
葉に黒や茶の斑点が広がるのは炭疽病などのかび由来の病気で、風通しが悪く葉が濡れたままの環境で出ます。斑点の葉を切り、風を通せば広がりは止まります。一方、葉が黄ばんで白や茶の焼け跡が出るのは葉焼けで、病気ではなく光が強すぎるだけです。
| 見た目 | 見分け方 | 対応 |
|---|---|---|
| 黒や茶の丸い斑点が増える | 斑点の縁がにじんで広がる | 葉を切り、殺菌剤、風を通す |
| 葉全体が黄ばみ、白い焼け跡 | 日の当たる側だけに出る | 遮光を強める、焼けた葉は残す |
| 葉先だけが茶色く枯れる | 先端から均一に枯れ込む | 乾燥か肥料過多、湿度と水で調整 |
予防のための年間の習慣
パフィオペディラムの病害虫は、環境を整えれば多くが防げます。特別な薬より、日々の習慣が予防の中心です。薬は最後の手段と考えておきます。
新しく買った株は二週間ほど他の株から離して様子を見ます。カイガラムシは買った株に付いてくることが多く、そのまま並べると全体に広がります。
- 葉の付け根に水を残さない
- 水やりと葉水のあとは必ず株の中心を見て、水がたまっていれば取り除きます。軟腐病の予防はこれだけでほぼ足ります。
- 風を止めない
- 屋外では風の通る日陰、室内ではサーキュレーターを弱で回します。空気が動いていれば病気も虫も増えにくくなります。
- 二年に一回植え替える
- 古い水苔は根腐れの温床です。二年に一回は新しい水苔に替え、同時に根の状態を確かめます。
パフィオペディラムの長く咲かせるコツは作物ページに
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