一年の流れ
五月から九月が生育期で、新しい葉が次々に開きます。植え替え、切り戻し、挿し木、誘引、肥料はすべてこの時期に集めます。十月に気温が下がると成長が止まり、十一月から三月は水を控えて休ませるのが一年の骨格です。
室内で育てるので、月そのものより室温で判断します。夜の室温が十五度を超えたら生育期の管理へ、十五度を下回ったら冬の管理へ切り替えます。新しい葉が動いたら肥料を始め、動かなくなったら止める、と株の姿で決めます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月〜4月 | 明るい場所へ戻し、水の間隔を詰め始める | まだ肥料は与えない |
| 5月〜7月 | 植え替え、切り戻し、挿し木、ヘゴ棒の組み替え | 夜の室温が十五度を超えてから |
| 5月〜9月 | 液体肥料を月二回か置き肥を五月と七月 | 新しい葉が開いている間だけ |
| 6月〜9月 | 水は三〜五日に一回、葉水と風通し | 西日と締め切った部屋の蒸れを避ける |
| 10月 | 肥料を止め、水の間隔を空け始める | 屋外の株を室内へ戻す |
| 11月〜2月 | 窓から離して十度以上を保ち、水は十日〜二週間に一回 | 乾いてから三〜五日待つ |
春の作業
三月に日差しが強まってきたら、冬に窓から離していた株を明るい場所へ戻します。急に強い光に当てると葉が焼けるので、レースのカーテン越しから始めて一〜二週間かけて慣らします。水の間隔も少しずつ詰めます。
五月に夜の室温が十五度を超えて安定したら、この年の作業の山です。根詰まりの株を植え替え、伸びすぎたつるを切り戻し、切った先を挿し木にします。ヘゴ棒の組み替えもこの時期にまとめて済ませます。
- 三月に明るい場所へ戻す
- 冬に離していた株をレースのカーテン越しの窓辺へ戻します。新しい葉に焼け跡が出るようなら少し離します。
- 五月に植え替えと切り戻し
- 鉢底から根が出ている株を植え替え、棒の先を越えたつるを節の上で切り戻します。切った先は挿し木に使います。
- 新しい葉が動いたら肥料
- 植え替えから一か月たち新しい葉が動いたら、観葉植物用の液体肥料を月二回始めます。それより早いと根が焼けます。
夏の作業
夏は最もよく育つ時期で、水やりと風通しが中心になります。表面が乾いたら三〜五日に一回たっぷり与え、日中に葉水をします。窓辺の光が強くなるので一歩下げ、締め切った部屋では扇風機などで空気を動かします。
つるが伸びる時期なので、二十〜三十センチ伸びるごとに棒へ留め足します。挿し木と株分けは七月までに済ませると、秋までに根が張ります。ハダニとカイガラムシが増える時期でもあるので、葉水のついでに葉裏を見ます。
| 時期 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 6月 | 水の間隔を空け、風を通す | 梅雨は土が乾きにくい |
| 7月 | 挿し木と株分けの最終時期 | 八月以降は根の張りが間に合わない |
| 8月 | 窓から離し葉水を増やす | 西日と蒸れで葉が傷みやすい |
| 9月 | 肥料の最後の回、伸びたつるを留め足す | 屋外の株は戻す準備を始める |
秋の作業
十月に夜の室温が十五度を下回り始めたら、肥料を止めて水の間隔を空けていきます。屋外に出していた株は、最低気温が十五度を切る前に室内へ入れます。戻すときに葉裏と気根の付け根を見て、虫がいれば拭き取ります。
十一月に入ったら冬の置き場所へ移します。この時期に古い下葉が一〜二枚黄色くなるのは自然な更新ですが、次々に落ちるなら冷えすぎです。冬支度は早いほど、春の立ち上がりがよくなります。
- 十月に肥料を止める
- 夜の室温が十五度を下回ったら肥料を止めます。置き肥が残っていれば取り除き、冬に効きすぎないようにします。
- 屋外の株を室内へ
- 最低気温が十五度を切る前に入れます。鉢底から出た根を切り、葉裏の虫を拭き取ってから運び込みます。
- 冬の置き場所へ移す
- 十一月に窓から離した暖かい場所へ移し、鉢を台の上に載せます。床への直置きは根が冷えます。
冬の作業
冬は成長が止まるので、水を控えて休ませます。表面が乾いてさらに三〜五日待ち、暖かい日の午前中に室温の水を与えます。十日〜二週間に一回が目安ですが、暖房の効いた部屋は乾きが早いので土を触って決めます。
