年間の流れ
宿根フロックスの一年は、三月に芽が出て、五月に摘心、七月に一番花、八月に切り戻し、十月に二番花、十一月に地上部を刈り取って休眠、という流れです。作業の山は五月の摘心と八月の切り戻しで、この二つで花数と開花期間が決まります。時期は暦より草丈と花の様子を見て前後させます。
五月の摘心(茎の先を摘んで枝数を増やすこと)は草丈を見て決め、八月の切り戻しは花房の様子を見て決めます。芽が出る時期も年によって二週間ほどずれるので、三月になったら株元を見て、赤い芽が確かめられたら肥料を置く、という順で進めます。
| 月 | 作業 | 株の姿の目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 芽出し肥、株分け、植え付け | 地面から赤みを帯びた芽が出る |
| 4月 | 芽の間引き、除草 | 草丈十〜二十センチ |
| 5月 | 摘心、挿し芽 | 草丈二十〜三十センチ |
| 6月 | 支柱、うどんこ病の予防 | 草丈五十センチ以上、つぼみが見える |
| 7月 | 一番花、花がら摘み、水やり | 花房が開く |
| 8月 | 切り戻し、お礼肥 | 一番花が終わる |
| 9月 | 水やり、肥料は止める | 脇芽が伸びてつぼみが付く |
| 10月 | 二番花、株分け、植え付け | 小ぶりの花房が咲く |
| 11月 | 地際で刈り取り、堆肥を敷く | 地上部が枯れる |
| 12〜2月 | 休眠、作業なし | 地面に何もない状態 |
春の作業(3〜5月)
三月に地面から赤みを帯びた芽が出てきたら、株の周りに緩効性肥料を置きます。株分けと植え付けもこの時期に行います。四月に芽が十本以上出ている株は、細い芽を地際で切って五〜七本に絞ります。五月に草丈が二十〜三十センチになったら摘心し、摘んだ芽は挿し芽にします。
- 3月:芽出し肥と株分け
- 芽が見えたら緩効性肥料をひとつかみ株の周りに置きます。三〜四年たった株はこの時期に掘り上げて株分けします。
- 4月:芽の間引き
- 芽が多すぎる株は細い芽を地際で切り、五〜七本に絞ります。株元の雑草もこの時期に取ります。
- 5月:摘心
- 草丈二十〜三十センチで茎の先を二〜三節摘みます。半分だけ摘むと開花がずれて長く咲きます。
初夏から夏の作業(6〜8月)
六月は梅雨でうどんこ病が出やすい時期です。株元の下葉を整理して風を通し、白い粉が出た葉はすぐ取ります。背の高い品種は六月中に支柱を立てます。七月に一番花が咲いたら、花がらをこまめに取り、晴天が続けば株元に水をやります。八月上旬に一番花が終わったら切り戻してお礼肥を与え、二番花に備えます。
- 6月:支柱と病気の予防
- 支柱を三〜四本立ててひもで囲います。うどんこ病の出やすい株には予防的に殺菌剤をかけます。
- 7月:開花と水やり
- 花がらを小まめに切ります。晴天が一週間続いたら株元にたっぷり水をやり、葉には水をかけません。
- 8月:切り戻しとお礼肥
- 一番花が終わったら花房の下二〜三節で切り戻し、液体肥料を一回与えます。八月上旬までに済ませると二番花が確実です。
秋の作業(9〜11月)
九月は切り戻した茎から脇芽が伸び、つぼみが付きます。肥料はもう与えず、水切れだけに注意します。十月に二番花が咲き、同時に株分けと植え付けの適期でもあります。十一月に霜が降りて地上部が枯れたら、地際から五センチで刈り取り、株元に堆肥を敷いて冬に備えます。枯れ茎を残すと病気の胞子が越冬します。
- 9月:肥料を止める
- 秋の肥料は株を軟らかくして冬の傷みを招きます。九月以降は水やりだけにし、乾いたら株元にたっぷりやります。
- 10月:二番花と株分け
- 二番花を楽しみつつ、増やしたい株や老化した株は花後に掘り上げて株分けします。芽三〜五本ずつに分けて植えます。
- 11月:刈り取りと堆肥
- 地上部が枯れたら地際五センチで刈り、枯れ茎は持ち帰ります。株元に堆肥を三センチ敷きます。
冬の作業(12〜2月)
冬は地上部がなく、作業はほとんどありません。宿根フロックスは耐寒性が強く、関東平野部では防寒なしで越冬します。株の位置が分からなくなるので、刈り取ったときに札を立てておきます。冬の間に周りの土を軽く耕し、二月に堆肥を足しておくと三月の芽出しが揃います。鉢植えは乾かしすぎないよう、週に一度ほど水をやります。
- 12月:札を立てる
- 株の位置に札を立て、上を踏んだり他の植物を植えたりしないようにします。春に芽が出るまで目印になります。
- 2月:堆肥を足す
- 株の周りに堆肥を足して軽く土に混ぜます。三月の芽出し肥と合わせて春の伸びを助けます。
- 鉢は乾かさない
- 地上部がなくても根は生きています。週に一度、暖かい日の午前中に軽く水をやります。
時期を逃したときの戻し方
摘心を逃して草丈が伸びても、支柱で支えれば花は咲きます。切り戻しが八月下旬にずれ込むと二番花は十一月になって霜で傷むことがあるので、そのときは切り戻さずに一番花の花がらだけ取って秋を迎えます。株分けを逃して株が老化しても、翌春に分ければ回復します。どの作業も一年遅れるだけで株が枯れることはありません。
| 場面 | 影響 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 5月の摘心を逃した | 草丈が高く倒れやすい | 六月中に支柱を立てて支える |
| 8月の切り戻しが遅れた | 二番花が霜に当たる | 八月下旬を過ぎたら切り戻さず、花がらだけ取る |
| うどんこ病を放置した | 葉が落ちて花が貧弱 | 病気の葉を全部取り、殺菌剤。翌年は品種を替える |
| 秋の刈り取りを忘れた | 枯れ茎に病気が残る | 二月までに刈り取り、枯れ茎を処分する |
| 株分けを何年も忘れた | 中心が枯れて花が減る | 三月か十月に掘り上げ、外側を分けて植え直す |
フロックスの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
フロックスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフロックスの育て方にまとめています。
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