系統で仕立てを選ぶ
ピーマン・トウガラシはどれも、最初の花が咲く位置で枝が二つか三つに分かれます。この分かれ方を利用して仕立てるのが共通のやり方です。ただし実の大きさによって、残す枝の数を変えると扱いやすくなります。
実が大きく重い系統ほど枝が裂けやすいので、支柱を増やして支えます。小さい実を数多くつける辛味種は、放任でも大きな問題は起きません。
| 系統 | 向く仕立て | 支柱の本数 |
|---|---|---|
| ピーマン | 三本仕立て | 3本を斜めに |
| パプリカ | 四本仕立て | 4本と横棒 |
| ししとう・甘長 | 三本仕立て | 3本を斜めに |
| 辛味種 | 放任か三本仕立て | 1〜3本 |
| 鉢栽培 | 二本仕立て | 2本を交差 |
一番花の下のわき芽を取る
この仲間に共通する最初の作業が、一番花の分かれ目より下に出るわき芽(枝の付け根から出る芽)をすべて取ることです。残すと根元が混み合い、風が通らなくなって虫と病気の温床になります。
作業は一度では終わりません。六月から七月にかけて何度も出てくるので、水やりのついでに株元をのぞく習慣をつけると取り残しがなくなります。
- 分かれ目を見つける
- 最初の花が咲いた位置を探します。そこから上は枝、下は幹だと考えると迷いません。幹の側から出る芽が対象です。
- 小さいうちに摘む
- 指でつまんで取れる大きさのうちに摘みます。太くなってから切ると傷口が大きく、病気が入りやすくなります。
- 晴れた日の午前に
- 傷口が早く乾く晴れた日の午前に行います。雨の日や夕方は切り口が湿ったままになり、菌が入りやすくなります。
- 月に一度見直す
- 取り残しは必ず出ます。月に一度は株元をのぞき、伸びかけた芽をそのつど取り除いてください。
三本仕立ての作り方
一番花の上で分かれた枝から、勢いのよいものを三本残します。以後それぞれの枝がまた分かれていきますが、内向きに伸びる枝と細い枝は付け根で切り、三本の主枝を伸ばし続けるのが基本の形です。
枝が二つに分かれるたび、弱いほうを切ると考えると分かりやすくなります。こうすると株の中心に空間が残り、風と光が通って実つきが安定します。
- 主枝を3本選ぶ
- 一番花の上で分かれた枝から、太くて外向きに伸びるものを三本選びます。残りは付け根で切ります。
- 分かれ目で弱枝を切る
- 枝が二つに分かれるたび、細いほうを切ります。骨格を保つと実の位置が分かりやすくなります。
- 内向き枝を落とす
- 株の中心へ向かう枝を切ります。中に手が入る程度の空間を保つのが、病気を減らす近道です。
- 葉は残す
- 外側の大きな葉は残します。実に日陰を作る役目があり、取りすぎると日焼けした実が増えます。
支柱と誘引
株が三十センチを超えたら仮支柱から本支柱に替えます。この仲間の根は浅く広がるので、株元から十センチ以上離した位置に、深さ三十センチまで挿してください。
麻ひもで八の字にゆるく結び、枝が太っても食い込まないようにします。実がつき始めたら結び直して、垂れ下がった枝を持ち上げると裂けにくくなります。
- 離して深く挿す
- 株元から十センチ以上離し、深さ三十センチまで挿します。浅いと台風で株ごと倒れます。
- 八の字で結ぶ
- 支柱と枝の間でひもを八の字にひねって結びます。きつく締めると枝が太ったときに食い込んで折れます。
- 実がついたら結び直す
- 実の重みで枝が垂れたら、結び位置を上げて持ち上げます。裂ける前に支えるのが肝心です。
夏の枝の整理
七月から八月にかけて枝が混み合い、株の内側に日が入らなくなります。実のつかない細い枝と、収穫の終わった枝の先を切って風の通り道を作ってください。切ったあとに追肥を入れると新しい枝が伸びます。
ただし切りすぎは禁物です。一度に取るのは全体の二割までにとどめ、外側の葉は必ず残してください。葉を減らしすぎると実が日に焼け、白く硬くなります。
- 細枝を切る
- 花も実もつけずに伸びている細い枝を付け根で切ります。養分を使うだけで収穫につながりません。
- 枝先を切り戻す
- 実を穫った枝の先を、次の分かれ目まで切り戻します。新しい枝が出て秋の実がつきやすくなります。
- 2割までにする
- 一度に切るのは全体の二割までです。葉を減らしすぎると日焼けした実が増え、かえって収量が落ちます。
- 切ったら肥料を足す
- 枝を整理したあとに肥料を足します。新しい枝が伸びる力になり、秋の収穫が続きます。
枝が裂けたときの手当て
この仲間の枝は柔らかく、実の重みや台風で簡単に裂けます。完全に折れていなければ、添え木で固定すると回復することがあります。まず裂け方を見て、直せるかどうかを判断してください。
| 状態 | 見分け方 | 手当て |
|---|---|---|
| 皮がつながっている | 折れ口が離れていない | 実を取り、添え木で固定して二週間待つ |
| 完全に折れた | 枝が垂れて離れている | 付け根で切り直し、切り口を乾かす |
| 付け根から裂けた | 幹まで割れが入っている | 実を全部取り、ひもで幹を締めて支える |
| 台風で倒れた | 株ごと傾いている | 株元に土を寄せて起こし、支柱を足す |
裂けたまま放置すると、そこから腐りが幹に回って株全体を失います。直せないと判断したら早めに切り落とすほうが安全です。
ピーマン・トウガラシのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
ピーマン・トウガラシの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はピーマン・トウガラシの育て方にまとめています。
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