花が咲く仕組みと時期
宿根フロックスは春に伸びた茎の先に、小さな花が集まった円すい形の花房を付けます。関東平野部では七月上旬から咲き始め、一つの花房が二〜三週間咲き続けます。花房の中の小花は下から順に開き、全部終わると茎の脇から次の芽が出て二番花になります。この性質を使えば、切り戻しで秋まで咲かせられます。
| 時期 | 花の状態 | 作業 |
|---|---|---|
| 5月 | つぼみはまだない | 摘心して枝数を増やす |
| 7月上旬〜下旬 | 一番花 | 花がらを小まめに取る |
| 8月上旬 | 一番花が終わる | 花房の下で切り戻し、お礼肥 |
| 9月中旬〜10月 | 二番花 | 一番花より小ぶりだが長く咲く |
| 11月 | 花が終わる | 地際で刈り取る |
花数を増やす摘心
五月に草丈が二十〜三十センチになったころ茎の先を摘むと、一本の茎から二〜三本の枝が出て、花房の数がその分増えます。花房一つ一つはやや小さくなりますが、株全体では華やかになり、高さも抑えられて倒れにくくなります。開花は一〜二週間遅れるので、早く咲かせたい株は摘心しません。
摘心(茎の先を摘んで枝数を増やすこと)の時期は草丈で判断します。二十センチに届く前に摘むと枝が細くなり、四十センチを超えてから摘むと開花が大きく遅れます。茎を触ってまだ柔らかく手で摘めるころが目安で、硬くなっていたら遅いと考えます。
- 草丈二十〜三十センチで
- 五月上旬から中旬、茎の先を葉二〜三節分、手で摘みます。硬くなった茎ははさみで切ります。
- 一度だけにする
- 二回以上摘むと開花が八月にずれ込み、二番花の時間がなくなります。摘心は五月中に一度だけです。
- 摘んだ先は挿し芽に
- 摘み取った先端は挿し芽にすると根が出ます。同じ品種を増やす一番簡単な方法で、翌夏には小さな株で咲きます。
花がら摘みと切り戻し
花房の中で咲き終わった小花は、放っておくと種になり、株の力が花から種に向かいます。花房全体の三分の二が終わったら、花房の付け根で切ります。株全体の一番花が終わったら、花房の下の二〜三節を残して切り戻し、お礼肥を与えると、四〜六週間後に二番花が咲きます。
- 花房が終わったら付け根で
- 花房の三分の二が茶色くなったら、花房の付け根で切ります。残った小花を惜しむより、次の花を早く出す方が全体の花数は増えます。
- 株全体を切り戻す
- 一番花が全部終わったら、各茎を花房の下二〜三節の葉の上で切ります。切る位置に脇芽が見えていれば確実です。
- 切ったらすぐ肥料と水
- 切り戻した直後に液体肥料を規定通りに一回与え、水を切らさないようにします。二週間で脇芽が伸び始めます。
花色と品種の特徴
宿根フロックスには白、桃、赤、紫、複色など多くの品種があり、高さも三十センチから一メートル以上まで幅があります。花壇では高さと色の組み合わせで選び、うどんこ病に強いと表示された品種を優先すると管理が楽です。古い品種ほどうどんこ病に弱い傾向があり、近年の品種は病気に強く高さも抑えられているものが多いです。
| タイプ | 高さの目安 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 高性種(古い品種に多い) | 八十センチ〜一メートル | 花壇の後ろ。支柱と摘心が必要 |
| 中性種 | 五十〜七十センチ | 花壇の中ほど。摘心すれば支柱なしで済む |
| 矮性種 | 三十〜五十センチ | 鉢植え、花壇の手前 |
| 斑入り葉の品種 | 五十〜七十センチ | 葉も楽しめる。日焼けしやすいので半日陰 |
切り花にする
宿根フロックスは切り花にもなり、花房の小花が三分の一ほど開いたときに切ると、残りが水の中で開いて一週間ほど持ちます。朝の涼しい時間に切り、すぐ水に浸けます。下の葉を取って水に葉が浸からないようにすると、水が腐りにくくなります。切り花にした茎からも脇芽が出て二番花になるので、庭の花数は減りません。
- 三分の一開いたら朝に切る
- 花房の小花が三分の一開いた朝、茎を長めに切ってすぐ水に浸けます。全部開いてからでは持ちが短いです。
- 下葉を取る
- 水に浸かる部分の葉を全部取り、花瓶の水は毎日替えます。茎の先を斜めに切り直すと水揚げが続きます。
- 咲き終わった小花を摘む
- 花房の中で茶色くなった小花を指で摘むと、残りがきれいに見えて長く楽しめます。毎朝の水替えのついでに行います。
花が少ない、咲かないときの原因と立て直し
植えた年は株が小さくて花が少ないのが普通で、二年目から本来の花数になります。二年目以降も花が少ないときは、日照不足、株の込み合い、うどんこ病による葉の傷み、肥料の偏りを疑います。三〜四年たった株は中心が老化して花が減るので、株分けで若返らせるのが一番効きます。
| 症状 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 花房が小さく数が少ない | 芽が多すぎて一本一本が細い | 春に芽を五〜七本に間引く |
| 茎ばかり伸びて咲かない | 日照不足か窒素過多 | 日なたへ移す。肥料を止める |
| 二番花が咲かない | 切り戻しが遅い、お礼肥なし | 八月上旬までに切り戻し、肥料を与える |
| 年々花が減る | 株の老化 | 春か秋に株分けし、外側の若い部分を植える |
| 葉が病気で落ちて花が貧弱 | うどんこ病 | 病気の葉を取り、殺菌剤。品種を強いものに替える |
フロックスの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
フロックスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフロックスの育て方にまとめています。
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