系統で水の加減を変える
ピーマン・トウガラシは共通して水を与えすぎると葉ばかり茂り、花が落ちます。ただし甘味種と辛味種では望ましい加減が違います。甘味種は切らさず、辛味種はやや乾かし気味に育てるのが基本です。
パプリカだけは例外で、水切れが実の先の黒いへこみに直結します。この仲間の中でいちばん水を安定させる必要がある系統だと覚えておいてください。
| 系統 | 水の加減 | 切らしたときに起きること |
|---|---|---|
| ピーマン | 土が乾いたら与える | 実が小さく硬くなる |
| パプリカ | 切らさない | 実の先が黒くへこむ |
| ししとう・甘長 | 切らさない | 辛い実が混じる |
| 辛味種 | やや控えめ | 辛味は強くなる。極端だと枯れる |
追肥は一番果がふくらんだころから
追肥(育ちの途中で足す肥料)を始めるタイミングは、どの系統も共通です。最初の実が親指から卵ほどにふくらんだころに始めます。それより早いと枝葉が伸びるだけで花が止まります。
以後は二週間から三週間に一回、収穫が続くあいだずっと続けます。この仲間は実をつけながら伸び続けるので、肥料が切れると急に花が落ち、実が小さくなります。
- 一番果を確かめる
- 最初の実が親指から卵ほどになったら追肥の合図です。実が小指ほどのうちはまだ早すぎます。
- 株元から離してまく
- 化成肥料をひとつまみから大さじ一杯ほど、枝先の真下あたりにまきます。株元に置くと根が傷みます。
- 土と混ぜて水をやる
- 軽く土と混ぜてから水を与えます。表面に置いたままだと溶けず、雨で流れてしまうこともあります。
- 収穫の終わりまで続ける
- 二週間から三週間おきに、霜が降りるまで続けます。途中で止めると花が落ちて収穫が終わります。
葉の見た目で肥料の過不足を読む
この仲間は肥料の状態が葉にはっきり出ます。株の先端近くの若い葉を見るのがいちばん分かりやすい方法です。暦ではなく葉の姿を見て、そのつど加減を決めてください。
| 見た目 | 考えられること | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が大きく濃い緑で花が落ちる | 肥料が多い | 一回とばし、水も控えて枝を落ち着かせる |
| 下葉から黄色くなる | 肥料切れ | すぐ肥料を足して水を与える |
| 葉が小さく色が薄い | 根が弱っている | 水を控えて根を休ませ、薄い液肥にする |
| 葉が内側に巻く | 乾きか高温 | 敷き藁をして夕方にたっぷり与える |
鉢で作るときの共通の注意
鉢では水やりのたびに肥料が流れ出るため、露地と同じ間隔で追肥していると真夏に必ず息切れします。葉の色が薄くなってきたら足す合図だと考えてください。液体肥料を薄めて週に一回、水やり代わりに与えると切らさずに済みます。
容量は系統によりますが、いちばん小さいししとうでも十リットル、パプリカなら二十リットル以上が必要です。小さい鉢では真夏に土が熱くなり、根がゆだって回復しません。
- 容量を確保する
- 深さ三十センチ以上を選びます。横長のプランターなら一つに二株までにとどめてください。
- 液肥を週に一回
- 規定倍率に薄めた液体肥料を週に一回与えます。固形肥料は月に一回置き足すと安定します。
- 鉢を浮かせる
- 煉瓦などで鉢底を地面から浮かせ、熱がこもらないようにします。根の温度が下がると水の吸い方が戻ります。
真夏の高温をしのぐ
この仲間は三十五度を超える日が続くと、どの系統も花が落ちます。花粉が働かなくなるためで、肥料を増やしても実はつきません。八月は株を守ることに徹し、九月の再開に備えるのが正解です。
気温が下がる九月には再び花がつき、十月から霜まで穫り続けられます。夏の落花で見切って抜いてしまうのが、この仲間で最ももったいない失敗です。八月は待つ月だと決めておくと迷いません。
- 日よけをする
- 三十五度を超える日が続くなら寒冷紗をかけます。落花と実の日焼けの両方を抑えられます。
- 敷き藁を厚くする
- 株元に藁や刈り草を五センチほど厚く敷きます。地温の上がりすぎと土の乾きを同時に抑えられ、根が守られます。
- 実を穫って軽くする
- 抱えている実を早めに穫ります。株の負担が減って体力が戻り、九月の花つきが目に見えてよくなります。
花が落ちて実がつかないときの原因
この仲間は自分の花粉で実をつけるので、虫が来ないことが原因になることはまずありません。花が落ちるなら、肥料か気温か水のどれかです。順に確かめれば、たいてい原因は特定できます。
| 原因 | 起きている場面 | 手当て |
|---|---|---|
| 肥料が多すぎる | 葉が濃く大きく茂っている | 追肥を止め、水も控えて落ち着かせる |
| 真夏の高温 | 35度を超える日が続く | 寒冷紗で日をやわらげ、夕方に水を与える |
| 乾きすぎ | 花が咲いた翌日に落ちる | 敷き藁をして水の間隔を詰める |
| 実をつけすぎ | 色づき待ちの実が多い | 早めに穫って株を軽くする |
| 日照不足 | 梅雨で日が出ない | 混んだ枝を整理して光を入れる |
夏に止まっても株さえ保っておけば九月に必ず戻ります。この仲間の収穫の後半は、むしろ秋のほうが長く続きます。
ピーマン・トウガラシの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ピーマン・トウガラシの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はピーマン・トウガラシの育て方にまとめています。
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