夜の室温が十度を下回る部屋では、鉢に段ボールをかぶせるか発泡スチロールの箱に入れて保温します。暖房の風が直接当たる場所は葉先が枯れるので避け、日中に葉水をして湿度を保ちます。切り戻しや植え替えはしません。
| 場面 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 夜の室温が十度〜十五度 | 窓から離し水を控える | 葉が少し垂れる程度なら傷まない |
| 夜の室温が十度を下回る | 段ボールや箱で夜だけ保温 | 日中は外して光に当てる |
| 暖房で空気が乾く | 日中に葉水をする | 夜に葉を濡れたままにしない |
| 葉が黄色くなった | 春まで切らずに待つ | 焦って水や肥料を増やさない |
作業が遅れたときの立て直し
植え替えが七月を過ぎたら、九月上旬までに行うか、根詰まりがひどくなければ翌年の五月まで待ちます。どうしても秋に必要なときは、根を崩さずひと回り大きい鉢へ移すだけにとどめ、根の整理は春に回します。
冬に葉が落ちてしまっても、茎が硬く緑なら春に節から芽が出ます。暖かい場所で乾かし気味に保ち、五月に切り戻して仕立て直せば、一年で姿は戻ります。冬の間に慌てて手を入れるほど、株は弱ります。
| 場面 | 遅れたときの対応 | 次の機会 |
|---|---|---|
| 植え替えが七月を過ぎた | 九月上旬までに行うか春まで待つ | 翌年の五月〜七月 |
| 十月以降に根詰まりに気付いた | 根を崩さず鉢だけ大きくする | 翌年の五月に本格的に行う |
| 切り戻しの時期を逃した | 冬は切らずに支柱で支える | 翌年の五月〜七月 |
| 冬に葉が落ちた | 暖かい場所で水を控えて待つ | 五月に切り戻して仕立て直す |
フィロデンドロンの栽培に一年を通して使うもの
鉢ものは、季節ごとに買い足すものがほとんどありません。年に一度の植え替えと、日々の水やりの判断を支えるものだけです。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 観葉植物用の培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 水はけ重視の配合。多肉植物・サボテンならさらに粒の粗い専用土。5〜14L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L。
室内では土が乾きにくく、水もちのよい土だと根が傷みます。用途の書かれた土を選ぶだけで失敗が減ります。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。乾き・適・湿の 3 段階が読めれば十分です。
鉢ものを枯らす原因の筆頭は水のやりすぎです。表面が乾いていても中は湿っていることが多く、測るのがいちばん確実です。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 観葉植物 置き肥」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。土の上に置くだけのもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を、生育期(春から秋)に 2〜3 か月ごと。
冬は生育が止まるので与えません。休眠中に肥料を置くと、吸われずに土に残って根を傷めます。
- サーキュレーター探す言葉「サーキュレーター 静音 小型」
- 規格の目安
- 小型で首振りのあるもの。植物に直接強い風を当てない置き方ができるもの。
室内は風がありません。空気が動かないと土が乾かず、ハダニやカイガラムシも増えます。弱い風を回すだけで変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 冬の間は、肥料も植え替えも要りません。水やりの回数を減らすだけです。
フィロデンドロンの上手に育てるコツは作物ページに
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