土が乾いてから与える
森の木に着いて育つ仲間なので、根が常に湿っている状態を嫌います。鉢土の表面が乾いて白っぽくなってから、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えるのが基本です。日数で決めず、そのつど土を触って確かめてから決めます。
乾いたかどうかは、指を土に二センチほど差し込んで湿り気を見るか、鉢を持ち上げて重さを比べます。葉に張りがなくなって少し垂れるのも乾きの合図で、この段階で与えれば半日ほどで戻り、株が傷むことはありません。
| 状態 | 見分け方 | 対応 |
|---|---|---|
| 乾いている | 表面が白く、指を入れても湿り気がない | 鉢底から流れるまで与える |
| まだ湿っている | 表面が黒っぽく、指に土が付く | 与えずに一〜二日待つ |
| 乾きすぎ | 葉が垂れて葉柄が柔らかい | すぐ与え、葉水で湿度も足す |
与え方と受け皿の水
水は株元の土に静かに注ぎ、鉢底から流れ出るまで与えます。少量を毎日足す与え方だと、鉢の下半分がずっと乾いたままになり、根が上のほうにしか張りません。乾かすときはしっかり乾かし、与えるときは全体を濡らします。
受け皿にたまった水は必ず捨てます。装飾用の鉢カバーに入れたままの株は、中に水がたまっていることに気付きにくく、根腐れの一番の入口になります。水やりのたびに鉢を持ち上げて中を確かめる習慣を付けます。
- 株元に注ぐ
- 葉の上からではなく株元の土に注ぎます。つる性の株は葉の付け根に水がたまると腐ることがあるので、上からかけません。
- 鉢カバーの中を見る
- 鉢カバーや受け皿にたまった水は毎回捨てます。鉢底が水に浸かったままだと、数週間で根が黒く柔らかくなります。
- 葉水は日中に
- 霧吹きで葉の表と裏を湿らせるとハダニが減ります。夜に葉が濡れたままだと斑点が出るので、日中に行います。
- 冬は常温の水で
- 冬に冷たい水道水を与えると根が冷えて動きません。室温に置いた水を、暖かい日の午前中に与えます。
季節で変わる間隔
春から秋は表面が乾いたらすぐ与え、冬は表面が乾いてからさらに三〜五日待って与えます。冬に春と同じ回数を続けると、根が吸わないまま土が湿り続け、根腐れと茎の付け根の腐りを一気に招きます。
回数の目安は、春と秋が五〜七日に一回、夏が三〜五日に一回、冬が十日〜二週間に一回です。ただし鉢の大きさ、素焼きか樹脂か、部屋の温度で大きく変わるので、この数字は土を確かめる間隔と考えます。
| 時期 | 間隔の目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 五〜七日に一回 | 新芽が動き出すと乾きが早くなる |
| 6月〜9月 | 三〜五日に一回 | 梅雨は乾きが遅いので間隔を空ける |
| 10月〜11月 | 五〜七日に一回 | 気温が下がったら間隔を延ばす |
| 12月〜2月 | 十日〜二週間に一回 | 乾いてから三〜五日待つ |
肥料は生育期だけ薄く
フィロデンドロンは肥料が少なくても育ちます。与えるなら五月から九月に、観葉植物用の液体肥料を規定どおりか少し薄めて月に二回、または緩効性の置き肥を五月と七月の二回、株元から離して置きます。冬は与えません。
追肥(育ちの途中で足す肥料)が多いと葉の縁が茶色く焼け、土の表面に白い結晶が浮きます。葉色を濃くするのは肥料ではなく光です。ヘゴ棒に登らせて葉を大きくしたい株だけ、生育期に規定量を守って与えます。
- 五月から九月に限る
- 新しい葉が動き出す五月から九月だけ与えます。十五度を下回る時期と植え替え直後の一か月は与えません。
- 置き肥は株元から離す
- 緩効性の粒を鉢の縁寄りに置きます。株元や気根に直接触れると付け根が傷むので、指二本分は離します。
- 葉の縁を見て加減する
- 縁が茶色くなったり土に白い結晶が出たりしたら多すぎます。止めて、鉢底から流れるまで水を与え余分を洗い流します。
肥料は水やりの代わりに与えます。乾いていない土に肥料水を足すと、根腐れと肥料焼けが同時に起きます。
水の失敗の原因と立て直し
葉が垂れる症状は、乾かしすぎでも根腐れでも起きます。対処が正反対になるので、必ず土を触って乾き具合を確かめてから動きます。土が乾いていれば水不足、湿っているのに垂れているなら根が傷んでいます。
根腐れなら鉢から抜き、黒く柔らかい根を切って乾いた新しい土に植え直し、一週間は水を与えず明るい日陰に置きます。茎の付け根まで柔らかいときは、上の硬い部分を切って挿し木にすれば株を残せます。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉が垂れて土が乾いている | 水不足 | 鉢底から流れるまで与え葉水を足す |
| 葉が垂れて土が湿っている | 根腐れ | 腐った根を切り乾いた土に植え直す |
| 下葉から黄色くなって落ちる | 水のやりすぎか低温 | 乾かし気味にして暖かい場所へ |
| 葉先だけ茶色く枯れる | 空気の乾燥か肥料過多 | 葉水を増やし肥料を止める |
| 茎の付け根が柔らかい | 茎の腐り | 硬い部分まで切り上げ挿し木にする |
フィロデンドロンの水やりに使うもの
「何日おき」で決めると必ず外します。乾いたかどうかを見る道具と、鉢底から抜けるようにする道具に分けます。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。電池の要らないものが手軽です。
表面の乾きと、鉢の中の乾きは一致しません。挿して確かめる習慣が付くと、やりすぎがなくなります。
- 注ぎ口の細いジョウロ探す言葉「ジョウロ 室内 注ぎ口 細い」
- 規格の目安
- 容量 1〜2L。注ぎ口が細く長いもの。
葉の間から株元へ差し込んで注げます。葉に水を溜めると、そこから腐る植物があります。
- 受け皿探す言葉「鉢 受け皿 室内」
- 規格の目安
- 鉢底より一回り大きいもの。
鉢底から抜けた水を受けるためのものです。**溜まった水はそのつど捨てます。** 溜めたままにするのが根腐れの典型です。
- 霧吹き(葉水用)探す言葉「園芸 霧吹き 葉水」
- 規格の目安
- 300〜500ml。霧の細かいもの。
水やりの代わりにはなりませんが、葉裏に当てるとハダニが付きにくくなります。乾燥する冬の室内で効きます。
- 自動給水器は、留守が続くときだけで十分です。日常は自分で見るほうが確実です。
- 多肉植物には霧吹きは要りません。かえって蒸れの原因になります。
フィロデンドロンの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフィロデンドロンの育て方にまとめています。
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