種から作るか、根から再生させるか
豆苗はエンドウの若い芽と茎を食べる野菜で、土を使わず室内の水だけで育てられます。始め方は二つあり、乾燥えんどう豆から作る方法と、買ってきた豆苗の根の部分を残して再生させる方法です。どちらも明るい窓辺と毎日の水替えがあれば足ります。
初めてなら再生から試すのが確実です。根と豆が付いた状態で売られているので、失敗しても損が小さく、七日から十日で一度は収穫できます。量を作りたくなったら乾燥えんどう豆に切り替えると、一袋で何回も仕込めます。
| タイプ | 始め方 | 収穫までの日数 |
|---|---|---|
| 乾燥えんどう豆 | 一晩浸けてから容器に敷きつめる | 十日から十四日 |
| 買った豆苗の再生 | 根と豆を残して水に浸ける | 七日から十日 |
| 再生の二回目 | 一回目の収穫後にそのまま続ける | 十日前後。茎は細くなる |
食用の乾燥えんどう豆を選ぶ
乾燥えんどう豆は食品売り場の乾物の棚か、豆苗用として売られているものを使います。種苗店の種袋には消毒の薬剤が付いていることがあり、芽を食べる目的には向きません。袋に食品と書かれたものを選んでください。
青えんどうと赤えんどうのどちらでも育ちますが、香りがよく茎が伸びやすいのは青えんどうです。粒がそろっていて、割れやしわの少ないものなら発芽がそろいます。古い豆は芽が出にくいので、買ってから一年以内のものが安心です。
- 食品用を確かめる
- 袋の表示を見て、食品として売られている乾燥えんどう豆かを確かめます。種袋に薬剤処理の記載があるものは、芽を食べる用途には使いません。
- 粒をより分ける
- 割れた豆、しわの深い豆、色が濃く変わった豆を取り除きます。これらは芽が出ないか、途中で傷んで水を濁らせる元になります。
- 量を決める
- 容器の底に一粒ずつ並べて敷きつめられる量が目安です。重ねて入れると下の豆に空気が届かず、腐って匂いが出ます。
容器と豆の量を決める
容器は底が平らで浅いものが向きます。食品保存の容器、豆腐の空き容器、深めの皿のどれでもかまいません。深い容器は水がよどんで傷みやすいので、水深が一センチほどで済む浅い形を選びます。
豆は底一面に一段だけ敷きます。二段に重ねると下の豆が水に沈み続けて腐ります。台所で使うざるとボウルの組み合わせなら、水切りが楽で失敗が減ります。
| 容器 | 乾燥豆の量 | できあがりの目安 |
|---|---|---|
| 十二センチ角の保存容器 | 大さじ三ほど | 一回分の付け合わせ |
| 十八センチのざる | 百グラム前後 | 二人分の炒め物一回 |
| 深い丼 | 向かない | 水がよどんで傷みやすい |
一晩の浸水で目を覚まさせる
乾燥えんどう豆はそのままでは芽が動きません。豆の三倍ほどの水に六時間から十時間浸けると、しわが伸びて丸くふくらみます。ふくらんだかどうかを見て次に進むかを決めます。
浸けすぎると水中で息ができず、芽が出ないまま傷みます。夏は六時間、冬は十時間を上限の目安にしてください。浸けた水は必ず捨て、新しい水ですすいでから容器に移します。
- たっぷりの水に入れる
- 豆の高さの三倍まで水を入れます。豆は水を吸って二倍近くにふくらむので、少ない水だと途中で水面から出てしまいます。
- 室温で置く
- 台所の棚など、二十度前後の場所に置きます。暖房の吹き出し口や直射日光の当たる窓辺は水温が上がりすぎるので避けます。
- ふくらみを確かめる
- しわが消えて表面が張ったら浸水は終わりです。まだしわが残っていたら二時間ずつ足して様子を見ます。
- すすいで容器に移す
- 浸けた水を捨て、新しい水で二回すすぎます。水を切ってから容器の底に一段だけ広げ、豆の高さの半分まで水を入れます。
浸けた水が白く濁って泡立つのは、豆から出た成分が傷み始めた合図です。時間を短くして仕込み直してください。
芽が出るまでは光を弱くする
仕込んでから三日ほどは、暗めの場所に置くと根と茎がそろって伸びます。明るいところに置いても育ちますが、伸び方に差が出て背丈がばらつきます。箱をかぶせるか、戸棚に入れておけば十分です。
根が二センチほど伸びて白い茎が立ち上がってきたら、明るい窓辺に移します。ここで光に当てると葉が緑になり、香りと歯ごたえが出ます。移すのが遅れると白いまま伸びて味が薄くなります。
- 三日は覆いをする
- 仕込みから三日ほどは箱や布で覆い、光を弱くします。完全な暗闇でなくてもよく、直射日光が当たらなければ育ちはそろいます。
- 毎日水を替える
- 覆っている間も朝と晩に水を替えます。豆から出る成分で水が濁るので、よどんだ水をそのままにすると匂いが出ます。
- 窓辺へ移す
- 茎が三センチほど立ち上がったら、レースのカーテン越しの窓辺に移します。二日ほどで葉が開き、緑色になります。
仕込みでつまずいたときの原因
豆苗の仕込みで起きる失敗はほとんどが水と量の問題です。芽が出ない、匂う、白いまま伸びるの三つに絞って原因を見ていくと、次の仕込みで直せます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 三日たっても芽が出ない | 古い豆、または浸けすぎ | 新しい豆に替え、浸水を六時間に短くする |
| 酸っぱい匂いがする | 水替えの回数不足や豆の重ね敷き | 全部捨てて容器を洗い、一段敷きで仕込み直す |
| 白く細いまま伸びる | 窓辺に移すのが遅い | 根が二センチになったら明るい場所へ移す |
| 育ちがそろわない | 豆の大きさがばらついている | 浸水の前に小さい豆と割れた豆を除く |
種まきの手順
豆苗は、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
豆苗の種まきでよくある質問
豆苗の種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
豆苗の種はどうやってまく?
本文の手順を確認が目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
豆苗の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
豆苗の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
豆苗は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
豆苗の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
豆苗の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は豆苗の育て方にまとめています。
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