植え替えの時期を見分ける
植え替えは二年に一回、花後の三月から四月に行うのが基本です。ただし年数ではなく、植え込み材と根の状態で判断します。水苔が黒ずんで崩れている、水を与えてもすぐに流れ出る、または逆にいつまでも乾かない、鉢の縁に白い塩が付いているといった様子があれば、二年たっていなくても植え替えます。
株が鉢からはみ出すほど大きくなったときも植え替えの合図です。この場合は株分けするか、一回り大きい鉢に移します。鉢の大きさは根の量に合わせ、一気に大きくしません。
| 鉢の状態 | 見分け方 | 対応 |
|---|---|---|
| 水苔が黒ずんで崩れる | 指でつまむとぼろぼろ落ちる | すぐ植え替える |
| 水がすぐ流れ出る | 植え込み材が痩せて鉢との間に隙間 | 植え替える |
| いつまでも乾かない | 水苔が腐って詰まっている | 根を確かめて植え替える |
| 株が鉢からはみ出す | 新芽が鉢の縁に当たる | 株分けか鉢を大きくする |
花芽が付いている株や開花中の株は植え替えません。花後に新芽が動き始めたころが最適です。
用意するもの
植え込み材は水苔が最も一般的で、湿り気を保ちやすく初心者向きです。バークや洋ラン用の混合土も使えますが、乾きが早いため水やりの回数が増えます。鉢は根の量に合わせた小さめの素焼き鉢かプラスチック鉢で、大きすぎる鉢は植え込み材が乾かず根腐れします。
水苔の品質も仕上がりを左右します。繊維が長く、握ってもばらけない水苔を選ぶと、根の周りに空気の層ができて根腐れしにくくなります。
- 水苔を戻す
- 乾燥水苔を前日にぬるま湯に浸けて戻し、軽く絞って手で握ると水がにじむ程度の湿り気にしておきます。
- 鉢は一回り小さめ
- 根が入る大きさより一回り小さいくらいがちょうどよい鉢です。根が少ない株は三号や三・五号の小鉢に植えます。
- はさみを清潔に
- 根を切るはさみは火であぶるか消毒液で拭いて、株ごとに清潔にします。病気を移さないためです。
植え替えの手順
株を鉢から抜き、古い植え込み材を根を傷めないよう丁寧に落とします。黒く柔らかい根や中が空洞の根は切り、白く硬い根だけを残します。根の周りに新しい水苔を巻き、株元が鉢の縁より少し下になるように植えます。
- 古い水苔を落とす
- 鉢から株を抜き、古い水苔を指で丁寧に落とします。根に絡んだ部分は無理に取らず、水で流しながらほぐします。
- 傷んだ根を切る
- 黒く柔らかい根、皮がむけて芯だけの根を切ります。白く硬く弾力のある根は長くても残します。
- 根に水苔を巻く
- 根の間にも水苔が入るように巻き付け、鉢に入れます。株元が鉢の縁より一センチほど下になる高さに合わせます。
- ややかために詰める
- 鉢と株の間に水苔を詰め、指で押して株がぐらつかない程度にします。詰めすぎると水が通らず、緩すぎると株が倒れます。
株分けするとき
株が大きくなって五株以上に増えたら株分けできます。分けるときは一つの塊に三株以上を残すのが原則で、一株ずつに細かく分けると弱って何年も咲きません。株のつながっている部分を手で軽く引き離し、外れなければ清潔なはさみで切ります。
| 株の数 | 分け方 | 花までの目安 |
|---|---|---|
| 三株以下 | 分けずに植え替えだけ | 翌年から咲く |
| 五〜六株 | 三株ずつ二つに分ける | 翌年か翌々年 |
| 八株以上 | 三〜四株ずつに分ける | 翌年から咲く株もある |
分けた株は必ず新しい芽か根の付いた部分を含めます。古い株だけの塊は育ちません。
植え替え後の管理
植え替え直後は根が傷ついているため、一週間ほど水を与えず、葉水だけにして明るい日陰に置きます。一週間後から通常の水やりに戻し、新しい葉や根が動き出したら薄い肥料を始めます。植え替え後一か月は特に乾燥と直射に注意します。
植え替え後に新根が動くまで、一か月ほどかかることもあります。葉にしわが寄らなければ順調ですから、慌てて水を増やさずに待ちます。
- 一週間は葉水のみ
- 切り口が乾いて塞がるまで、植え込み材には水を与えません。葉に霧吹きで湿り気を与えるだけにします。
- 一週間後に通常の水やり
- 鉢底から流れるまでたっぷり与え、その後は植え込み材の乾きを見ながら通常のリズムに戻します。
- 新根が動いたら肥料
- 株元から白い新根や新葉が見えたら、規定の三倍に薄めた液体肥料を月二回から始めます。
植え替えで失敗したときの立て直し
植え替え後に葉がしおれる、株がぐらつくといった不調は、根を切りすぎたか、植え込み材の水加減が合っていないことが原因です。慌てて水を増やすと根腐れが重なるため、原因を見分けてから対処します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉にしわが寄る | 根が少なく水を吸えない | 袋をかぶせて湿度を保ち、新根を待つ |
| 株がぐらつく | 植え込みが緩い | 水苔を足して固定するか支柱で支える |
| 株元が黒くなる | 深植えか過湿 | 浅く植え直し、水を控える |
| いつまでも乾かない | 鉢が大きすぎる | 小さい鉢に植え直す |
パフィオペディラムの植え替えに使うもの
植え替えは、鉢を大きくする作業ではなく、根を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が回りにくく、鉢底で根が団子になりません。
急に大きくすると、根の届かない土が長く湿ったままになり、根腐れの原因になります。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りは次の植え替えでそのまま取り出せます。
底に石を敷くと、鉢底の穴が土でふさがりません。ネット入りなら繰り返し使えます。
- 根切りばさみ探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃が厚く、土をかんでも欠けないもの。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。普通のはさみは土で切れなくなります。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を切って土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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