植え替えの時期と合図
適期は気温が二十度を超えて安定する五月から七月です。この時期なら根を触っても回復が早く、夏のあいだに新しい根が張ります。九月上旬までは可能ですが、十月以降と冬は根が動かず、傷んだまま冬を越すので避けます。
二年に一度が目安ですが、鉢底の穴から根が出ている、水を与えてもすぐ乾く、水が土にしみ込まず表面を流れる、株がぐらつく、のどれかに当てはまれば時期を待って植え替えます。直立性の株は幹が太る分、根も早く回ります。
| 状態 | 植え替えるか | 時期 |
|---|---|---|
| 鉢底から根が出ている | する | 五月〜七月 |
| 水がしみ込まず表面を流れる | する | 五月〜七月 |
| 二年たったが元気に育っている | ひと回り大きい鉢にする | 五月〜七月 |
| 十月以降に根詰まりに気付いた | しない、春まで待つ | 翌年の五月 |
買ったばかりの株は水を含みやすい土に植わっていることがあります。すぐ替えず一か月ほど乾き方を見て、遅いようなら五月以降に替えます。
土と鉢を選ぶ
土は市販の観葉植物用の土に、赤玉土の小粒か軽石を二割ほど混ぜて水はけを足します。ヤシがらチップを混ぜると、森の木に着いて育つ性質に近い、粗くて空気の通る土になり、根腐れがはっきり減ります。
鉢は今より直径で三センチほど大きいものにします。大きすぎる鉢は土の量が増えて乾かず、根が回る前に腐ります。直立性のセロームやクッカバラは上が重いので、樹脂鉢より重い陶器鉢のほうが倒れにくく安定します。
- 土を配合する
- 観葉植物用の土を七、赤玉土の小粒か軽石を二、ヤシがらチップを一の割合で混ぜます。粗い土ほど乾きが早く安全です。
- 鉢はひと回りだけ
- 直径で三センチ大きい鉢を用意し、鉢底石を二〜三センチ敷きます。何段も大きくすると土が乾かず根が傷みます。
- はさみと手袋を用意
- 根を切るはさみは消毒します。サトイモ科の汁は肌を刺激するので、必ず手袋をして作業します。
根の整理と植え込み
鉢から抜いたら、根鉢の肩と底を軽くほぐして古い土を三分の一ほど落とします。黒く柔らかい根や、細かく絡んで固まった根を切り、白く硬い根はできるだけ残します。切るのは全体の三分の一までにとどめます。
新しい鉢に鉢底石と土を入れ、株元が前と同じ深さになる位置に置いて、根の間に土を入れます。深植えすると茎の付け根が腐ります。鉢の縁から二センチほど下まで土を入れ、水を受ける空間を残しておきます。
- 古い土を三分の一落とす
- 根鉢の肩と底を指でほぐし、古い土を三分の一ほど落とします。全部落とすと根が傷み、回復に時間がかかります。
- 傷んだ根だけ切る
- 黒く柔らかい根と固まった根を切り、白い根は残します。健全な根を切りすぎると水を吸えず、葉が長く垂れたままになります。
- 同じ深さで植える
- 株元の高さを前と合わせ、割り箸で突いて根の間に土を入れます。土の中に大きな空洞が残ると根が乾いて枯れます。
- たっぷり水を与える
- 鉢底から流れるまで与えて土を落ち着かせます。その後は明るい日陰に置き、表面が乾くまで次の水を控えます。
ヘゴ棒付きの株の植え替え
ヘゴ棒に登らせた株は、棒ごと鉢から抜いて新しい鉢に移すのが基本です。つるを棒から外すと気根が切れ、葉が一回り小さくなることがあります。棒の下端が腐っていた場合だけ、新しい棒に組み替えます。
つるが棒の先まで届いているなら、植え替えと同時に長い棒へ替えるか、上部を切り戻して挿し木にします。棒を継ぎ足すときは、古い棒と新しい棒を紐でしっかり固定し、鉢の土にも十分に差し込んで倒れないようにします。
| 場面 | 作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 棒がしっかりしている | 棒ごと抜いて新しい鉢へ | 気根を棒から外さない |
| 棒の下端が腐っている | 新しい棒に組み替える | つるを傷めないよう紐を一本ずつ替える |
| つるが棒の先を越えた | 長い棒に替えるか上部を切り戻す | 切った先は挿し木に使える |
| 株が重くて倒れる | 重い陶器鉢に替える | 棒を土の底まで差し込む |
植え替え後のトラブルと直し方
植え替えた直後に葉が垂れるのは、根が減って水を吸いきれないためで、一〜二週間は自然な反応です。明るい日陰に置き、葉水をしながら待ちます。この時期に肥料を足すと根が焼けるので、一か月は与えません。
葉が黄色く落ちる、茎の付け根が柔らかいときは、水を早く与えすぎたか深植えで腐りが入っています。抜いて腐った部分を切り、乾いた土に植え直します。失敗を減らす鍵は、適期に行い、根を切りすぎず、鉢を大きくしすぎないことです。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉が垂れるが色は変わらない | 根が減って吸えない、正常な反応 | 明るい日陰で葉水をして二週間待つ |
| 葉が黄色くなって落ちる | 水のやりすぎか低温 | 乾かし気味にして暖かい場所へ |
| 茎の付け根が柔らかい | 深植えか腐り | 抜いて腐った部分を切り乾いた土へ |
| 土がいつまでも乾かない | 鉢が大きすぎるか土が細かい | 小さい鉢に粗い土で植え直す |
フィロデンドロンの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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