冬から早春の作業
開花の季節です。十五〜二十度の涼しい室内に置くと花が長持ちします。水は植え込み材が乾いて二〜三日後、暖かい日の午前中に室温の水で与えます。肥料は与えません。花が終わったら花茎を切り、三月から新芽の動きを見て植え替えの準備をします。
冬の夜は窓辺が冷え込みます。斑入り葉なら十五度、緑葉なら十度を下回らないよう、株のそばに温度計を置いて確かめ、下回るなら夜だけ部屋の中央へ移します。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 12月 | 開花、涼しい室内で管理 | つぼみが色づいたら動かさない |
| 1月 | 水は控えめ、肥料なし | 水苔が硬く乾いて二〜三日後に水 |
| 2月 | 花弁の縁が茶色になったら花茎を切る | 開花から一〜二か月 |
| 3月 | 植え替えと株分け | 株元に新芽が見えたら |
春の作業
新しい葉と根が動き出す時期です。植え替えを済ませ、新根が見えたら薄い肥料を始めます。最低気温が十五度を超える日が続いたら屋外の明るい日陰へ出し、風と温度差に当てて株を締めます。出した直後は葉焼けしやすいため、直射が当たらない場所を選びます。
屋外に出したあとは、雨に当てても構いません。ただし葉の付け根に雨水がたまったままにならないよう、雨のあとは株を軽く傾けて水を落とします。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 4月 | 植え替え後の管理、肥料開始 | 新根が一センチ伸びたら肥料 |
| 5月 | 屋外へ出す、水を増やす | 最低気温十五度以上が続いたら |
| 6月 | 梅雨の長雨は軒下へ | 植え込み材が乾かなければ水を控える |
夏の作業
パフィオペディラムは暑さにやや弱く、三十度を超える日が続くと生育が鈍ります。風通しのよい涼しい日陰に置き、鉢を地面から離して鉢の温度が上がるのを防ぎます。水は二〜三日に一回、暑い日は夕方に葉水を足します。肥料は薄めて月一回に減らします。
夏の水やりは朝の涼しい時間に行います。日中の熱い時間に水を与えると、鉢の中が蒸れて根が傷みます。夕方の葉水は、葉の付け根に残らないように軽くかける程度にします。
真夏に生育が止まって見えても、株が硬く締まっていれば問題ありません。九月に涼しくなれば再び動き出します。この時期に肥料を増やすのは逆効果です。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 7月 | 遮光を強め、風を確保 | 葉が黄ばんだら光が強すぎ |
| 8月 | 水切れ防止、肥料は薄く月一回 | 夕方に葉水で涼しくする |
夏に葉の付け根が黒く柔らかくなったら軟腐病です。すぐに切り取り、水を止めて風に当てます。
秋の作業
花芽を作る大切な季節です。残暑が収まったら肥料を再開し、十月いっぱいは屋外で昼夜の温度差に当てます。最低気温が緑葉なら十度、斑入り葉なら十三度に近づいたら室内へ取り込みます。取り込み後も夜は涼しい場所に置き、十一月から十二月に花芽が見えてきます。
秋の花芽は、株の中心の葉の間から丸みを帯びた芽として現れます。新しい葉の芽は平たく、花芽は丸いので、迷ったら数日待って形を確かめます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 9月 | 肥料を再開、屋外で管理 | 最高気温が三十度を下回ったら |
| 10月 | 温度差に当てる、取り込み準備 | 最低気温が十三度に近づいたら |
| 11月 | 室内へ、花芽の確認、肥料を止める | 株の中心に丸い芽が見えたら |
月をまたいで続けること
月ごとの作業とは別に、年間を通じて続ける習慣があります。植え込み材の乾きを見てから水を与える、葉の付け根に水を残さない、月に一回は葉を拭いて株元を触って確かめる、この三つを続けるだけで大きな失敗は防げます。
月に一回は株全体の写真を撮っておくと、葉の枚数や新芽の伸びを比べられて、不調の始まりに早く気づけます。記録が残ると、翌年の作業時期の判断にも役立ちます。
- 乾きを見てから水
- 水苔の表面を触って硬く乾いていることを確かめてから与えます。日数で決めず、状態で決めます。
- 葉の付け根を乾かす
- 水やりや葉水のあとは、葉の中心に水が残っていないか見て、あればティッシュで吸い取ります。
- 月に一回の点検
- 葉の表裏を拭き、株元を軽く押して硬さを確かめ、鉢の縁の白い塩の付着があれば水で流します。
作業が遅れたときの立て直し
植え替えの時期を逃した、取り込みが遅れて葉が傷んだといったときも、株は簡単には枯れません。遅れた作業をどこから取り戻すかを、株の様子を見て判断します。
- 植え替えを逃したら秋に
- 春に植え替えられなかったら、九月中旬から十月上旬にも行えます。ただし花芽が付く時期なので、その年の花は諦める覚悟で行います。
- 取り込みが遅れたら暖かい場所で待つ
- 低温で下葉が黄変したら、十五度以上の場所に移して水を控え、傷んだ葉は自然に枯れるまで残します。春に新芽が出れば回復します。
- 肥料を忘れたら薄く再開
- 生育期に肥料を忘れていたら、規定の三倍に薄めたものから月二回で再開します。遅れを取り戻そうと濃くすると根を傷めます。
パフィオペディラムの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
パフィオペディラムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパフィオペディラムの育て方にまとめています。
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