摘心と切り戻しの違い
摘心(茎の先端を摘んで枝分かれさせること)は植え付け直後の若い株に行い、枝の数を増やして株をこんもりさせます。切り戻しは伸びきった株の茎を大きく切って若返らせる作業で、梅雨前と夏の終わりの年二回が基本です。どちらも切ることに変わりはありませんが、時期と切る量が違います。
切る時期に迷ったら、株の姿を見て判断します。茎が長く伸びて下葉が枯れ、花が先端にしか付いていなければ、いつでも切り戻しの頃合いです。
| 場面 | 作業 | 切る量 |
|---|---|---|
| 植え付け直後、一本立ちの苗 | 摘心 | 先端の芽だけ、指で摘む |
| 五月、枝が伸びてきた | 軽い摘心 | 各枝の先端を一〜二節 |
| 梅雨入り前、株が茂った | 切り戻し | 株の高さの三分の一から半分 |
| 八月下旬〜九月上旬、間延びした | 強い切り戻し | 株元から十センチほど残す |
植え付け時の摘心
苗が一本の茎で立っているなら、植え付けと同時に先端を指で摘みます。摘んだ下の節から二〜三本の枝が出て、株の形が横に広がります。摘まずに育てると一本の茎が長く伸び、先端にしか花が付かない株になります。既に株元から枝が数本出ている苗は摘む必要がありません。
- 先端の芽を指で摘む
- 茎の一番先の柔らかい芽を、葉を二〜三枚残して指でつまんで取ります。はさみでも構いませんが、指で摘めるほど柔らかい部分が対象です。
- つぼみが付いていても摘む
- 先端につぼみが付いていても摘みます。一つの花を惜しむより、枝を増やしたほうが結局は花が多くなります。
- 二週間後に二回目
- 摘んだ節から伸びた枝が五〜六節になったら、それぞれの先端をまた摘みます。二回摘むと株がこんもりします。
- 摘んだら液体肥料
- 摘心のあとは新しい枝を伸ばす力が要ります。薄い液体肥料を与えて枝の伸びを助けます。
梅雨前の切り戻し
五月にたくさん咲いた株は六月に入ると茎が伸びて下葉が枯れ、株元が蒸れてきます。梅雨入り前に株の高さの三分の一から半分を切り戻すと、梅雨の蒸れを防ぎ、梅雨明けに新しい枝でまた咲きそろいます。花が咲いている枝を切るのは惜しいですが、切らないと梅雨で株が傷みます。
- 咲いていても切る
- 六月上旬、梅雨入りの予報が出たら花が咲いていても切ります。切った枝は切り花にして楽しめます。
- 葉を残して切る
- 各枝に葉が数枚残る位置で切ります。葉を全部落とすと芽が出るまで時間がかかり、最悪の場合は枯れます。
- 株の外側の芽の上で
- 外側に向いた葉の付け根のすぐ上で切ると、枝が外へ広がって株がまとまります。切る前に葉の向きを見て位置を決めます。
- 切ったら追肥
- 切り戻し後に液体肥料を与えます。二〜三週間で新しい枝が伸び、梅雨明けに花が戻ります。
梅雨入りしてから切ると、切り口が雨で腐ることがあります。晴れ間が続く日を選びます。
夏の終わりの強い切り戻し
八月の暑さで株が間延びし、花が小さくなったら、八月下旬から九月上旬に株元から十センチほど残して強く切り戻します。涼しくなる九月下旬から十月に、春に負けない花が咲きそろいます。九月中旬を過ぎて切ると、花が戻る前に寒くなるので遅れないようにします。
| 時期 | 切る量 | 花が戻るまで |
|---|---|---|
| 8月下旬 | 株元から十センチ残す | 三〜四週間、十月上旬に満開 |
| 9月上旬 | 株元から十センチ残す | 三〜四週間、十月中旬に満開 |
| 9月中旬 | 三分の一までにする | 浅く切って早く戻す |
| 9月下旬以降 | 切らない | 花がらだけ取って秋を楽しむ |
切った枝で挿し芽
切り戻しで出た枝は挿し芽にできます。五月から六月と九月が適期で、先端から七〜八センチの柔らかい枝を使います。挿し芽用の土に挿して明るい日陰に置けば二週間ほどで根が出ます。気に入った品種を翌年に残したいときや、梅雨で傷んだ株を作り直すときに役立ちます。
- 先端の柔らかい枝を切る
- 花やつぼみの付いていない、先端から七〜八センチの枝を切ります。つぼみが付いていたら取り除きます。
- 下の葉を取って挿す
- 土に入る部分の葉を取り、湿らせた挿し芽用の土に二〜三センチ挿します。上の葉は二〜三枚残します。
- 明るい日陰で乾かさない
- 直射日光を避けた明るい場所に置き、土を乾かさないように霧吹きで湿らせます。二週間ほどで根が出ます。
- 根が出たら鉢に植える
- 新しい葉が動き出したら根が出た合図です。小さな鉢に植えて日向に慣らし、一か月後に定植します。
切ったあと芽が出ないときの原因
切り戻しから三週間たっても新芽が出ないときは、切る時期、切る量、株の状態に原因があります。茎を軽く曲げてみて、しなやかで緑なら生きているので待ちます。茶色く乾いて折れるなら枯れているので、その下の生きた部分で切り直します。
| 場面 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉を全部落として切った | 光合成できず芽が出ない | 水を控え、生きていれば一か月待つ |
| 真夏の猛暑日に切った | 暑さで株が動かない | 半日陰に移し涼しくなるのを待つ |
| 切り口が黒く腐った | 雨の日に切ったか過湿 | 腐った部分の下で切り直す |
| 株元が腐って倒れた | 梅雨の蒸れ | 健康な枝を挿し芽にして作り直す |
ペチュニアの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
ペチュニアの長く咲かせるコツは作物ページに
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