節がなければ芽も根も出ない
つる性のフィロデンドロンで一番大事なのは、切った枝に節が含まれているかどうかです。節とは葉柄の付け根がある少し膨らんだ部分で、ここから根と新しい芽が出ます。節のない茎だけを挿しても、根は出ずに腐ります。
時期はどの方法も気温が二十度を超えて安定する五月から七月です。八月でも可能ですが、秋までに根が張る時間が短くなります。十月以降と冬は根が出ないまま腐るので行いません。作業中は汁が付かないよう手袋をします。
| 状態 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| つるが伸びて下葉が落ちた | 切り戻しを兼ねた挿し木 | 五月〜七月 |
| 初めてで確実に増やしたい | 水挿し | 五月〜七月 |
| 太いつるで大きな株を作りたい | とり木 | 五月〜七月 |
| 直立性の株の脇に子株が出た | 株分け | 五月〜七月、植え替えと同時に |
斑入りの品種は、斑の入った葉が付いた部分を切ると同じ模様の株になります。緑一色の部分だけを挿すと緑の株になります。
挿し木の手順
伸びたつるを、節を一〜二個と葉を二〜三枚含む十センチほどの長さに切ります。切り口から出る汁を拭き取り、半日ほど日陰で乾かしてから、赤玉土の小粒や挿し木用の土に挿します。下のほうの葉は取り除いておきます。
挿したら明るい日陰に置き、土を乾かさない程度に湿らせて保ちます。二〜四週間で根が出て、新しい葉が動き始めたら根付いた合図です。そこで観葉植物用の土に植え替え、通常の管理に戻します。
- 節を含めて切る
- 節を一〜二個、葉を二〜三枚含む十センチほどに切ります。節のない部分だけでは根も芽も出ないので必ず確かめます。
- 切り口を乾かす
- 汁を布で拭き取り、半日ほど日陰に置いて切り口を乾かします。濡れたまま挿すと切り口から腐ります。
- 節が土に入るように挿す
- 赤玉土の小粒や挿し木用の土に、節が土に埋まる深さで三〜四センチ挿します。明るい日陰に置き土を乾かしません。
- 新しい葉が出たら植え替え
- 二〜四週間して新しい葉が動いたら根付いています。観葉植物用の土に植え替えて通常の管理に移します。
水挿しの手順
挿し木と同じ切り方をした枝を、水を入れた容器に挿す方法です。根が出る様子が見えるので判断しやすく、初めてでも失敗が少ない方法です。オキシカルジウムやヒメカズラは特に発根が早く、二週間ほどで白い根が見えます。
水は二〜三日に一回替え、明るい日陰に置きます。根が三〜五センチに伸びたら土に植え替えます。長く水に置くと水に合った根になり、土へ移したときに傷むので、伸びすぎる前に植えるのが成功のこつです。
- 節が水に浸かるように挿す
- 節を水に入れ、葉は水から出るようにします。葉が水に浸かると腐って水が濁り、切り口まで傷みます。
- 水を二〜三日で替える
- 容器の水を二〜三日に一回替えます。濁ってぬめりが出たら、切り口も洗ってから新しい水に戻します。
- 根が三〜五センチで植える
- 白い根が三〜五センチ伸びたら観葉植物用の土に植えます。伸ばしすぎると土に移したとき根が傷みます。
- 植えた後は乾かさない
- 植えてから二週間は土を乾かさず、明るい日陰で葉水をします。新しい葉が動いたら通常の管理へ戻します。
とり木で大きな株を作る
太いつるを切らずに、親株に付けたまま発根させる方法です。切り離す前に根ができているので、大きな枝でも枯らさずに独立させられます。ミカンスやバーキンのように一本が太い種類に向きます。
気根が出ている節を選び、湿らせた水苔で包んでビニールで巻き、上下を紐で留めます。水苔が乾かないよう時々霧を吹き、一〜二か月して水苔の中に白い根が回ったら、節の下で切り離して鉢に植えます。
- 気根の出た節を選ぶ
- つるの途中で気根が出ている節を選びます。気根があるところは根になりやすく、成功しやすい位置です。
- 水苔で包んで巻く
- 湿らせた水苔を節のまわりに握るように付け、ビニールで包んで上下を紐で留めます。きつく締めすぎません。
- 乾かさずに待つ
- 水苔が乾いたら霧を吹いて湿らせます。一〜二か月でビニール越しに白い根が見えてきます。
- 節の下で切って植える
- 根が水苔に回ったら節の下で切り離し、ビニールだけ外して水苔ごと鉢に植えます。二週間は明るい日陰に置きます。
直立性の株と親株のその後
セロームやクッカバラのような直立性の株は、つるのように節で切って増やす方法が使えません。株元から出た子株を、根を付けて外して植えるのが基本で、子株がないうちは無理に増やそうとしないほうが安全です。
つる性の親株は、切り戻したあと残した節から新しい芽が出て、三〜六週間で動き始めます。切ったあとしばらくは水を控えめにし、明るい日陰で待ちます。この間に肥料を与えると、根が働いていないので傷みます。
| 種類 | 増やし方 | 注意 |
|---|---|---|
| セローム、クッカバラ | 株元の子株を根付きで外す | 子株がなければ無理に分けない |
| シルバーメタル | 幹が伸びたら上部を切って挿す | 節を残して切り、切り口を乾かす |
| つる性の親株 | 切り戻し後は残した節から芽が出る | 芽が動くまで肥料を与えない |
根が出ないときの原因と直し方
挿し木で根が出ずに腐るのは、節が入っていない、切り口を乾かさなかった、土が湿りすぎている、時期が寒い、のどれかです。挿し穂の下が黒く柔らかくなったら、その部分を切り上げて乾かせば挿し直せます。
水挿しで水が濁って切り口がぬめるのは、水替えが足りないか葉が水に浸かっているためです。水を毎日替え、葉を水面から出します。株分けや切り戻しの後にしおれるのは根が減ったためで、二週間ほど葉水をしながら待ちます。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 挿し穂の下が黒く柔らかい | 腐り | 黒い部分を切り上げ、乾かして挿し直す |
| 一か月たっても根が出ない | 節が入っていないか気温が低い | 節を含めて切り直し二十度以上の場所へ |
| 水挿しの水が濁る | 水替え不足か葉が浸かっている | 毎日替えて葉を水面から出す |
| 切り戻した親株から芽が出ない | 節を残さず切った | 節の上で切り直し春まで待つ |
フィロデンドロンの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
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