水の深さは豆の半分まで
豆苗で最も多い失敗は水の入れすぎです。豆が水に沈むと息ができず、二日ほどで腐って匂いが出ます。水は根が浸かり、豆の下半分が水面から出ている深さに保ちます。
買ってきた豆苗を再生させる場合も同じです。根元のスポンジ状の部分が半分浸かる程度で、豆の粒は水面より上に出しておきます。深さを毎回同じにすると育ちがそろいます。
| 状態 | 水の深さ | 起きること |
|---|---|---|
| 豆が完全に沈む | 深すぎる | 二日ほどで腐って匂いが出る |
| 豆の下半分が浸かる | ちょうどよい | 根が伸びて茎が立ち上がる |
| 根が水に届かない | 浅すぎる | しおれて先が枯れる |
水替えは一日一回から二回
水は朝に一回、気温が高い時期は朝と晩の二回替えます。容器を傾けて古い水を流し、新しい水を静かに注ぐだけです。豆の上から水をかけると豆が動いて沈むので、容器のふちから入れます。
旅行などで一日替えられないときは、その日の朝に少し多めに入れるのではなく、冷蔵庫に入れて生育を止めます。水を増やすと豆が沈み、戻ってきたときには手遅れになっています。
- 古い水を流す
- 容器を斜めに傾け、豆が流れ出ないように手で押さえながら水を捨てます。ざるを使っている場合はそのまま持ち上げて水を切ります。
- 内側をすすぐ
- 容器の内側についたぬめりを指でこすって流します。ぬめりを残すと雑菌が増え、次の日に匂いが出やすくなります。
- 新しい水を注ぐ
- 容器のふちから静かに注ぎ、豆の下半分が浸かる深さで止めます。豆の上から直接かけると豆が動いて沈みます。
水道水をそのまま使ってかまいません。浄水やミネラルウォーターにする必要はなく、むしろ傷みやすくなることがあります。
室温は二十度前後がよく育つ
豆苗は十五度から二十五度でよく伸びます。二十度前後なら七日から十日で収穫の高さに届きます。冬に暖房のない部屋だと十四日以上かかり、夏に三十度を超える部屋だと水が傷んで途中で止まります。
夏は水替えを二回にし、直射日光の当たらない涼しい場所へ移します。冬は窓際が夜に冷えるので、夜だけ部屋の内側へ下げると育ちが安定します。
| 時期 | 置き場所 | 水替えと日数 |
|---|---|---|
| 春と秋 | レースのカーテン越しの窓辺 | 一日一回。七日から十日 |
| 夏 | 直射日光を避けた涼しい場所 | 一日二回。六日から八日 |
| 冬 | 昼は窓辺、夜は部屋の内側 | 一日一回。十二日から十四日 |
肥料はいらない
豆苗は豆に蓄えられた養分だけで収穫までたどり着きます。水に肥料を溶かすと雑菌のえさになり、ぬめりと匂いの原因になります。追肥(育ちの途中で足す肥料)は一切いりません。
再生の二回目で細くなるのは肥料不足ではなく、豆の蓄えが減ったためです。肥料を足しても太くはならないので、二回で切り上げて新しい豆に替えるほうが早く確実です。
- 水だけで育てる
- 液体肥料も活力剤も入れません。水に養分が入ると容器の内側にぬめりが出て、根が茶色く変わります。
- 回数で見切る
- 再生は二回までにします。三回目は茎が糸のように細くなり、収穫しても食べられる量になりません。
- 新しい豆に替える
- 二回穫ったら容器を洗い、新しい豆で仕込み直します。乾燥豆なら一袋で何回も仕込めるので、続けて作ると切れ目がありません。
容器を清潔に保つ
毎日水を替えていても、容器の内側には少しずつぬめりがたまります。ぬめりは雑菌の住みかで、ここから匂いと傷みが始まります。指でこすって落ちるうちに落とすのが一番簡単です。
収穫が終わって次の仕込みに移るときは、台所用洗剤で洗ってよくすすぎます。前の回の残りかすが少しでもあると、次の仕込みで三日目あたりから匂いが出ます。
- 毎日指でこする
- 水替えのときに容器の内側を指の腹でひとなでします。すべる感じがしたらぬめりが出ているので、その場で洗い流します。
- 浮いた皮を取る
- 水面に浮いた豆の薄皮は取り除きます。放っておくと沈んで水を濁らせ、根に張りついて傷みの元になります。
- 仕込みの前に洗う
- 次の仕込みに入る前は洗剤で洗い、しっかりすすいで乾かします。前回の残りかすが匂いの原因になります。
管理でつまずいたときの切り分け
育ちが止まった、匂う、倒れるといった症状は、水の深さと替える回数、置き場所の三つで説明がつきます。どれが原因かを見分けてから手を打つと、同じ失敗を繰り返さずに済みます。豆苗は十日で作り直せるので、原因がわかった時点で次の仕込みに切り替える判断も持っておいてください。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 水が白く濁る | 水替えが足りない | その場ですすぎ、一日二回に増やす |
| 根元が茶色くぬめる | 豆が水に沈んでいる | 水を減らし、傷んだ豆を取り除く |
| 茎が途中で倒れる | 背が伸びすぎて支えがない | 十五センチを超えたら早めに収穫する |
| 育ちが止まった | 室温が低い | 夜だけ部屋の内側へ移して十五度を保つ |
豆苗の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
豆苗の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は豆苗の育て方にまとめています。
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