症状から原因を絞る
宿根フロックスのトラブルは、うどんこ病が圧倒的に多く、次に夏の乾燥による下葉の枯れ上がり、ハダニ、アブラムシ、ヨトウムシが続きます。葉に白い粉があればうどんこ病、葉の色が抜けて裏に細かい点があればハダニ、新芽に群れる小さな虫はアブラムシです。まず葉の表を見て、次に裏を確かめます。
| 症状 | 疑う原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 葉の表に白い粉 | うどんこ病 | 指でこすると粉が付く。下葉から広がる |
| 葉の色が抜けてかすり状、裏に細かい点 | ハダニ | 白い紙の上で葉を叩くと動く点が落ちる |
| 新芽やつぼみに小さな虫 | アブラムシ | 指でこすると汁が付く |
| 葉が夜のうちにかじられる | ヨトウムシ | 株元の土を掘ると幼虫がいる |
| 下葉から黄色く枯れ上がる | 夏の乾燥か株の込み合い | 土が乾いていないか、風が通っているか |
| 茎が根元から腐る | 過湿による根腐れ | 株元が黒く柔らかい |
うどんこ病
梅雨から夏、葉の表面に白い粉をまいたようなカビが出ます。下葉から始まって上に広がり、ひどくなると葉が黄色くなって落ち、花も貧弱になります。風通しの悪さ、株の込み合い、窒素過多、乾燥と湿気の繰り返しが原因です。出てしまった葉は元に戻らないので取り除き、残りの葉に草花用の殺菌剤をかけます。
- 春に芽を間引いて風を通す
- 四月に芽を五〜七本に絞り、株元の下葉を整理します。株間を四十センチ以上取ることも予防になります。
- 出た葉はすぐ取る
- 白い粉が出た葉は見つけ次第取り、袋に入れて捨てます。株元に落とすと胞子が残ります。
- 殺菌剤を二週間おきに
- 六月から予防的に草花用の殺菌剤を二週間おきにかけます。出てからは葉の裏まで丁寧にかけます。
- 重曹水で軽い予防
- 水一リットルに重曹一グラムを溶かして葉にかける方法もあります。効き目は穏やかですが、出始めなら抑えられます。
毎年ひどく出る株は、うどんこ病に強いと表示された品種に植え替えるのが一番の解決策です。
ハダニとアブラムシ
ハダニは乾燥した夏に葉の裏で増え、葉の色がかすれたように抜けます。葉の裏に水をかけると減りますが、フロックスは葉に水をかけるとうどんこ病が出るので、朝の早い時間に葉裏だけにかけ、日中に乾くようにします。アブラムシは春の新芽とつぼみに付くので、数が少ないうちに指でつぶすか水で流します。
- ハダニは朝に葉裏へ水
- 朝の涼しい時間に葉の裏だけに水を勢いよくかけます。日中に葉が乾く時間を作ることでうどんこ病を避けます。
- 多ければ殺ダニ剤
- 葉の色がかすれるほど増えたら、草花用の殺ダニ剤を葉の裏中心にかけます。同じ薬を続けると効かなくなるので種類を替えます。
- アブラムシは早めに
- 五月から六月、新芽とつぼみを週に一度見て、群れる前に指でつぶすか草花用の殺虫剤をかけます。
ヨトウムシとナメクジ
ヨトウムシは昼間は株元の土の中に潜み、夜に出てきて葉をかじります。葉に大きな穴があいているのに虫が見えないときはヨトウムシを疑い、株元の土を軽く掘ると見つかります。ナメクジは雨の日や夜に新芽や花を食べ、光る筋を残します。どちらも夜の見回りで捕まえるのが確実です。
- 株元の土を掘る
- 葉に大きな穴があいていたら、株元の土を三センチほど掘り、丸まった緑や茶色の幼虫を探して処分します。
- 夜に見回る
- 雨上がりの夜に懐中電灯で見回り、葉の上のヨトウムシやナメクジを捕まえます。鉢の底も確かめます。
- 若い幼虫は葉裏で
- 六月ごろ葉の裏に卵のかたまりや小さな幼虫の群れがあれば、葉ごと取って捨てます。散らばる前に見つけるのがこつです。
根腐れと株元の腐り
水はけの悪い場所や、株元を深く埋めた株は、梅雨に株元が黒く腐ることがあります。茎が根元から倒れ、引くと簡単に抜けます。腐った茎を取り除き、株元の土をほぐして乾かします。株全体が腐っていれば掘り上げて健全な部分だけ植え直します。予防は水はけのよい土と、浅植えです。
| 状態 | 判断 | 手当て |
|---|---|---|
| 一部の茎だけ根元が黒い | 部分的な腐り | その茎を地際で取り、株元を乾かす |
| 株全体が倒れ根元が柔らかい | 根腐れ | 掘り上げて腐った部分を除き、新しい土に植え直す |
| 土が常に湿って苔が生える | 水はけ不良 | 秋に掘り上げ、土を盛って高く植え直す |
| 株元に白い菌糸 | 白絹病 | 株ごと処分し、その場所の土を入れ替える |
管理が原因の障害と戻し方
病害虫ではなく、乾燥、日照不足、肥料の偏りで起きる障害もあります。夏の乾燥で下葉が枯れ上がるのが最も多く、株元に水をやってマルチを敷けば止まります。日陰では茎が細く伸びて倒れ、窒素が多いと葉ばかり茂ります。虫もカビもないときは、置き場所と水やり、肥料を順に振り返ります。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 下葉から枯れ上がる | 夏の乾燥 | 株元に深く水をやり、腐葉土でマルチ |
| 茎が細く倒れる | 日照不足 | 日なたへ移す。翌年は摘心して低く仕立てる |
| 葉ばかり茂って花が少ない | 窒素過多 | 肥料を止め、花用のリン酸の多いものに替える |
| 斑入り葉が茶色く焼ける | 直射日光 | 午後日陰になる場所へ移す |
| 花色があせる | 強い日差しと高温 | 品種の性質。切り花にして涼しい室内で楽しむ |
フロックスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフロックスの育て方にまとめています。
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